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第弐話「変人神様と落ちこぼれ」 ( No.12 )
日時: 2010/08/05 18:44
名前: 神村 ◆qtpXpI6DgM (ID: 3mln2Ui1)

 
 一方、その頃久遠はというと、鏡越しから来歌の大ダイビング(←違う)を眺めていた。

「少し強引過ぎたか。しかし、あのタイミングで行かないと間に合わぬからな」

 小さくなっていく来歌の背中を眺めて、久遠は小さくため息をついた。

「これは、確かに落ちるな」

 弟子採用試験。実力もさることながら、判断力もないとは・・・・。

「神術を使うなり、色々手立てはあるだろうに。まぁ、地面に叩きつけられても死なぬか」

 そう呟きながら久遠は肉眼では見えにくいまで小さくなっていく来歌の背中を眺めていた。

「我も行くとするか。神術、『隠行』」

 久遠が唱えると一秒経つか経たないかで彼の姿は誰にも見えなくなった。

 自分の姿が見えなくなったのを確認すると、久遠は来歌と同じく鏡の中へと足を踏み入れた。当然、来歌の様な悲鳴は聞こえてこなかった。