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Re: ☆星の子☆   祝! 返信100突破! ( No.119 )
日時: 2016/08/12 11:13
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)

5章     41話「密会」


 どうしてフルーツの味が……?
 そう考えたところで、今まで機能停止していた脳が活動してきたらしく状況を理解する。同時に顔が火照ってきて熟したトマトのように赤くなった。
 ……今のって、間接キスだよね!?
 どんどんパニックに陥って何も考えられなくなる。幸い、なっちゃんと光聖君は見ていなかったようだ。数十秒前と同じように盛り上がっている。
 ほっとしたと同時に固まっていた口が動いた。ゆっくりとフルーツの味を噛み締める。食べ終わってから、私は無意識のうちに呟いた。

「美味しい……。」

 その言葉を聞き、今まで不安そうだった佐藤君の表情が和らいだ。

「でしょ? さっきまで元気がなかったから……。美味しいの食べると元気が出るって言うもんね」

 そんな佐藤君の言葉を聞きながら思わず心の中で突っ込みをいれる。
 あなたは天然プレイボーイですか!
 ちょっと、天然すぎるにも程がある。こっちはその行動一つに戸惑ってるって言うのに……。そうふてくされながらも何故か嫌ではなかった。それは私のことを心配してくれたから?
 自分の気持ちが分からないよ……。
 そう私が悶々と考えているうちに皆食べ終わって、そろそろ帰ろうと佐藤君が切り出した。その声を合図に私達は立ち上がって、会計を済ませ店を出た。
 今日は大変な日だったなぁ。
 朝からの事件を思い出し、ぼうっと考えながら。
 これから皆と逸れたあと、秘密の会議が始まるとも知らずに……。

                        ———密会———

「リン、ヒナ。ちゃんと仕事はしたか?」
 
 茶髪に近い髪を肩まで切っている女の子が尋ねる。

「勿論。あとはこの写真を……。」

 そう言って髪を肩甲骨あたりまで垂らしている女の子が言った。少女にしては似つかわしくない低い声で。
 最初に喋った女の子は携帯の画面をのぞきこみ、満足そうに頷いた。意地悪い笑みを浮かべながら。

「これであいつは我等のものだ。」