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Re: 俺のトモダチは不思議ちゃん ( No.14 )
日時: 2010/07/19 16:38
名前: apple★ (ID: TLzyWqX6)

○−05



「岡本が?」

「そうだよ!伊槻、助けに行ってやれよ!」

「お前が行けばいいじゃねぇか。」


この状況で、何言ってるんだ!?
伊槻だからこそ俺は言ってるのに…


「とにかく、俺以外の奴をあたれよ。
 俺は冗談じゃないから。」

「希咲ちゃんがフルボッコにされたらどーするよ?」

「所詮、女同士のイザコザだろうが。」


伊槻だって、たまには女の子の為に
何かしてやれば良いのに。
だんだん腹が立ってきて、気がつけば怒鳴っていた。


「クソ伊槻!てめマジいい加減にしろや!!」

「!?」

「いいから行けよ!
 お前も正直になったらどうだ!?
 希咲ちゃんがボコられたら、お前だって嫌だろ!?」


          「──────クソが…」




「痛ッ…!」

「ほら田端!お前も一発殴ったらどう?」

「じゃあアタシもいったろかなッ♪」

「行けッ!田端──ッ…」

「っ! ……?」


瞑っていた目をゆっくりと開けたら、
そこには伊槻くんがいた。
何故だか、その時涙が止まらなかった。


「馬鹿共が。散れ!」

「ぎゃ…伊槻君──……!」


長谷川さん達は、すぐさまバタバタ逃げていった。
何で伊槻くんが…?絶対来てくれないと思った…


「伊槻く…

「クソが!面倒なことにつき合わせんじゃねーよ!
 手間がかかる女だな、…ったく!」


すごく厳しい説教だけど、
伊槻くんは怒ってなかった。私にはそう見えた。


「とにかくテメーに怪我無くてよかった。」

「ありがとう」

「お前!これ以上近づけば、ブッ殺す!
 勘違いすんな、これは労わりだ。
 愛情なんて微塵もねえ。」

「…あは…そっかあ^^;」



「──おーい希咲ちゃん、無事〜?」

「あ、和樹!大丈夫だよ、私は。」

「でもちょい頬赤くねえ?」

「本当、だいじょぶだから☆
 伊槻くんが来てくれたお陰で、全回復!」

「そっか!そりゃー良かった!」

「…ふん。」


これで伊槻と希咲ちゃんの距離も少しだけ縮まった?

俺にはあの伊槻が動いてくれたのが、
嬉しくてたまらなかった。

俺があれだけ本気で怒鳴ったせいもあるだろうけど、
でも何を言おうが伊槻は女に全く興味が無かったのに。
ましてや助けるなんて論外だったのに、


希咲ちゃんだけには…

       
        まあとにかく…良かったってことさ。