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Re: Teens!!    ( No.6 )
日時: 2010/07/18 18:19
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)



 連れて来られたのは近所の海だった。

何で此処?とも思ったけど
彼女は無言のままだった。

此処に来るのも久しぶりだなー
俺はぼんやりと海を眺めていた。

彼女は掴んでいた俺の腕を下ろし、
砂浜にストンっと座った。
女子なのに、汚れることとか気にしないのかな。

 「それで?」

 「何が」

 「何で俺は此処に連れてこられたの?」


 「……あれ」

彼女は何かに指を指した。
其処には、カップルの姿があった。

 「私だけ一人はイヤ」

 「……じゃあ、俺が此処にいる意味は?」

 「ない」

きっぱりっすね。
軽く傷ついたんだけどなぁ。


彼女は、それからずっと海を見つめていた。
彼女の横顔は綺麗で、やっぱ美人だなーと思った。



突然、彼女の口が開いた。


 「ねぇ。生きる意味ってあると思う?」


お前は自殺志願者か。

こういう時、大人って大抵「ある」っていうよね。
訊かれてもまともに答えられないくせに。

 「無いんじゃねぇ?」

少なくとも、俺は無い。

この年で生きる意味があると言えるほど俺は立派じゃない。
生きる意味があるかなんて、死んでから判ると思う。

だから、無いっていうより判らないが正しいのかな。


 「何でそんな事 訊くん?」

 「何となく」

この子大丈夫かね。
最近多いよなー。こういう奴。

まぁ如何でも良いけど。

 「ねぇ、俺もう帰っていい?」

何か言おうとしてたっぽいけど
面倒だから無視して帰った。



  ▽


 高校受験は失敗。

親には怒鳴られたけれど
まぁ当然かと納得していた。
俺は滑り止めの私立高校に通うことになった。

俺は高校でも特に勉強しなくて、ぶっちゃけ馬鹿だった。
部活もしなかったし、学校行事はサボりにサボってた。

高校生活は、つまらなくも楽しくもなかった。


この間、通学の時電車の中で、
同じ高校の教師を見つけた。

教師の手が、女性のスカートの中にあったけれど
おれは知らん振りした。
その教師はその後も普通に授業していた。


  ▽

大学受験は全部落ちた。
これにも俺は納得していた。
親も納得していた。
納得というよりは諦めたって感じだけど。


浪人は面倒だったから働いた。

一人暮らしもし出した。


大学に出てないから、すこし給料は低いけど
そんなに苦労は無かった。


そんな人生だった。


女の子が言ってたっけ。

 「生きる意味ってあると思う?」

とりあえず、今の俺はまだ判っていない。