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第三十四話
　　　　　「対戦相手。」



大会が来週に迫った頃、空手部では練習を終え、全体でのミーティングをしていた。

そう、今日は対戦相手が発表されるのだ。

「えぇー、それでは…来週にある夏季親善大会の組み合わせ表を見せる!!　いいか、最後の最後まで気を抜くんじゃないぞ!!」

そう言い終えた後、監督である大橋さんは一人一人に組み合わせ表が書かれたプリントを配る。

翼がプリントを受け取り対戦相手を見て愕然と見つめた。

「どなしたん??　そんな、浮かない顔して。　一回戦の相手誰やった!?」
横から、奈々が翼の対戦相手を見て、返す言葉を無くしてしまう……。

「つ……翼!!　一回戦……。」
奈々が恐る恐る口にする。

「……そっかーー、恵里奈かぁ〜〜……まさか、一回戦目からアイツなんてな……。」

思いがけない言葉に、奈々は驚いた顔を見せた。




いつの日か、『決勝戦で会おうな!!』と約束した相手とこんなにも早く、戦う事になるなんて……。

翼は、ただただプリントに書かれた対戦相手表を見つめる事しかできなかった。