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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆星の子☆ ( No.19 )
- 日時: 2011/09/09 18:43
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: EZ3wiCAd)
1章 9話「幕開け」
「天文学部……? 別に良いけどなんで?」
「実は天文学部、廃部になりそうなんだ……。私もそこに所属してるんだけど、友達の楓と望月先輩と部長の柊先輩しか部員いなくて……。うちの中学校やたらと部活が多いから、他に入ってくれる人いないんだよ。だからさ、光聖君、入ってくれないかなぁ?」
私は困った顔を作り、必死に光聖君に頼み込んだ。
光聖君は頬をポリポリかきながら、「まあ、いっか」と他人事のように受け入れる。
私はその答えを聞いたとたん、光聖君の手首をグッとつかんでキッチンへ駆けた。
そして母に光聖君を1年泊めなくてはならない話や、学校へ通わそうと説得した。すると、私の母は過ぎる程の教育ママで、学校に通う話になると椅子から立って話し始めたのだ。
「もちろんよ!! 学校に通わすにきまってるじゃない! 将来頭が悪かったら、うんと困るわ。そうじゃなくったって<ゆとり教育>とかで学力が低下してるのに、行かせないわけないわよ! ……光聖君、成績が平均より落ちているようだったら、私がビシバシ鍛えてあげるわ! ……? 光聖君?」
私の母は言いたいこと言ったあと、キョロキョロと辺りを見回した。私と光聖君は2階へ逃げたのだ。
この様子だとじっと聞いていたら母は優に30分の時間を要して話すだろう。
私は光聖君に目配せし、これだから困るよと言いたげに、首を竦(すく)める。
そして光聖君がくすりと笑ったのを見て、私は思わず目を背けた。
(何やってんだろ、私。こんな意味不な男の子相手にドキドキしてるなんて。私が恋なんてする筈ないのに——)
この日が初恋の幕開けだった。
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