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第壱話「落ちこぼれ神様見習い」 おまけ ( No.6 )
日時: 2010/07/30 18:56
名前: 神村 ◆qtpXpI6DgM (ID: 3mln2Ui1)

 その頃・・・。とある執務室では・・・。

 ある男がどっしりとした少し高級感がある椅子にどっかりと座り、目を閉じ瞑想をしていた。目の前の大きく立派な執務机には沢山の書類の山と何故かぐるぐる眼鏡が置いてあった。ちなみに男の顔は下を向いており、見えない。

「クククク・・・・・。そうか。あいつがここに来るのか。賑やかになりそうだな。さて、少し準備をしてやるか。史上最も落ちこぼれの神、誰もその可能性に気づけないほどの実力」

 偉そうな口調に似合わずその声は中性的だ。もしかしたら少年なのかもしれない。男は、机に置いてあったぐるぐる眼鏡を手に取り、そしてぐるぐる眼鏡を着用した。

「それに関わるのもまた一興か。楽しくなりそうだ」

 心底楽しそうな笑みを浮かべ、近くにあった窓の外を仰ぎ見た。

「創造主よ。貴方が予想も出来ないと仰られた『人』の未来。我は見飽きてしまったのですよ」

 絶望を覚えるくらいには。

「この名とて、今は皮肉にしか聞こえぬ。創造主よ。貴方はとても残酷だ」

 貴方は名という鎖を我につけた。とても残酷な名をつけて。

「だから賭けをしましょう。貴方はきっと我の声を聞いているから。我にだって視えなかった未来を持つ者の未来で」

 聞こえないはずはない。だって貴方は世界なのだから。

「あの者があの運命を変えられなかったら貴方の勝ちですよ」

≪わかった。それがお主の願いならば≫

「ええ。約束ですよ」

 空を見るといつもと変わらない穏やかな青空が広がっていた。