PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Teens!! 〜僕らの物語〜 【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2010/07/05 20:30
- 名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)
あ゛ぁ〜〜
またか。
何回目だよ。
「もう俊なんて知らないからっ!!」
俺には到底出せそうも無い甲高い声でアイツが叫んだ。
「それはこっちのセリフだっ! もう俺は帰る!!」
そう言い放って、俺はアイツの部屋から出て行った。
我ながら、子供だなーとも思うが。
しょうがないじゃないか。俺は怒ってるんだ。
付き合ってから(およそ)6回目のケンカ。
もう既に忘れてしまったぐらい、くだらない理由だったんだけど。
歩き始めて10分経ってもまだイライラが収まらなかった。
あいつとは、ずっと友達の関係だった。
でも、お互い好きになっていったらしく、半年前俺が告ってめでたく付き合うことに。
一ヶ月くらいだったな。
平和だったのは。
あの時はまだ、初々しさもあってかうまくいってたんだけど。
最近は、ケンカ⇒仲直り⇒ケンカ……の繰り返しだ。
俺、アイツとは駄目なのかもな。
このまま居ても、またケンカするだけだろうし。
別れようか———
そんな考えが過ぎった。
次の日、またアイツの家を訪れた。
謝る為じゃない。
別れる為だ。
学校でも出来るが、それは駄目な気がした。
俺はけっこう律儀なのだよ。
ガチャッ...
アイツが出てきた。
「俊……」
あ、シュンって俺の名前ね。
「別れよう」
そう言おうと思っていた。
でも、それより先に、アイツの高い声が響いた。
「ごめんっ!!」
あ゛ぁ〜〜
またか。
何回目だよ。
そんな顔すんなよ。
「こっちこそ……ごめん」
キミがそんな顔するから、
つい俺はこう言ってしまうんだ。
「本当!?」
嗚呼
キミのその笑顔で
また俺は、キミに恋してしまうんだ。
PR