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第三十七話

　　　「宣戦布告!!」　前編


「翼、ちょっと借りていい?」
恵里奈は奈々に向かって、言った。


「全然ええーよ!!　ほな、翼また明日!!」
そう言って、奈々は迎えの車にスコスコ乗り込んでいった。

「……いこ。」

奈々を見送った後に、恵里奈の表情が曇る。



向かった先は、恵里奈にしては珍しい住宅街にある、小さな公園だった。

「ここね、あたしが小さい頃家出した時に、途方に暮れてやっとの思いでたどり着いた場所なの。」

いきなりの思い出話に少し驚く翼。

二人は、空いてるブランコに腰を下した。

「何年振りだろう…ブランコに乗るなんて……。」

翼の幼小時代の思い出に、ブランコに乗った覚えがあんまりない事に気付いた。

「…でっ？　明日の対戦相手に、何しに来たんだ??」

普通なら、前日は相手の弱点とか最終確認するんじゃないのか??

「そこまで、自信がある訳だ。」

ふと、声に出して言って見た。すると───。


前編終わりです☆