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最高学年になると、そのいじめは悪化した
毎日、バケツの水を女子たちにかけられる

『男のくせに!!　何で赤いランドセルなの!?　意味分かんない〜〜』

赤いランドセルが絵具で真っ黒になっていた

放課後、そのランドセルを雑巾を使って、黒い絵の具を落とした

すると、もう一枚雑巾と手がランドセルの上に乗っかった

「恵里奈・・・」

その子な名前は、佐々木　恵里奈（ささき　えりな）あたしと同じく空手をやっていた

恵里奈とは、幼い頃から親達が仲が良く、よく遊んでいた
一緒に空手を始めてからはライバルになり、ほとんど遊ばなくなった・・

「どうしたんだよ、急に・・・こんなことして」

だが、恵里奈の反応はない

ヒクッ・・ヒクッ・・・

黒いランドセルに、雫が垂れる・・・

「恵里奈・・もしかして・・・泣いてるの？」

下を向いたまま、恵里奈は・・

『ごめんね・・・』

そう言った

「何で謝んの！？　いきなり・・どうしたんだよっ恵里奈らしくないな！！」

確かにそうだった・・
いつもの恵里奈だったら、気が強い面があるのに・・

『うち・・翼の友達なのにっ!!　こんなひどい事ばっかしてるあいつ等に何も言えなかった!!!　最低な事してた・・』

また、下を向いたまま話した

「そんなことか・・大丈夫だよ！　別に気にしてないから!!　それにあたし、そう思われても仕方ないからさーー」

っと、恵里奈に笑いかける
しかし・・恵里奈は・・・・

『なんでよっ!!　翼は女の子なんだよ!!!　何になんでそう平気で居られるの!?　こんなことまでされて悔しくないの??　どうしてそこまで、男の子みたいな事しか考えられないのよっ!!!!』

突然、恵里奈が上を向いて怒鳴りだした

「別に、いつも考えて無いわけじゃないよ　でも毎日考えても分かんないんだよ・・あたしん家、男子ばっかだからさーー・・・ホント分かんないっ」

お母さんが居たら、きっとこんな風に思う事なかったのに・・

『そっそっか・・・翼お母さん・・・あたし・・また酷い事いった・・ごめん・・・・・』

「だから〜もう謝んなくていいてばぁーーその代わり、これ落とすの手伝ってくれる!?　あたしはこれでもいいんだけど、オヤジがうるさいからさあーー」

『任せて！！　真っ黒なんて翼は赤に決まってるじゃん！！　だって女の子だもん！！！』

夕日に差し込む教室・・
二人で落とす、真っ黒いランドセル・・・