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Re: 俺のトモダチは不思議ちゃん ( No.28 )
日時: 2010/08/02 17:54
名前: apple★ (ID: TLzyWqX6)

○−10



てか!ここまで気張る必要なくない!?
だって…別に何かあるわけでもないしっ

ただ勉強を教えてもらうだけ!!!!


「なんか和樹から炎か何か出て見えるんすけど」

「私も、なんか見える…熱気?」

「和樹の奴、真帆がそんなに気になんのか…」


!!

伊槻くんも女の子だけど呼び捨て
する子はいるんだ…。
その子…伊槻くんと親しいのかな…。
なんかメッチャ気になる!


「やっと和樹も赤点取らないように
 やる気出してくれたか…。」

「あ…それは良い事だよね!やる気出してくれて」

「…なんか岡本も頭悪そ。」

「えっ」

「お前が赤点取るのこの目で確かめてやるよ。
 上から見下ろすようにな。」

「ねえ伊槻くん、私エガちゃんのマネしていい!?」

「は!?」




遂に時が来てしまった。
学校が終わったって事は…
俺今から真帆ちゃん家行かないとならないよな。
断ったら嫌われる!(多分)
平常心、平常心!

胸の鼓動がものすごく速い。
緊張で体中に寒気が走った。
7月の暑い中なのに…
なんだこの寒気は!!!!



「いらっしゃい、和樹君」

「あ…どどどどどうも!
 今日は宜しく…」

「うん。よろしく」


やっぱ可愛いな真帆ちゃんは。
髪型は、ポニーテールになっていた。
ストレートも似合うけど、ポニーテールも似合う。
多分どんな髪型でも似合う!

家にお邪魔すると、そこにはイメージ通りの光景が広がる。

全く散らかってない綺麗な白っぽい部屋。
教材や小説が本棚にズッシリ。
所々に可愛らしいぬいぐるみやクッション。


「喉乾いたね。何飲みたい?」

「なんでもいいよ☆」

「う〜ん…何がいいの?」

「あ〜、じゃあコーラかな〜。」

「OK」


少し待つと、ちゃんとコーラが来た。
可愛いミニーちゃんのコップに入って。
ちなみに真帆ちゃんのコップにはカルピスが入っている。

一口カルピスを飲んだ後、真帆ちゃんは手を合わせた。


「さ、さっそく始めようか!
 何の科目が苦手?」

「え…と…全部」

「そっか、分かった。
 じゃあ順番にやってこ。」

「スンマセン…」


俺は、真帆ちゃんの教えのもと、
内容が理解できるようになってきた。
頭がよくなった気がする。
全くやる気が起きなかった勉強でも、
その時は楽しく感じたんだ。

“分かれば、楽しいじゃん”って。

真帆ちゃんに視線を向けると、
後ろの棚に、
ちょこっと写真がはみ出ていた。


「あっ真帆ちゃん、後ろ、写真落ちそうだよ」

「えっ」


真帆ちゃんは写真を一旦抜いて、再び
綺麗に入れようとした。
その時不意に写真が見えた。


────知らない男の写真。


「ま…ほちゃん、その男の人、誰??」

「えっ?ああ、この人は、真帆の彼氏だよ。」



体中が、一気に凍りついたんだ。


部屋にクーラーの乾いた音だけが響く。


        ───俺は何も言葉が出なかった。