コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第三話 「とりあえず=ずっと」 ( No.10 )
日時: 2010/07/17 22:03
名前: リコ☆ (ID: GWJN/uhe)

「で、あんたの家はどこにあるわけ?」

宙に浮きながら、ジーナは言った。

「あ、そこの家です」

あのあと、ジーナと話して、ジーナがとりあえずあたしの家へ来ることになった。

「ふーーん。けっこう大きいじゃない?」


(そうかなぁ?)


あたしには慣れてしまったので、大きいと感じなくなった。

(それもそれで、おかしいのかな?)


少し苦笑をもらし、玄関へと歩いていった。


「えっと…ちょっと待ってて下さい」

ドアをガチャ…と開けて中の様子を見る。

明かりはついてはいない。


(もう帰っちゃったかな、とめさん)


とめさんというのは、昼から夕方までいるおばあちゃんハウスキーパーさんだ。

ときどき夜ご飯を一緒に食べたりする。


「どうぞ、ジーナ——あれ?」

さっきまで玄関にいたのに___

くるっと後ろを向くと、ちょうどジーナがいた。


「わわっ! びっくりしたー」


「ぷぷっ、やっぱ人間っておもしろー。いたずらしがいがあるわね」

と、笑われてしまった。

どっから入ったの?と聞くと、

「窓から入ったのよ」

とすました顔で言っていた。


(それってある意味、カタクシンニュウザイになるのかな? 悪魔だけど)


そう考えると軽く笑ってしまった。


「ねー。このかっぷめん? 食べてみてもいい?」


「いいですよ」


(あったかい)


とめさんといるときみたいに、うれしいようなくすぐったいような気持ち。

「ちょっとー。オユってどうやって沸かすの? 来てー」

「わかりました」

あたしは、台所へ走って行った。

             ☆

「わたし、ココに住むわ!」

そう言ったのは、ジーナ。

「はい?」


(あれ? さっきの約束は『とりあえず』じゃなかったっけ?)


「だって、かっぷめんってゆうのおいしいしさ〜。寝床に困ってたんだよね」


悪魔って食ったり寝たりするのか?と思ったが、カップめんを10杯も食べたところをみるとするらしい。


(別にココの家にはあたししかいないから、いいかな)


「いいですけど…」


「やったーー!」

ジーナはぴょんととび跳ねた。

(なんか、こうしてると子供みたい)


ジーナは見た目はまさに大人っていう雰囲気をただよわせているが、性格はそんなんじゃないみたいだ。


「そういえば」

「ん?」

「ジーナってお酒、飲みま「飲む!!」

ジーナの目がきらきら光っている。


「わたし、お酒もあるんならずっとココに住む!」


ジーナの身勝手な言葉に、梨江はちょっぴりうれしくなった。


続く