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Re: 俺のトモダチは不思議ちゃん ( No.34 )
日時: 2010/08/02 17:48
名前: apple★ (ID: TLzyWqX6)

○−12



今日は、中間テスト当日。

俺は4時間しか睡眠をとってない。
親が勉強しろ勉強しろってうるせぇから…。


俺の親は2人共医者で、
俺も医者にさせたいらしい。
だから親は俺に勉強させる事しか頭に無い。
親らしいことなんて何一つしてない。

この前なんて、
父親が他の女と浮気していることを知ってしまった。
街中で偶然見たのだ。
金髪の女と、楽しそうに歩いていた所。
相手はこっちに全く気がついていないみたいだった。

ろくな親じゃない。俺は親みたいになりたくない。



「伊槻ぃ〜」


だらけた和樹の声。


「何だよ。」

「俺昨日全く勉強できなかった…。
 真帆ちゃんのこと気になっちゃって…」

「ウジウジして女々しい奴だな。てめぇは」

「ひどっ…でも、そうかもな…」

「…俺に用がないなら自分の席戻れよ。」

「用ならある…。
 伊槻…英語教えて…
 全くやってないんだ…
 せめてノートだけでも見せて…」

「…仕方ねーな」

「ありがと伊槻…」


テスト開始まで15分。

もう復習は完璧だし、仮眠でも取るか…

俺は机にうつ伏せになり、静かに目を閉じた。
だが周りのうるさい声でなかなか眠れない。


「宮田くん寝てる…余裕なんだね…」

「確か学年2位なんだって。すごいよねー」

「1位は伊倉さんだっけ…
 そういえばこの前一緒にいる所見ちゃった。」

「悔しいけど、お似合いだよね〜美男美女。」

「宮田くんが呼び捨てで女子の事呼ぶのって
 伊倉さんだけだよね。」

「いいなぁ〜うらやましいなぁ〜」

「あれ?岡本さんの事は呼び捨てじゃなかったっけ?」

「岡本さんの事このまえクズとか呼んでた様な…」

「うん、クズって呼ばれたね」

「岡本さん!!」

「伊槻くんが私のこと呼び捨てなんて
 一生してくれないよ…^^;」

「そっか〜…あれ?岡本さん、復習しないの?」

「うん、しないね☆」

「いいの?」

「うん、いいんだ私は!昨日頑張ったし。」


──────────────────・・・・・



「始め!」


担任が勢い良く始めの声をかける。

一斉にプリントを裏返す音。
シャーペンで字を書く音。


そして50分後。


「やめ。」

チャイムの音と同時に
どこからか溜め息をつく声が聞こえる。

そしてガヤつき始める教室。
「どうだった?」「全然ダメ」
確かめ合う奴等。


「伊槻くん、どうだった?」

「あ?」


この高くてウザイ声は岡本だ。

視線を向けると、予想通りだった。
そういえば久々だ。岡本と話すのは。
最近はすっかり長谷川達の所にいるから。


「できた?」

「微妙。」

「希咲ちゃ〜ん、俺ぜんぜんだめだったよー」

「あはは、和樹、私もだよ」


相変わらず仲いいな、和樹と岡本。
和樹は岡本とくっつけばいいのに。
お似合いだ、能天気同士。


             俺は…無いな。