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- Re: 青春ライン*最も危険な男… 9話UP ( No.43 )
- 日時: 2010/07/27 21:07
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
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「—————五十嵐ィ、2分17秒も遅れやがったな…後で存分にいたぶってやる」
「ひでぇなぁ、穏便にいこうぜ。大体3分以内で来れたのもある意味奇跡だろ」
あれから少し時間がたった時、バイクにまたがった黒髪に白いメッシュを入れている男が現れた。
男の俺でも美形だと言っていい程の整った顔立ちだ。
「で、あいつが東城 渚?
———何、思ったより足重症じゃん!?大丈夫?」
と、五十嵐がバイクから降り俺の方に近づいてきた。
「うわぁ〜、コレ折れてんな絶対…。
——何してたのお前等、喧嘩か?喧嘩なのか?」
骨折した足を覗き込みながら、五十嵐は「痛そー…」と眉をひそめていた。
「…嗚呼、なるほど、歩けないからコイツを後ろに乗っけろって事か。
…馬鹿か雲仙!俺、罰金早える金持ってきてねぇのに!」
『いやいや、問題は払えるかどうかじゃねぇだろ…』
俺は苦笑を浮かべながらそう思った。
「ま、頑張れや。裏道使えばすぐ学校行けんだろ。
———くれぐれも警官に見つかんねぇよーになぁ」
「へいへい、まぁ頑張るわ」
———ブォオンッ
そして、五十嵐は大きなエンジン音を立てながら、バイクを発進させた。
「————あ、名前言ってなかったな!俺、五十嵐 蓮!よっしくー」
五十嵐はまだ自分が名乗って無い事に気が付くと、後ろの俺にそう言った。
…五十嵐 蓮か…
五十嵐 蓮…
五十嵐…
——————五十嵐?
俺は、その名字である人物の顔を思い浮かべた。
『五十嵐 柚季』———昼過ぎに俺が会った奴の名前だ。
あいつも確か『お兄ちゃんが———』とか言ってたし、
雲仙とのやり取りでこの五十嵐は『シスコン』って言われてたよな。
………アイツ、コイツの妹かよ…!
合致がいった瞬間、俺の背中にぞぞぞ、と、寒気が走った。
「———どした?さっきから全く喋らねーけど…気分悪いとか?」
すると、五十嵐はミラー俺の顔色を窺いながらそう言う。
「……いや、別に…」
俺は苦笑を浮かべて————そう言うしかなかった。