コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 返信100突破! ( No.135 )
- 日時: 2016/08/16 11:59
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
6章 44話「違い」
知らなかったなぁ。クラス一、頭が良い佐藤君と葵ちゃんが幼馴染なんて。
私は葵ちゃんをじーっと見つめる。佐藤君の話をすると顔を赤らめるのは気のせいだろうか?
私が見ても、二人はとてもお似合いだ。こうなったら彼女たちの関係をとことん知りたくなってしまうのは、やはり人間の性なのだろろう
「昔から仲いいの?」
「うん。喧嘩なんてほとんどしないし……いや、結構するのかな……幼稚園の頃からずっと一緒。悩みも聞いてくれるし、いい友達だよ」
最後、恥ずかしそうに俯いた葵ちゃんは、とても可愛らしかった。話しながらこの短分間でチーズケーキを食べ終えたのも可愛いけど。
「クラスを代表する秀才二人が幼馴染なんてビックリだよ」
「そんな、私なんかみっ君に比べたら……。でも、勉強ライバルには変わりないかな。絶対負けたくないもん!」
そう言ったところで葵ちゃんは目を伏せた。不満げな表情で話を続ける。
「授業で習った時は同じレベルなのに……と言うか私の方ができてるのに……テストをしたら僅差で追い抜かされちゃう。悔しいなぁ」
いや、僅差で負けるって言うのも凄いんだけれど……。
恥ずかしながら私の成績は必ずしも良いとは言えない。いつも40点から70点のところを右往左往しており、80点台をとれたら大喜びなのだ。思わず溜め息が零れてしまう。
そんな私の表情を察してか、葵ちゃんは明るい声で尋ねた。
「空ちゃんは天文学部でしょ。理科はできるんじゃない?」
「……星とか空とか、そういう自然系は得意。植物も。でも……濃度とか圧力とかの計算は苦手…。どうしてあんなに複雑なのさせるかな?」
「まぁ、計算は面倒だよね。解けなかったらイライラするし」
いやいや、解く前に文章読むだけで頭が痛くなるんだって。
考えて突然自分の使命を思い出し、ハッとする。光聖君の正体を明かすこと。そのヒントを葵ちゃんが教えてくれるかもしれない。
しかし、いくら仲が良くなったとしても光聖君の秘密は簡単に教えられない。なるべく怪しくならないよう尋ねた。
「葵ちゃんは吹奏楽部だったっけ。天文学部には興味ないかな? 光聖君が入部してくれたから難を逃れたけど、実は廃部寸前なんだ……。葵ちゃんなら本いっぱい読んでるし、知識も豊富だから、私たちも色々教わることがあると思うんだけど」
「私が教えられることなんか何にも無いよー。え? ……流れ星について? う〜ん……流れ星は星じゃなくてクズが燃え落ちてきたものだよね。だから星と流れ星の違いは、光と燃えクズってことかな。……でも星って凄いよね。何百万年も前の光を現在私達が見てるって、素敵だなぁ」
そして帰るまで、私たちは星について語り合った。
彼女の言葉が何故だか心に引っ掛かり、モヤモヤと暗雲が立ちこめるのを感じながら。