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- Re: 白雪姫はりんご嫌い / 短編 ( No.381 )
- 日時: 2010/10/10 00:03
- 名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: zFyt/1.A)
両親が離婚した。母はあたしに当たらなくなり、あたしは平常を手に入れた。
だけど、この癖は直らなかった。
*
階段を駆け上り、自分の教室へと向かう。廊下は走っちゃいけません! なんてよく言うけど、今は原田を待たしているし、気にしてなんていられない。
教室の戸を開け、中へ入る。当然電気は消えていて、教室内には俺一人だけ——のはずだった。
「……鈴野、恵那?」
思わずフルネームで訊ねてしまうほど、驚いていたのだと思う。鈴野恵那はゆっくりと振り返り、そして俺の顔を見て少し驚愕の表情を見せる。だが、すぐに無表情になり俺を見つめる。
——俺は思わず鈴野恵那の首を見つめた。
スカーフは巻かれておらず、彼女の右手に握られていた。そしてその白い首には青黒い、手で絞めたような痣。
「鈴野、その痣……?」
鈴野恵那は何も言わず、俺をただ見ている。睨みつけているようにも見える。
「誰かに、やられたのか……!? 虐待とか、いじめとか……それとも男に……」
「そんなわけないじゃない」
冷たい、鈴野恵那の声。すべてを拒絶するようで、何も感情のこもっていないような、そんな声調。
「自分で……? 首、絞めたのか?」
自分でも分からないけど、声が何故か震えた。鈴野恵那は否定もしなければ肯定もしない。ただただ、俺の目を見つめている。
そして、
「生きていることを、確かめたいの」
そう、小さく呟いた。
「頚動脈に触れれば血液の流れが分かる。皮膚に触れれば体温を感じられる。そして指先に力を込めて絞めれば呼吸が出来なくて苦しくなる。ああ、生きてるんだなあってあたしはうれしくなれる。あたしは死が怖いの。怖すぎて、たまらない」
出会ってまだ四日しかたっていないのに、鈴野恵那は俺にそんな衝撃なカミングアウトをされた。俺は断じて彼女に恋などしていない、だけど。
「そんなことしなくても、お前は生きてるよ。俺が保障してやる」
そんな、漫画みたいな言葉を彼女に言っていた。
鈴野恵那は少しだけ目を丸くして、そして小さく吹き出し笑った。とてつもなく、可愛い笑顔。
(心中ディスティニー)3/3
無理やり終わらした感が凄い…;
未熟すみません;