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Re: 笑顔空 / 中学編^ω^ ( No.50 )
日時: 2010/07/24 18:43
名前: ちか ◆M4/Y.eOuE6 (ID: oYpakyoC)

第十七話『おふざけでの事だった?』

「なあ、お前さ、告白してみたら?」
汗が肌にべたりとくっつく夏。家が近所で同い年で同じクラスの、瑞廉太郎に笑いながら言われた。
「お前なにも勇気だしてないじゃん!」
って言われたし。勇気とか、出してるつもりなんですけど。
出してない?出してますよアンタに比べれば。お前も好きな人いるなら勇気出せって話。
「アンタも勇気だすのかいな」
「あったり前!お前みたいにうじうじじゃない」
…いらっと来た。その言葉にきっと私は火がついたんだ。
……今思えば、なんであんなことしたのかなと思ったりするな。馬鹿だったなとか思うけど…よかったのかな?

「それなら告白かましてやるよ!」
とはっはっはと机の上にシューズを履いたまま上がって言う私を見て瑞はよくぞいったという顔をした。
「逢って?」
「手紙で!」即答だった。
_

私は手紙に好きですやら文章を書きつめはしなかったが書き、瑞に渡してもらった。
きっと、きっと、あの時はうぬぼれてたの。御崎くんは両思いって言うし、みんなみんな両思いって言うし。馬鹿だなあって思う。
……ドキドキする胸を押さえ私は机に顔をかぶせていた。
「ちか!」
大きな声が教室に響いた。……逢子と鈴音だった。
「よくぞした!告白おめでとう!」二人の声に私の顔は真っ赤に火照った。
二人は真っ赤になっちゃって!と笑った。それから二人は再び二階へあがっていった。
_

……それから、一週間、二週間、三週間。返事は来ないままで、ちゆきと蒼井の仲は良くなるままで。
私は蒼井とすれ違うだけでも前よりドキドキするし、話せないし、むやみに近くにいることもできなくなった。
「お前うけるな!」
クラスが同じになって初めて言った遠藤太郎と隣の席になって。
……てゆうか、もう夏休みだよ。

—— 寂しいのは当分君の笑顔を近くで見ることはなさそうと思うこと。