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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 笑顔空 ( No.80 )
- 日時: 2010/09/01 18:35
- 名前: ちいこ ◆x.bwJIzDsU (ID: oYpakyoC)
第二十一話『頑張る』
移動教室の理科の授業。移動教室はドキドキする。
いつ君に会うか分からない。こんなにドキドキするのは移動教室。
こんなに楽しみなのは移動教室だなあ……
———そんな時。
わいわいと騒ぐ男子の集団。その中には一人蒼井のすがた。
隣にいた愛海ちゃんが、ひゅーっ!と冷やかしながら私の方を見る。
私はうるさいっと少し怒りめにいい、実はしっかり蒼井を見た。
夏休みぶり。やっぱり好き。——
「理科ってめんどいねぇ」
隣に座っている萌ちゃんと話す。話すワードは、ほとんどめんどくさいというワードで。
「んじゃあ、実験してもらいます——」
先生の話が終わると、実験用具をいじる。分からない私は、萌ちゃんや工藤の言う通りに従う。
「わけわからんー」という私をよそに、二人は真面目に授業。さすが優等生め。
実験をしている時、工藤が一言いった。
「お前、蒼井から返事来た?」
"蒼井"というワードが出るだけで、私の胸はドクンと跳ねた。——「返事まだなんだよっ」と私が言うと
「お前それ遊ばれてる」
少し笑いながら言う工藤を見て、私は少し涙目になっただろう。
遊ばれてる?そんなの分かってるよ。むしろ気付いてました…とかんな訳ない。
私は本気だったのに。心をむしとられた気がして、私は苦笑いをして、下にうつむいた。
——本当は、大声出して泣いてやりたかった。
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