コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱メアリー |白いライン ( No.214 )
- 日時: 2010/07/16 19:28
- 名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)
あなたのことを好きだと気付いたのは、クラス替えであなたと離れてからのことでした。桜が舞う季節になり新学期がスタートして、クラス発表が校庭でされたとき、あたしの名前の書かれたクラスのところにはあなたの名前はどこにもありませんでした。あーあ、別々のクラスになっちゃったんだ。前のクラスで、一番仲良い異性の友達だったあなたに思いを馳せたのは、そんな程度でした。
——夏。教室についているエアコンの使用が許可され、クーラーによって涼しくなりました。授業中、窓の外をふと眺めると、一組と二組と三組が体育をしているみたい。あたしは目が良いのが自慢です。この前の視力検査でも、両方とも二,〇と言われました。そんなあたしだから、二組の中にあなたの姿があるのを簡単に発見出来たのです。
国語の授業、先生の話を聞くのも忘れてあたしは窓の外をずっと見ていました。——異変に気付いたのはそのときくらいから。あれ? あたし何でそんなに意識してるんだろ。去年まで同じクラスで隣の席にだって三回もなったのに、意識なんてしたこと無かった。何で今更……そんな疑問が脳内を駆け巡って、あたしはずっと考えてました。“恋愛感情が芽生えた”ということには気付いてましたが、気付きたくなかったのです。今までみたいに、気軽に話すことが出来なくなりそうで。
廊下ですれ違うと、触れ合いそうなくらい近づいた肩が熱い。後姿を目で追う、背中が遠ざかって。嗚呼、いつのまにあたしはこんなに好きになってたんだ。やっと気付いた思いのタイミングの悪さに、涙が零れ落ちそうになりました。何で別々のクラスになってしまった今なの? 小学生の頃から仲良しな友達だったのに。恋愛対象に変わることなんて絶対ないはずだったのに。
だけど好きと伝えたら、二度ともう戻れない気がして。
(恋愛摩擦)