コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 不器用なつくり笑い。 ( No.10 )
日時: 2010/07/10 18:57
名前: めふぁ ヽ(´∀`) (ID: pOz8vLGm)
参照: ずっと見つめる  視線の先 。


「早くしないとーっ」

そう言いながら、
大急ぎでカバンに教科書を詰め込む。

一刻も早く、家に帰りたかった。

空は、だんだん夕日が見えなくなっていく。

私はだるい身体を動かして、
学校を出た。


近くの木からは、セミの鳴き声が聞こえていて、

夏を感じさせる。


涼しい風が吹くと同時に、
私は家へと駆け足で向かう。


帰り道の、長く急な坂は、
足に力を入れて上った。


家に着く頃には、もう夕日などは空から姿を消していた。


恐る恐る、
家のドアを開ける。

玄関には、腕を組みながらしかめっ面をしている、
義理の母の姿があった。


「ひよりちゃん! 何でこんなに遅いの!」


心配そうに私を叱っている姿はどこにもなく、
ただただ、私を憎むように怒鳴りつけていた。

私は、そんな義理の母の言葉を無視して、

靴を脱ぎ捨てると、
リビングへと歩いた。