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日本に着いて、まだ３０分も経っていないと思う……。

日本に来るのは空手の大会以来久しぶりだけど、実際のところ日本家に入るのは初めてだった。
浩兄は、入った事あるのだろうか…?

そう、聞こうと思ったが、先に浩兄から言われてしまった。

「翼、家に行く前に寄るところがあるから」
「……仕事?」
「…まあー、仕事と言えば仕事なんだが……行けば分かる」
っとメガネを光らせながらつぶやき、車は浩兄の仕事場に向かった。

行けば分かるって…なんだ??
多少の不安もあったが……

















━━━━今は、最悪だ!!!
















「あのさぁー…分かってると思うけど、あたしこんなの着た事ないから……着替えてくる!!!」

初めて着た、花柄の白いワンピース…どうやら、兄がデザインした様だ…。
絶対に似合わないだろうと確信してたから、急いで試着室に戻ろうとした時・・右手が掴まれたーー

「何、戻ろうとしてんの？そんなに気に入らなかった？」
右手を掴まれても、浩兄に背を向けている状態・・・
顔を見るのが・・・辛い
せっかくデザインしてくれたのに・・まともな着こなしが出来なくて、ごめんね
　
すると、浩兄がいきなりあたしを抱きしめた・・・！！

これ・・いろんな意味でやばいよね！？
絶対・・・どうかしてるよ？　大丈夫？？浩兄・・
「・・あの・・浩兄？？大丈夫ですか？」
一応、兄妹だからね・・聞いてみた・・すると
「似合ってる、やっぱり思った通りだ！！翼、超可愛いぞ！！母さん、そっくりだ！！」

・・・っは、ははは・・・そんな事だろうと思った
「いい加減・・離れてくれるかなっーー！！」
そして思いっきり兄に空手の技をかけた
壁ごしに倒れこんでる兄・・
「・・・いってーーーーー」
あたしは最後にアッカンべーをして車内に戻った
着て来た服に着替え直さないで・・・
気に入ったわけじゃない、だけどあの言葉を聞かされた時・・、何故か、嬉しかったんだーーー
『母さん、そっくりだー！』

直接言えなかったけど・・・
・・・ありがとう、浩兄。。。

もうすぐ、逢えるよね？？
お母さん・・・