コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Tears...... ( No.22 )
- 日時: 2010/08/03 17:45
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
001
私はこの3年間で、どれだけの涙を流したのだろう。
恋の涙。友情の涙。
きっと、数えきれないくらいの涙を零したはず。
でも……。
神様は、涙と苦しみを引き換えに、笑顔とひと時の幸せをくれました。
感謝してます。
大好きな、仲間たちへ———……。
I was loved by a lot of companions.
(私は多くの仲間たちに愛されていました)
きっと、貴方へ届くはず。私の最後のラブレター。
———それは、3年前。高校生活が1カ月過ぎたころから始まりました。
——————
————
「俺ら、付き合うことになったっ!!」
私、蒼井慧美は、幼なじみの矢納大地にそう告げられた。〝俺ら〟の俺はもちろん大地。そして、もう一人は……
「慧美、協力してくれてありがとうっ!!」
森沢柚希。世間の基準で言う美人、だ。そして、私の親友でもある。
「よかったです、お二人が付き合えるようになって!!」
なーんて、上辺だけの言葉で祝福してみる。
(ほんとは、そんなことこれぽっちも思ってないのに)
心の中でそう毒づく。
「慧美が協力してくれなきゃ、絶対告白できなかったもんっ!! ありがとう、大好き慧美!!」
涙ぐんで抱きつく柚葵。ブロンズの髪から、甘い桃の香りがした。香水のようなその香りはきっとシャンプーだろう。
「またまた、大げさですよー? 柚希の努力がお二人を結びつけたんです」
ね? と私は大地に声をかける。恨めしそうに私たちを見ていた大地は我に返った。
「あ、ああ……。ありがとな、さと」
大地は私をさと、と呼ぶ。これだけで、ちょっとだけ得意になれる。
「では、私は帰りますね。お二人で仲良く帰って下さいっ」
ちょっとだけ皮肉を込めた、その言葉を言い。返事を聞かずにその場を去った。
———5月18日。親友の恋が実り、私の恋は散りました。
(私は今日、恋の涙を流しました)