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Re: COOL GIRL  ( No.296 )
日時: 2010/10/24 20:18
名前: ピーチ (ID: rE1CEdls)
参照: http://ameblo.jp/saluramoti016/

第三十六話
     「前日」


あれから、数日経った。

大会が前日に迫り、空手部では最終確認をしている。

「翼〜〜、明日やなーー…何か緊張して来たわ!!」

更衣室で制服に着替える奈々の表情がさっきよりも暗い。

「今更、何言い出すと思ったら……。奈々らしくないな、そんな事言うなんて。」

奈々なら、いつも前向きで練習に熱心だからそんな風に思う事は無いと思っていた。

「だって、あたし初心者なのに……いきなり、試合に臨むんやで!? 絶対、足手まといになるに決まってる!!」

初めて、奈々が弱音を吐いた。

「奈々が弱音吐くなんてなぁー、そんな事言ったら、あたしだって緊張してるっての!!」

そう、笑いかけ奈々と同じソファーに座りこんだ。

「なんで!? 翼が、緊張するの?? 翼は、慣れてるんじゃ……。」
奈々が、混乱しながら訪ねて来た。

「ば〜〜か、あたしだって緊張してるっての!!日本での大会は初めてだしなぁーーそれに……。」

翼の会話が、少し途切れる。

「久しぶりに、アイツと戦うからなぁ〜〜あの舞台にまた出れるんだよ!! 奈々だって、いろんな部活やってたんなら、分かるだろう!? この、ドキドキする気持ち!!」

翼が、さっきとは違う表情に奈々はあぜんとする。

「別に、足手まといになったって良いんだよ! 奈々が、一生懸命に練習してるの、みんな知ってる!!」

そう言って、翼は奈々の片手を持って、奈々を立たせた。

「だから、明日はお互い、今までの練習の成果を発揮する、絶好の日なんだ!! 頑張ろーぜ!!」

翼の問いかけに奈々が応える。

「うん!! 頑張る!!」
奈々の言葉は、さっきよりも力強かった。





部室を後にし、二人で校門に出た時、見たことのある顔立ちの少女が待ち伏せをしていた。

「翼、ちょっと借りて良い??」

その子は明日の大会で、一回戦目に当たる、恵里奈の姿だった。