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Re: Teens!!  〜僕らの物語〜  【短編集】 ( No.3 )
日時: 2010/07/08 17:54
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)




毎日、毎日、君の事を考えてしまう。

こりゃ、重症だわ。



  学校———

 「唯っおはよっ」
朝、元気に挨拶してきたのは親友の蘭。
唯は私の名前。

 「おお、蘭君かね。おはよう」
 「御主は何奴かっ!!」
 「蘭こそ誰だよっww」
蘭と私はボケたり突っ込んだりする。
そんで、笑う。
これが日常。楽しい、とっても。


突然、後ろから声が掛かった。
 
 「よっ」

あ…………

 「あっおはようっ!!」
 「おはよ……」
先に挨拶したのは蘭。

 
こいつは、健太。
私の男友達であり、蘭の彼氏。
そんでもって、私の好きな人。

三角関係……ってやつなのかなぁ。
まぁどんな関係であろうと、好きな人に恋人がいるのは辛い。


ふと、二人の鞄をみると全く同じキーホルダーが着けられていた。

 「それ……お揃い?」

私が訊くと、二人は顔を紅く染めてちょっともじもじし始めた。


 「うん」

そんな答えが返ってきた。


二人は、幸せそうだった。



私も、健太とお揃いグッズ持ちたかったな。
そんなこと、無理に決まってるんだけどね。


例えば、もし今から私が「好き」って言ったとして。

どうなるって言うんだ。

きっと健太は、困った顔して、悲しそうな顔して、申し訳無さそうな顔するんだ。

そんな顔、させたくないよ。


次の日もまた、二人と会う。
同じクラスだから、当たり前なんだけど。

好きな人と同じクラスって、嬉しいけど、残酷だ。

二人のお揃いのキーホルダー。
見ていると、胸がチクチクする。小さくズキンッと疼く。

 「キャハハハッ」
蘭の笑い声。
それにつられて笑う健太。

蘭が独り占めできる健太の笑顔。
私には決して手に入れられないもの。

 
 ズキンッ——

ズキンッ——


ほら、また——


 ある日の事。

二人は、喧嘩したみたいだ。

いつも仲良しな二人の間には、微妙に距離があった。

今日はやけに健太が話し掛けてくる。


——でも、チャンスだなんて、思わない。

そう思えるほど、二人の絆は脆くない。

だって、健太が話し掛けてくる内容は全部

「どうしよう」なんだ。
「どうしたら、仲直りできるかな」って。

 「そんなの知らないよ」って言えたら楽なのに
健太に頼られたことが嬉しくてつい、相談に乗ってしまう。


憧れの、お揃いのキーホルダー。

私には到底、手に入れることは出来ないんだ。