コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第二話 「悪魔?」 ( No.5 )
日時: 2010/07/17 16:47
名前: リコ☆ (ID: GWJN/uhe)

(『変えてやろうか?』?)

なんでそんな言葉を口に出すのだろう。

なんで木の上にいるのだろう。


(きっと変な人なんだ——帰ろッ!)


あたしはそう、判断した。

すたすたと木の下を通りすぎる。


その時____

ふわぁっと女の人が木の上から、落ちた。

(危ない!!)


……


あ、れ?

いたく、痛くない?

(なんで?)

自然とつぶった目を開けた。


目の前には——女の人の笑いをこらえてる顔。


「…!!」


浮いてる!?


(え、なに、は!?)


なんで浮いてるの!?

「あ…」

あたしは、声を出せなかった。

女の人の顔が少し歪んだ___気がした。


「あっはっはっはっは!!」


「…は?」


「人間っておもしろいわ〜。ちょっとしたことでも驚くなんて、人間しかいないわよ」

そういうと女の人はあたしの顔近くに迫ってきた。


に・ん・げ・ん?


(えっと…あんたも人間なんじゃ……あれ?)


宙に浮いている+『人間っておもしろいわ〜』=わたしは人間じゃないのよ〜?


(……人間じゃない?)

「ひぃいいいいいいいい!!」

あたしは逃げようとした。

だが____


「なんで逃げるの? わたしから逃げるなんて100年早いわよっ」

と制服の後ろをつままれた。

(なんでーーーー!?)


「なんであたしなんですかっ」

あたしはほぼ、半泣き状態で言った。


「なんであたしって……あんたはココロで『変わりたい』って思ったでしょ?」


「は?」


「変わらせてあげるわよ…あんたが望むなら!」


女の人はあたしの顔を両手で触った。

一瞬怖くて、ぴくっと顔をひきつらせてしまった。

「〜〜〜〜」

女の人は声にならない言葉を言った。


(あれ?)


怖く、ない?

「どう? 涙目の人間さん」


「……」

なにも返す気にはならなかった。


「じゃ、改めて自己紹介するわ。ジーナ・エミリール__悪魔よ」


意味がありげにふっと笑った女の人__否、ジーナはそう言った。

(悪魔…)


怖いはずなのに、怖くない。

(悪魔?)


あたしは再度、その言葉を飲み込んだ。


続く