コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 参照400突破! ( No.158 )
- 日時: 2010/10/09 21:57
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: gWH3Y7K0)
7章 48話「ふつふつと」
「つ、疲れた〜……。」
空は帰り道、疲労の声を上げながら、葵ちゃんと一緒に道を歩いていた。今日も運動会の練習だった。何回も走ったりするからクタクタ。こういうときは甘いもの…!! そう思って、どうせなら葵ちゃんと一緒に喫茶店に寄ろうと葵ちゃんを誘い、今の状況に至る。
途中、空は呟いた。
「……葵ちゃんはいいよなぁ…。私も吹奏楽部に入れば良かったかなぁ……。」
その言葉に葵ちゃんは少し気分を害したようにムッとする。
「私だって運動会に向けて毎日頑張ってるよ!」
「ごめんごめん。でも100メートル走を何回も繰り返すんだよ。もうへとへと。このまま霧になって消えてしまいそう。」
そう言って空は、ちょっと大げさ過ぎたかなー。と考え直した。そんなに何回もやったわけじゃないし。
そんな空の大げさな言葉を真に受けて、葵ちゃんは目を大きくさせて言う。
「うわー、大変だね。でも空ちゃんは足が速いからいいよ。私の50メートル走のタイムなんて、4年生の平均よりも遅いもん。」
空は「何秒?」と聞いてみたが、首を振って葵ちゃんは拒んだ。今のは失礼だったかも。そう思って空は口をつぐんだ。
「さー、今日は何を食べようか?」
喫茶店が見えてきたところで、葵ちゃんはさっきの気まずい沈黙を変えるべく、元気よく言った。
「私はエクレアにしようかな。」空がそう言って注文すると「私はチーズケーキ。」と葵ちゃんが横から言った。また、チーズケーキか。ほんと、好きだなぁ。空は横で苦笑した。
「あっ、そう言えばこの前なっちゃんの家の前で如月君を見かけたよ。」
チーズケーキを食べ始めると葵ちゃんはポロっと言った。
空は「ふ〜ん。」と興味無いように答えながら、葵ちゃんの言葉の続きを待った。
「なんかボーっとしてたような……。だって私が前を通りかかった時、見向きもしなかったもん。」
「えっ? それっていつ?」
その空の質問に葵ちゃんはう〜んと首を傾げた。
「その日は丁度今日みたいに、空ちゃんと一緒に喫茶店寄った帰りだったなぁ……。あ! そうそう。私と空ちゃんが初めて一緒に帰った日だよ。喫茶店寄って帰ったから、5時頃かなぁ?」
その日は光聖君、部活を休んだはず……。空は記憶をたどりながら考えた。
なんか用があるとか言って部活休んで……。なっちゃんのお見舞いに行ったのかな? だとしても家から出るの遅すぎない? 2時間は優になっちゃんの家にいたってことだよね?
空は怒りがふつふつ湧き上がるのを感じた。私に何も言わないで、女の子の家で2時間も過ごしたっていうの?! 信じらんない!!
空は家に帰ったら光聖君を尋問しなきゃ…! と意気込んだ。