コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: COOL GIRL コメ下さい!! ( No.217 )
- 日時: 2010/09/05 11:12
- 名前: ピーチ (ID: xXhZ29pq)
「どんな事でもいいんだ!! 頼む何か思い浮かぶ事無い?」
電話の向こうで父さんはため息をついて話した…。
「そんなに焦ってどうする!? 落ち着きなさい、翼。
恵里奈ちゃんはな、お前が空手出来なくなったのを自分のせいだって、今も引きずっているんだよ。 自分が優勝したのに、報道陣からは冷たい視線で見られていた…。 だから、世間からこう呼ばれていたんだ……。」
父さんが出した言葉…それは━━━。
「“伊野上翼の未来を潰した、チャンピオン”ってな…。」
信じられない言葉に、握っていたペットボトルが床に落ちてしまった……。
「なんで…、そんな事…なんで父さんは否定しなかったんだよ!! あれは、前の試合からあった怪我だっただろうっ!! なんで誤解だって言わなかったんだよ…!!!」
決勝戦で倒れたのは、恵里奈が怪我させたのではなく、前日に行われた準決勝で起こった怪我だった……。
「私だって、否定はしたさ。 娘の怪我は、恵里奈ちゃんがさせたんじゃないって……。 本人にも何度も言ったよ… だが、彼女はその事を全く信じようとしなかった……。 自分が悪いんだって翼の夢を壊したのは、自分だって…。」
全ては、恵里奈自身が誤解しているってことか…。
あの時は、医者に出場停止までくらってのに、痛み止め一本だけ打っただけで、決勝戦に挑んだんだっけ…。
「そうだったんだ……。 じゃーあいつがあんな風に変わったのは、自分自身の罪悪感が産んだ強がりだったんだ…。」
やっと、分かった…アイツがなんで不機嫌だった理由が……。
「恵里奈と何かあったのか!?」
父さんが不安をいっぱいに、問いかける…。
「何でもないしっっ!! 父さん、ありがとう…お陰でアイツの事、良く分ったわ…そんじゃ—な!!」
あたしから、電話を切ってしまった…
誤解が産んだ、間違った過去…。
あの時の怒りは、また一緒に空手が出来るって言う 目に見えない最大限の嬉しさだったのかもな…。