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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱メアリー |I need you ( No.176 )
- 日時: 2010/07/12 21:55
- 名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)
(午後は甘い匂い)
「別れたの、直人と」
甘ったるい匂いの漂う、ウルトラチョコミルクという名のクレープをおいしそうに食べながら結花が言う。「そうなの」と流すように言うと、結花は目を細めながら「興味なさそうね」と笑った。
ファミレスは昼時ということもあり、かなり混んでいてウェイトレスが忙しそうに動き回っている。あたしはアイスコーヒーをストローですすりながら、結花の話を聞く。
「馬鹿な男だったの。すっごい馬鹿」
「どういったところが?」
そう訊ねると結花はうーんと唸りながらクレープに噛り付く。口元に茶色いチョコが少しついていた。
「……どこが、かしら。あたしもよく分かんない」
結花はそう言って自嘲的な笑みを見せる。そして尚も甘ったるそうなクレープに噛り付くのだ。そして「まああたしは、分からないくらい馬鹿の男に振られたんだけどね」と締めた。
窓からは少し暑いくらいの日差しが差し込んで、グラスに反射してキラキラしていた。きれい。結花はそのグラスを傾け、ストローなどを一切使わずミルクティーを飲み干した。
(午後は甘い匂い)
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