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Re: Teens!!    ( No.5 )
日時: 2010/07/10 19:27
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)

——— 夏


 「ピピ—————ッ」

試合終了の合図。  

俺はその時、涙を流していた。
試合に負けたから。
かっこ悪いとか、知ったこっちゃない。
周りにも、けっこう同じような奴はいる。

 「俺らの夏が終わったなー」
誰かが言っていた。

終わった?
終わってね—よ。
終わって堪るかよ、バカヤロー。


でも確かに、俺の生きがいがなくなったのは事実で。


   ▽


 「はぁ〜〜〜〜」

夏休みは終わりに近づいているけど、俺はまだダラダラしていた。

 「だらだらしてんじゃないよっ! 受験生がっ!」

こういう場面で、よく掃除機を持ったババァが出てくるけど、俺のとこは違った。

 「んな事言ったってさー、しゃーねーじゃん?」
ちなみに、俺は床に寝転がって漫画よんでる。
の○太かよ、という突っ込みはナシの方向で宜しく。

 「何が」
で、このババァはというと、
美味そうにプリン食ってやがる。

 「まぁ、いろいろと」
ババァよ。お前も人の事言えないような気もするのだが。
まぁ面倒だから黙っとこう。

 「言い訳してんじゃないよ、受験生」
ババァは俺を一瞥してからまた美味そうにプリンを口に運ぶ。

全く。
この時期の親とか教師とかさ、
何かにつけて「受験生」って言うの止めて欲しいよねぇ。

まぁ、この時期に何にもしてない俺もどうかと思うけどさ。

   ▽

夏休みが終わる頃、周りは、まさに 受験生です! って感じの奴ばかりだった。
「そんなに張り切らなくても」と言ったら、ちょうど其処に居た教師に
「お前が可笑しいんだよ」と頭を軽く叩かれた。
痛ぇよ、コンニャロー。


みんな真面目だねぇ。


学校帰り。
俺は、ふらふらと町を歩いていた。
いつもなら、部活の時間だ。
こんなに早く家に帰るなんて、物足りない。


多分、こんな事してんの俺くらいだろうなーと思ってた。

特に行く所も無く、とりあえず本屋にでも行こうかと思った。

本屋に向かって歩き始めて数分、目の前に俺と同じ学校で同じ学年の女子がいた。知らない子だったけれど、制服で分かる。

顔を見るとけっこう可愛い子だった。

暇なので声を掛ける。

 「こんな所で何してんの?」
あ、えっと僕、けっしてナンパなんかしてませんよ?
ただ、同じ学校の子がいたからっつーだけで。

俺が心の中で必死に誰かに弁解していると、
その女の子が返事をくれた。

 「何も」

まぁ、シンプルな答え。

 「良いの? 見た所受験生でしょ?」
 「関係無いでしょ」
 「まぁそうですが」

クールな子だなーなんて考えていたら

 「ねぇ、いま暇?」
 「は?」
 「暇かって訊いてるの」
何これ。まさかの逆ナンって奴ですかね。
 「で? 暇? うん、暇そうだね」
え、勝手に決められちゃいましたが?

 「じゃ、来て」

え?
どういう状況?
引っ張られてますね。
こんな可愛い女の子に連れて行かれるとは。
この子、めっちゃ歩くの早いんすけど。俺、転びそうなんすけど。

俺、何処に連れてかれんだろー……。


なお、この話は後編へ続くらしいぞ?