コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ☆星の子☆ ( No.40 )
日時: 2011/10/02 17:16
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: EZ3wiCAd)

2章     17話「頬の濡れた朝」


「お花見行こうか〜!」

 早朝、母の声で目が覚めた。まだ頬が濡れてる。そんなに泣いてたのか、私は。

「まいったなぁ、泣き虫で。」

 私はそう呟いて涙を拭った。お父さんのこと考えるとまた、涙が出てきそう。光聖君の目の前で泣いちゃったし……最悪……。

「空、光聖君、おーきーてー!」
(朝から元気いっぱいだなぁ、お母さんは。)

 くすりと笑い、大きく伸びをした。もうちょっと寝ていたかったのに……。半開きの瞼を擦って、欠伸を繰り返しながら私は階段を降りて行った。

 キッチンに入っていくと———うっ、光聖君だ———テーブルには朝ごはんと作りかけのお弁当がのっていた。
 今日の朝にお花見に行くって決めたのに、用意周到だ。しかも、たった3人でこんなに多い量食べる?

「「おはよう。」」

 二人に言われ私は「おっ、おはよう……」と曖昧な返事をして席に着いた。
 光聖君のこと直視できないよ……。
 すると母が話しかけてきた。

「空、お城のところの桜を見に行きましょ。4月半ばだけどまだ咲いてるから。3人でお花見! とっても楽しみ。」

 お母さんは無邪気に笑いながら言う。声がいつもよりワンオクターブ高い気がするのは私だけだろうか?
 お母さんはなんでこんなにテンションが高いんだろう……。
 娘ながら呆れて溜息を漏らした。
 お花見は久しぶりの筈なのに気分が乗らない。

(光聖君とお花見とか気まずい……。お父さんのこと聞きたいけど昨日泣いちゃったし、喋りにくいなあ……)