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Re: ☆星の子☆ ( No.22 )
日時: 2011/09/10 17:03
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: EZ3wiCAd)

2章     10話「隣の席は…」


 その次の日は光聖君の学校道具を買って買って買いまくった。お父さんがいなくて経済的に大変なのに、お母さんは自分の息子ができたみたいで嬉しいのだろう。
 そんな幸せそうなお母さんを見ていて自分まで幸せになってくる私は、自然と笑みを零しているのだった。                       

—学校—

「今日は転校生を紹介します。如月 光聖君! みんな仲良くしてくださいね。」

 担任の先生が紹介した途端、クラスが拍手で包まれた。「かっこいいー!」などの女子の黄色い声や、「サッカー部に勧誘しようか」などの男子の声が聞こえる。

(うちの学校は人数少ないから2クラスしかないけど……よりによって、なんでうちのクラス——?! 光聖君超かっこいいし、すぐ人気になると思うし……うちに泊まってるって知れたら、女子の目の敵にされるよ〜。)

 それだけは絶対に避けたい! と私は心の底で叫んだ。
 「如月、どこらへんに座りたい?」と先生が聞いたとたん、クラスの半分(大体は女子)が「隣に座ってー!」と黄色い声をあげる。段々他の男子たちが可哀想に思えてきたのは言うまでもない。
 でもその声は無視し、光聖君は凛とした声で言った。

「天野さんの隣に座ります。」

 女子がザッと空の方を見た気がしたが、私は違う意味でドキドキした。
 
 ——光聖君が私の隣に座る——

 そう考えただけで胸の鼓動が止まらなかった。
 そしてそんな彼はいつの間に横に座ったのか、私を見て笑いかけた。

「よろしくね。空さん。」

 ニヤッと笑った表情は、子どもが悪戯をした時の表情を思い出させた。
 私はというとさっきの動機はどこへ行ったのか、知らぬ間に苦い顔をしていた。