コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.466 )
- 日時: 2011/12/10 15:57
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 4V2YWQBF)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
13章 91話「突風の狼」
西軍 洞窟——
「おい、どうする?」
セルが指を鳴らせながら言った。貪欲な表情で今にも舌舐めずりしそうな勢いのセルを横目に俺は「そうだな……」と少し考える。本当はまず、俺まで巻き込み殺しそうなお前と距離を置きたいんだが。
とそこへ、後ろをついてきていた西軍から悲鳴が聞こえた。そうか、変質科学者の有能な助手たちは西軍を後ろからストーキングしていたんだな。
完全にはさまれた。が、そんな事どうだっていい。仮にはさまれなかったとしても、逃げようなんて気はさらさら無いからな。
再度「おい」とセルが荒げた声色で俺を急かすので、俺も少々声に焦燥を混じらせながら西軍に令を下す。
「お前と西軍は後ろのロボ軍を頼む。
俺は——トルとだ。」
「はぁ? 俺も下っ端とかよ!」
俺の言葉にセルの瞳がギラギラ狡猾な光を放ちながら異議を唱えた。しかし、セルがこういう反応を見せることは俺も分かっている。
俺は慌てずにゆっくりと、抑揚のない声で言った。
「そいつは弱い」
と、“そいつ”と呼ばれたひょろひょろメガネの科学者は眉を寄せながら——顔の皺が増えた——気持ち悪い高音で文句を言う。
「な、なーんですってぇ!? この私を弱い呼ばわりするとは——」
「ふん、確かに弱そうだ。変な機械の方が殺りがいがあるな。」
「お、お前まで私を! くそぅ、行けぇロボット第2615号機達よ!!」
科学者トルはメガネを押し上げて、引き攣った笑いを浮かべた。
その彼の合図と共に西軍の後ろで待機していた大量のロボット達がガシャガシャと機械特有の音を奏でながらこちらに近づく。
耳障りなことこの上ない。
俺はセルに「頼んだぞ」と一言、前に跳躍した。そしてトルの一歩手前で降り立つ。そして冷徹な瞳で変質科学者を見据えた。
一方トルは黄色い歯を見せて気持ち悪い笑みを作る。
「私とあなたでは少々分が悪いのでは? 私はあなたの戦い方を全て記憶している——。ハズレですねぇ?」
トルの問いに俺は鼻を鳴らして答えた。
「あぁそうだな、ハズレだ。もっと強い敵と戦えるのかと思っていたんだが。」
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.467 )
- 日時: 2011/12/10 15:57
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 4V2YWQBF)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
北軍 草原 天気——強風
瞬間、何の予告も無く一人の隊員が倒れた。颯爽とした草原い突風が吹き荒れる。
突然の驚きと怒りが胸の奥底から沸き起こってきて、私は何の考えもなく見えない敵に向かい刃を向け地を蹴る。
そんな私の手首に冷えた細い手が触れた。
「キラ、落ち着いてください。敵はまだ姿を見せていません。これでは貴方も巻き添えをくらうだけでしょう。」
私は我に返って、足を止めた。嫌な冷や汗が垂れる。
「そ、それもそうね……ありがとう、危うく敵の思い通りになるところだったわ。」
「いえ、分かれば良いのです。」
そう言ってハクは微笑みながらそっと手を放した。
私は自分の手首が急に寂しくなるのを感じて、ふと疑問に思う。
どうしてとっても優しいハクの手はこうも冷たいのだろう、と————
そして私は少年の事ばかり考えてしまう自分の脳内から、優しい笑みを隅へ追いやった。今は目の前に集中しなければ……。
倒れた隊員を遠目で観察する。どうやら息はあるらしい。胸が上下するのを見て、私はホッと溜息をついた。
どうやら北軍の敵は俊敏だが攻撃力に乏しいようだ。
と、私が数秒の間にそう分析していると、すぐ傍で誰かが光と同じ速度で走り過ぎたように強く風が吹いた。
そしてその風は大きな塊となりながら竜巻のように青々とした草を掻き回す。今では風が、どこを走っているか見えるようだった。北軍の周りを巡回するように回り、そして私たちの前で急停止する。
私たちの足は無意識に後ろへ後ろへと、後退する。
勿論誰も、竜巻の餌食とはなりたくない。
竜巻はこれ以上私達に近付こうとせず、その場で数秒とどまったかと思うとやがて輝き始めた。光を放つその竜巻は、次に何百という数の球体に分散する。まるで分身のようだったが一つ一つ大きさが違うので、さっきの竜巻は数百の球体が集まって出来たものだと容易に想像できた。
再び風が強く吹き荒れる。
——嫌な風ね。
いつの間にか草原が銀色の風に包まれていた。こういう状況じゃなかったら、さも幻想的なんだろう。
しかし、今はそんなに悠長なことは言っていられない。
「これはまさか……」
と、横にいたハクが少し声に驚愕を滲ませ言った。
ハクがこんな反応をするなんて珍しい。
そう私が思っていると、前の銀色の球体が突然ぐにゃりと歪んだ。そして形が定まらず不確定要素の多い粘土のような物質が少しずつ、着実に、獣の姿と化していく。
そんな銀色の毛皮の獣の群れに、1頭だけ白く輝く毛並みのリーダーらしき獣がいた。
その獣は鼻と思われる部分を高く上にあげる。
ウオォーン
遠吠えが薄暗い草原で響いた。
そしてその白い獣は、形が完璧に整った姿で、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
輝く毛並みに今の遠吠え……
横にいたピアがぶるっと震えた。思わず半歩下がった彼女の目が宙を泳ぐ。
特徴的な遠吠えが響いたその瞬間、恐怖の戦慄が北軍を襲った。
そしてその根本的な原因となった白い獣はゆっくりと歩を進め、口角を上げた。鋭く尖った犬歯が光る。
獣はくぐもった声でゆっくりと、言った。
「我は白純一族の末裔、メトロである。今宵は我が風狼(フロウ)軍が敵を征伐しに来た。
北軍は貴様らで間違いあるまい?」
白い狼の目はらんらんと輝いていた。
その瞳が貪婪(どんらん)な光を放っていたことは言う必要もないであろう。
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.468 )
- 日時: 2011/12/10 20:47
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 4V2YWQBF)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんばんは^^
何だか更新がすごく久しぶりです(笑)
西軍は3日で書き上げたのですが北軍でずっとストップしてまして;
やっとあげられてホッとしてます^^
これで一応13章は終わりです。
道のりが長くて大変だぁ……
まぁこれからも焦らずゆっくり更新していきますので!(おぃ
ではではノシ
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.469 )
- 日時: 2013/02/10 21:22
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: プロローグ的なのを書いてみた。
14章 92話「真実を知る者」
時は政府軍と反乱軍の戦争真っ只中。煌々とした月が明るくあたりを照らす、言わば真夜中である。
戦争、それも不意打ちをするのにこれ程いい時間はない。闇の中で敵の背を刺す。これが今回反乱軍の戦略であった。
しかし、思い通りにならないのが戦争である。
今回我等反乱軍は完全に裏を読まれていた。反乱軍が動く前に、開始合図の大規模な爆発が起きたのである。ここで注目してもらいたいのは、その爆発の発生地だ。
ここまできたら敵軍の黒幕の相当に頭が狂っていると言える。
政府はまず、反乱軍の本拠地へ攻撃を仕掛けてきたのだ。これは我等にとって深い痛手でしかなかった。
しかし、ここで大きな矛盾が生まれる。敵は何故本拠地の場所が分かったのだろうかと。
本来ならば我等の本拠地はドーム状の膜に包まれ姿が見えない筈だった。つまり、政府はたとえ空中から探そうとも、見つけ出すことは不可能なのだ。
しかし敵はそれをやってのけ、しかも誰にも気づかれずに爆弾を仕掛けたのである。
私に抜け目は無かった筈だ。敵はその様な素振りを一度だって見せなかった。
しかし現実がこれだ。今現在も、本拠地は混沌の渦である。
つまりこれは反乱軍に裏切り者がいるという証拠であろう。前から怪しいとは思っていたが、決定的な裏付けが今、出来たと言える。
爆発のせいで結界は壊れ、また反乱軍の団結力も、士気も、瓦解されてゆくようだった。
これじゃあ政府に丸見えだ。そう嘆く者も少なくはない。
ガルディメット・ジャッカル、ここを乗り切るが勝負の分かれ目かもしれんな。
しかし……後で後悔しても知らぬぞ。
黒駒よ————
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.470 )
- 日時: 2011/12/16 17:30
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 4V2YWQBF)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんにちは^^
14章突入しました!
今回はちょっと短いです。
本拠地のことをちょっと触れておこうと思いまして^^
あ、試験期間に何やってんのって質問は無しでお願いします(笑)
で、今回私が一番気になるのは、読者様達が92話の一人称人物を当てられるかって事ですね^^
これを当てられたらすごいww
あ、一応少しだけ伏線張ってますが、どっちかっていうと分からないで欲しいです(ぇ
この人物はあんまり一人称書きたくなかったので(笑)
なんで書いたのかは私にもさっぱりww
でも他のキャラにはなさそうな文章が書いてる方も楽しかったです♪
こういうキャラすごく好みww
どうでもいいですが、明日は京都へ行ってきます☆
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.471 )
- 日時: 2011/12/22 13:20
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 7hcYnd26)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんにちは^^
小説は、期末試験も終わり明日から冬休みなのでこれからバンバン書きます!!
なのでもう少しお待ちを;
今日伝えたかったのは、
>>1と>>2の人物紹介を書き換えました^^
何が変わったかというと>>2にあったクラスメイトを>>1へ持ってきて、なっちゃん・琳・茜の3人をナツ・リン・ヒナ・と変えました♪
これまでよりも詳しく書いてあると思います☆
少しでも参考になれたらいいなと思って……というよりも、新キャラ登場するのに対して紹介文が追い付いてなかったので><
これからも時間あったら書きますね♪
ではではノシ
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.472 )
- 日時: 2011/12/22 14:03
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんにちはー^^ 朱雀さんの語彙力に感嘆させられました、友桃です^^
西軍と北軍やっぱいいですね……!!
どちらもかっこいいですv
なんだか新たな敵が出てきた感じで、続きが楽しみですー^^♪
それと反乱軍の裏切り者……いったい誰なんでしょう>< 気になります!!
ほんとはもっと感想いっぱいあったんですが、ちょっと今時間ないので……><
続きが待ち遠しいです。更新頑張ってください(^^)v
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.473 )
- 日時: 2011/12/22 16:51
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 7hcYnd26)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
コメントありがとうございます^^
って、最初から嬉しい言葉が!! ありがとうございます><
だけど私なんか感嘆するような語彙力、持ってないですよー;
でもそう言われるとやっぱ嬉しいですね♪
私がここまで文章が成長したのも友桃さんの御陰です^^
西軍は私もお気に入りですv というかリンがお気に入りなだk((
敵キャラは皆、弟と頭を振り絞って出ました(笑)
協力してくれた弟にも感謝せねば!!ww
時間が無い中コメントしてくれて本当にありがとうございます!(何回言うww
更新頑張ります☆
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.474 )
- 日時: 2012/01/01 11:27
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 7hcYnd26)
- 参照: あけましておめでとうございます^^
14章 93話「炎と氷」
南軍 空中——
「なぁ、ウル」
「なんだ、我が相棒よ?」
敵の攻撃を俊敏にかわしながらレオは言う。
俺は何を言いたいのか察しながらも冗談交じりに聞き返した。
レオは胸の高鳴りが聞こえてきそうなくらいに命一杯の笑みを作り、手の甲で額の汗を拭った。灼眼がキラキラと輝いている。
今の俺も、きっとそんな顔をしているんだろうなぁ。
「こいつ、強い……!」
「あぁ」
俺も口角をあげながら頷く。
目に映るのは、スーツで身を纏った男と次々とこっちへ飛んでくる雷光弾。俺達相応の敵。
肌がビリビリと感電したように痛い。これは戦争の緊張感からか、強敵と対面した喜びからか、はたまた圧迫するような敵が醸し出す雰囲気からか。
あ? 敵の雷玉に当たっちまったんじゃないかって? しばくぞ、コラ。
横にいたレオは唾をごくりと飲み込む。
「やべー、超楽しい。」
「俺もさ、レオ」
と、そこで敵がしびれを切らしたようだ。
あからさまに眉間に皺を寄せ執事のような風貌には似つかわない口調で、スーツ姿のイケメン男は話す。
「なぜ俺の攻撃を避けてばっかりなんだ?これが噂に聞いていた双子指揮官か? ふん、聞いて呆れる。」
「はっ、もう飽きちまったか? すまねぇな、俺等はやっとお前に興味を持ってきたところなんだ。」
「今までお前を試してたのさ。俺等相応の敵かどうかな!」
それを聞いて敵は気分良さそうに笑みを作った。そんなもん見ても何の足しにもならんがな。
「君たちに認められたとは光栄だな。じゃあ一応名乗っとこうか。
俺は政府軍『銀河の警官(ギャラクシー・ポリス)』最高執行部隊、ジオだ。」
「名前長くねぇか?」
「一回だけじゃ覚えられん。面倒な奴だ。」
俺等はそろって文句を言った。
ジオと名乗った男は苦笑混じりに肩を竦める。上から俺等を見下ろしているような態度をとる奴だ。癪に障る。
しかし、名前は長ったらしいが“最高”とかいうワードが含まれているところを見ると、その強さはお墨付きらしい。
つか『最高執行部隊』なんてのあったか?
すると俺の心中を察したようにジオはす、と目を細めて言う。
お前の作り笑いを見て肌寒く感じるのは、何も俺だけでは無いであろう。
「最高執行部隊が何なのか分からないんだろう? 当り前さ、裏機関だからな。『銀河の警官』でも俺の事を知っているのはほんの一握りだけだ。」
「ふーん……だから制服着てないのか?」
「つか俺等ってことは……その最高なんたらっていうのは他にもいるのか?」
男は矢継ぎ早の質問を受け、苦笑いしながら言う。
「服は……そうだな、着なくてもあんまり厳しくはない。そして、名前は一度でちゃんと覚えてくれ。最高執行部隊、だ。これで3回目だぞ。」
「おい、質問に答えてない。他にも仲間がいるのか?」
「くっくっ……他の奴らはじき会えるさ。この俺を倒したら、なっ!」
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.475 )
- 日時: 2012/01/01 11:28
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 7hcYnd26)
- 参照: 微妙なところで区切ってしまった……;
鳩のような笑い方をする奴だと俺が呑気に考えていると、ジオがいきなり高く跳躍する。そいつの手には紫の稲妻が迸り——
「っ!」
身の危険を察知して俺達は瞬時に飛び退く。その瞬間、さっきまで立っていたところへ雷玉が飛んできて宙を滑空しながらそれは木々へぶつかった。紫色をした電光が四方へ飛び散り、衝突した大木は無残にも鈍い音を立てて倒れる。
何故だか寒気が全身を走る。
あの大木が倒れるなんて……!
これは笑い事じゃないかも知れん。さっきの大爆発が発生したところも、俺等の本拠地らしいしな。じいさんと連絡が全く取れない。
好き勝手やってくれるぜ。
「ウル」
レオが静かに言う。こんな冷静なレオ、久しぶりに見るな。
悪いがジオとやら、今のレオは恐いぜ?
俺は頷いて灼眼を見つめる。燃えさかるレオの瞳に何もかも鎮静させてしまいそうな俺の碧眼が重なった。
俺等は永遠不撓不屈、永久に最強だ!!
「「うおおおぉぉぉ!!」」
俺はレオの左手を強く握り、レオは俺の右手を握り返す。握られた手からは赤と青の熱くて冷たい炎が沸き起こった。俺たちの体からは殺気にも似た覇気が漲り、それが全身を覆うまでに大きくなる。
俺は左手、レオは右手にも力を込める。握られた手から迸る炎のエネルギーが全身を伝って左手に溜まるのを感じた。
その手をレオと同時に上げ、敵——ジオの方向へ掌を向ける。握られた手から互いの存在を感じとって頼もしくなった。すると、より一層炎が激しく燃え上がる。
ようやくパワー満タンらしいな。
ジオはというと面白そうにニヤニヤ笑いを続けている。その笑みがいつまで持つかな。
俺は目でレオに合図する。いわゆるアイコンタクトだな。レオも楽しげに顎を引き、ジオを鋭い眼光で睨む。
蒼い炎が俺の掌で球状となった。
「いくぞ」というレオの声を聴いて俺は左手にこれ程かと言う位の力を込めた。
一度炎の球を潰すかのように拳を作ったレオが、
「紅蓮の炎で焼き尽くせぇ!!」
拳を作ってその手の肘を後ろへ引いた俺が、
「冷獄の氷で凍て付くせぇ!!」
拳を勢いよく開きもう一度ジオの方向へ掌を向けた俺達が、
「「はあああぁぁぁぁ!!!!」」
掌から光線を発射する。
赤と青が融合した色鮮やかな攻撃は、しかし優美だとはとても言えないであろう周りで果敢に戦っていた仲間もろとも弾き飛ばしながらジオの方へ一直線に進んでいく。
しかしジオはと言うと、この凄まじい攻撃を目の前にしながらも凶悪な笑みで立ちはだかっていた。
何故逃げない……?
勿論、逃げようとしてももう手遅れだ。しかし、ジオは焦る素振りすら見せない。
俺はこの時、今までの敵とはまるで違うその敵に知らぬ間に
恐怖を感じていたのかもしれない。
- Re: ☆星の子☆ 『戦争』遂に始動—— ( No.476 )
- 日時: 2012/01/01 11:35
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 7hcYnd26)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
新年あけましておめでとうございます!!
新年早々小説更新しました、朱雀です^^
本当は「2011年最後に更新したい!」という身勝手な目標を立てて、昨日頑張って小説を書き上げたんですが、その後安堵からか大晦日には欠かせないバラエティ番組を見始めてしまいまして……
結局2012年になってしまったという状況でございます;
昨日の私の頑張りは何だったんだ……!?
とまぁこうなったのも自業自得なので(笑) 今さら悔やんでもしょうがないですねww
では今年もこんな作者をよろしくお願いします<(_ _)>
今年もより多くのお客様がお越しになることを願って、
また今度ノシ
- Re: ☆星の子☆ あけましておめでとうございます!! ( No.477 )
- 日時: 2012/01/11 20:18
- 名前: 朝倉疾風 (ID: yqB.sJMY)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
どうも、朝倉です。
たいへん遅くはなりましたが、コメントします(`・ω・´)キリッ
朝倉のコメントは長いので…申し訳ないですが……。
天文学部は、朝倉の周りに無かったので、新鮮かも♪
綺麗な星と降ってきた(?)光聖クンのキレイさは
イメージしても美しい!
お母さんも空ちゃんも、そりゃあ驚くでしょうよ:(;゛゜'ω゜'):
そして、光聖クンの説明はなんて神秘的なんでしょう。
燃えて死んで魂が自分の体を旅立った時っていうフレーズが
なんとも…素敵です。
死んだ人間は無になるという光聖クンの意見には、朝倉も同感かも…。
朝倉も、あまりそういうのは信じない人なので。
光聖クンは格好いいから、空ちゃんに嫉妬する女子も多いでしょう。
佐藤クンも良いけれど、光聖クンの方が朝倉は好みですな。
そして、なっちゃんが…:(;゛゜'ω゜'):
恋する乙女にライバルというのはつきもの、か。
朝倉も葵ちゃんと同じく、甘いもの大好きです(*´∀`*)
チーズケーキらぶ。
葵ちゃんみたいな子が増えるといいのだけれど…。
ヒソヒソ陰口を言う女子なんて、蹴散らしとけばいいのです←
そして何か薬とか出て来ちゃってますが。
女の狂気は怖いな、と思いました。
琉斗の言葉は最もですが…光聖クンには少し酷だったかも。
生きる場所が違う、なんてある意味「ここにいちゃいけない」って意味だから…。
琉斗と光聖クンの話は感動しますね…。
友だちもおらず、孤独を共に過ごしていた琉斗を励ましたのね…。
ちょ、もっと長くなりそうなので、続きはまた今度にします:(;゛゜'ω゜'):
ごめんなさい゜(゜´Д`゜)゜
- Re: ☆星の子☆ ( No.478 )
- 日時: 2012/01/14 16:25
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: uJGVqhgC)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@朝倉疾風さん
コメ返遅くなって申し訳ないです;
長文コメありがとうございます♪
最初の話を書き上げたのはもう1年以上前の事になるので……
あんな駄文読んでくださって本当にありがとうございます><
光聖君の登場シーンはベタだったなぁ、と反省気味(笑)
そこの描写はちゃんと書きたかったのでそう言ってもらえて良かったですv
やっぱ天国とかいう話は信じられませんよね;
本当にそういうのがあったら良いなぁ、とは思うけど(笑)
この小説を書き始めた頃はほのぼの系を書きたいなぁと思ってまして、恋愛一色にしようと思ってたからなっちゃん登場したんですよねぇ。
でもどんどん自分の趣味の方向に走っていっちゃってこんな展開ですww
チーズケーキ良いですよね! 私も大好きですv
陰口を言う女子を蹴散らすキャラも出しとくか……?(笑)
薬なんか出したっけ!?
とパソコンの前で画面を睨んで数十秒。
やっと思い出しました←
なっちゃんかなり怖かったなぁ。(笑)
琉はお気に入りキャラだったりします♪
もう出番が無いのが悲しい><
番外編とかでまた光聖君との病棟生活を書きたいなぁとか思ってたり^^
コメントありがとうございました!
またいらしてくださいね^^
- Re: ☆星の子☆ ( No.479 )
- 日時: 2012/01/29 20:54
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: uJGVqhgC)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
14章 94話「ゴスロリツインの女の子」
東軍 空——
頭上から落ちてきたのは、白いうさぎのぬいぐるみ。
その人形は可愛らしい黒を基調としたゴスロリの服を身に纏い、汚れひとつないような純白のうさぎであった。
光すら差さない木ばかりの森で唯一落ちてきた人形。私にはこれがたった一つの希望のように思えた。
好奇心が勝ったのか私はゆっくりと腕を伸ばす。
すっかり血の気が失せてしまった白い指がうさぎに触れた、その時。
「ちょっとぉ! うさちゃんに触らないで!!」
「うわっ!」
甲高い声が、うさぎが落ちてきたと思われる木の上から聞こえた。
私は驚いて手を引っ込める。そして足の古江を押さえながらゆっくりと立ち上がった。
と同時に草に何者かが着地する軽い音がする。
赤紫のような長髪をツインテールにし——ここの住民の髪色は皆奇抜だ——うさぎ同様ゴスロリと呼ばれる服を着ている。彼女は厚底のブーツで地をとんとんと軽く蹴り、不満げにうさぎを拾って土を丁寧に払った。そしてそれを大切に腕の中へ包み込む。
するとようやくというところか、やっと彼女の視界に私が入った。見下したような赤紫の瞳が私を貫く。
そして私を品定めするように見下ろす彼女の不満げな唇が動いた。
「あんたが天野空? ふん、迷い星の子って騒がれるほどじゃないわね。この位で怖気づいちゃうなんてさ。孤独が怖いとか、あんたジオに怒られるわよ?」
「えっ……?」
ジオ……?
私は首を傾げた。聞いたことのない名前だ。と同時に悪い予感が体を走り抜ける。
私は高鳴る胸を押さえながら、おもむろに聞いた。
「あなた……誰?」
ゴスロリの女の子は鼻を鳴らしてギロッと睨む。
整った顔を不満げに歪めた彼女は——見た目年齢は18……つまり高校生くらいだろう——さも嫌そうに私の質問に答えた。
「『銀河の警官(ギャラクシー・ポリス)』最高執行部隊ムマ。」
「じゃあやっぱり……敵、なんだ……」
「何よ? 敵じゃ悪いっての!?」
これ以上私が話すと機嫌を損ねてしまいそうだったので私は口をつぐむ。
と、唐突に目の前の美少女ムマが清清しい笑みになった。表情の移り変わりが激しいのだろうか、ムマはニコニコしながら言う。
「まぁ良いわ。私の役目はもう終わったし、早いとこ帰って紅茶でも飲もーっと。」
「……役目?」
ムマの上機嫌な口調から聞き捨てならぬ台詞を捕らえ、私は嫌な予感がしながらも聞く。
ムマは私を見ながら破顔一笑して言った。
「そう、役目。今日の指令は≪迷い星の子を捕らえ塔に帰還せよ≫だから。
ま、正直こんなに早く帰れるとは思わなかったけど。か弱い少女の一人や二人、捕まえるなんてお安い御用だわ。」
……迷い星の子?
やっと正常に動き出した私の脳がフル回転する。
まさか敵は、私が未だに“迷い星の子”だと思っている——!?
これは緊急事態かもしれない。敵がそう思ってるのは『捕獲』という指令でほぼ証明済みだ。私を捕らえて一体何をしようと言うのだろう。
この状況から脱出しろ。
そう私の本能が話しかける。
真実を言うんだ。
そう私の心が訴えている。
「——っ」
しかし、言葉が上手く出てこない。
その原因は、目の前の彼女、ムマによるものなのだろう。
彼女の醸し出す圧倒的な雰囲気——オーラのようなものが私を束縛しているようだった。
黒いレース服にうさぎの人形、そしてツインテール。その容姿とは裏腹に別格の威圧感を併せ持つ女の子。
そのムマの雰囲気に、私は押しつぶされそうなのだ。
しかし、言わねばならない。自分は“迷い星の子”じゃないと。
そして証明せねばならない。自分は何の力も持たない凡人だと。
それを言った上で、私は言うのだ。
それでも私はあなたの敵だ、と————
そう、その事実に変わりはない。
私自身、ろくな戦力にならないことを承知で、ここまで来たのだから。
- Re: ☆星の子☆ ( No.480 )
- 日時: 2012/01/29 20:54
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: uJGVqhgC)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
と、私が何か言いたげな目でムマを見つめていたのか、ムマは妖しげな光を紫の瞳に宿しながら私を見下ろしこう言った。
「何か言いたげね? どうせ政府塔に行ったら誰もあんたの話なんて聞く耳持たないだろうし……ふん、良いわ。聞いたげる。」
そう言ってムマは偉そうに腕を組み、後ろにふんぞり返る。
私はほっと胸を撫で下ろした。と同時に心拍数が限度を越えるくらいに緊張し、冷や汗が垂れ始める。
しかしこの時ばかりは彼女の傲慢さに救われた。
「何よ、言うことないの?」
「あ——」
彼女に少し怒り気味な声で急かされて、私は急に背中を押されやっと水中に飛び込めた人のような気分になる。
今言わなきゃチャンスは無い——!
私はごくりと唾を飲み、口を開いた。
「あ、あの、私——迷い星の子じゃないんです!」
「……は?」
「だ、だからっその……本当の父と母は私が生まれるちょっと前に離婚して、その後輝さんが私を育ててくれて……私もちょっと前までは知らなかったんですけど——」
私は自分の首筋から滝のように汗が吹き出るのを感じた。そして、さっきとはまるで桁違いの恐怖の戦慄も。
私の脳が必死に赤い警報ブザーを鳴らしている。
その原因は、紛れも無い、ムマであった。
しかし、先程の彼女とはとても思えないくらいの気迫、圧倒的な威圧感。そして何よりも、体から燃え滾る炎のような怒りのオーラが私を包み、動けなくしていた。
「今、なんて言った?」
地を見つめながらうさぎの人形を握り締め、ムマは極めて冷静に問う。
「あんたは、私がここに来た意味が無いって、そう告げたわけね?」
カールがかった綺麗な髪が、心無しかみるみる逆立っていくように見える。
それと同時に、ムマの細い体が上へ浮いていく。
「許さない……」
いつの間にか雲から顔を覗かせた月が、私を嘲笑う様に光った。
そしてムマの整った顔も月光が反射し、私の目に映る。
その表情は——
「赦さない!」
怒りに満ちていた。
ムマはゆっくりと、右手を上に上げる。
そして、告げた。
「永遠のつきの下で朽ち果てなさい。
エンドレス・ザムーン」
ムマが手を鳴らしパチンという軽快な音が聞こえると共に、
世界が反転した。
- Re: ☆星の子☆ ( No.481 )
- 日時: 2012/01/29 20:59
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: uJGVqhgC)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんばんは^^
そして長らくお久しぶりな感じがします、朱雀です。
最近ですね、少し小説の調子が鈍ってきてまして……
前は自分でも驚くほどのスピードで小説をうpしていってたのに、ここんとこ全然進まなくて;
前更新した時から約1ヶ月間更新無しと、自己最低記録を達成いたしました(おぃ
これからもどんどん更新ペースが遅くなり、唯でさえ亀更新なのに遂にはナメクジ更新になってしまうと思いますが、こんな作者をお許しください<(_ _)>
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ ( No.482 )
- 日時: 2012/02/14 23:11
- 名前: PANDA。 (ID: 3/dSGefI)
あけすぎておめでとうございます。
製図(学校の課題)にあけくれているパンダです。
今年もよろしくおねがいします。
朱雀サマへ
お手紙、今月中に送ります。
・・・大きい封筒で来るかもねん♪www
happy valentine!!
- Re: ☆星の子☆ ( No.483 )
- 日時: 2012/02/15 19:19
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: okMbZHAS)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@PANDA。さん
ハピバ(ハッピーバレンタイン)!!(笑)
そしてあけおめですww
製図頑張って下さい♪
お手紙やったー↑
お返事書いてなくてホント申し訳ない><
次はちゃんと送ります!
大きい封筒かなり期待v
コメントありがとう♪
- Re: ☆星の子☆ ( No.484 )
- 日時: 2012/02/27 21:35
- 名前: PANDA。 (ID: tsLiapE1)
こんばんわ。
イラストが投稿できなくなりました(汗
描けなくなったじゃなくて、投稿できなくなったのですww
pixivに投稿しようとしたらエラーがでたのです。
ファイルの種類が違うのでできなかったんです。
申し訳ございません。
朱雀さん、いままでおくったイラストを送り返して
くださいませんか?
トル・双子・キラ・カラー絵など最近のものです。
また詳しくはメールで(笑
おやすみなさい☆
- Re: ☆星の子☆ ( No.485 )
- 日時: 2012/02/27 22:16
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: okMbZHAS)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@PANDA。さん
事情把握です(キリッ
何故投稿できなくなったんでしょう……><
大変ですなぁ;
最近のものがいっぱいあって困りましたね(笑)
まぁ今度の手紙と一緒に送ります☆
あ、Gチーム三人のカラー絵はどうします?
返信待ってます^^
おやすみなさい♪
- Re: ☆星の子☆ ( No.486 )
- 日時: 2012/02/28 22:12
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: okMbZHAS)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
14章 95話「鍾乳洞での戦い」
西軍 洞窟 リンVSトル——
俺の挑発を前に、トルは右の眉を上に上げた。必死に怒りを隠そうとしている事まで丸見えだ。一応聞いておくが、お前の耳は赤リンゴだったのか?
そんなトルは唇を引きつらせながらも笑みを作り、話しかける。
「大口叩けるのも今の内ですよぉ? 私の脳内には様々なデータベースが詰め込まれ、勿論その中にはお前の行動ルールも——」
俺はメガネに白衣の変人科学者から視線を外した。その話は何百回も聞かされた。もううんざりだ。
トルの熱演をよそに俺は辺りを見回す。
広大な山々に囲まれた中、唯一人々のために自然が作った洞窟『ケイヴァニア』。それがここだ。普通は山道なので巨大都市『シャイニア』——その中心に政府塔がある——までは丸い一日かかってしまうが、この自然洞窟が一番の近道となり、それを半日に軽減する事が出来た。
今やこの洞窟は国の宝のように重宝されている。そしてその理由は前者だけではない。
俺はごつごつした壁を見た。紫の結晶が数え切れぬほど埋め込まれ、それらはそれぞれと反射し、煌きあっている。そしてところどころ岩から顔を出した桃色の宝石が一際輝いていた。これらは全てここでしか採集できない。希少価値が高いし、研げば研ぐほど鋭くなるので刀の一部に使われることも多い。
そんな所で戦わねばならんとは……心が痛むな。
「コラァ! 私の話をよく聞きなさぁい!!」
ようやく俺の神経が自分に向いていないという事を悟ったようだ。トルが甲高い声で叱咤する。いつ見ても気色の悪い奴だ。
俺は無言で腰に下げていた刀を抜いた。早めに事を片付けて損する事はあるまい。
「フフン、いつにもましてやる気ですねぇ?」
トルも白衣の中からいびつな青い銃(ガン)を取り出し——どこにそれをしまう場所があるのか不思議だ——ガリガリの手で握り、構えた。
俺はフンと鼻で笑う。
「そんな銃で俺に勝てると思っているのか?」
「なっ……! あなたはまず、その減らず口を直したほうが良いですねぇ?」
「それはこっちの台詞、だっ!」
トルの皮肉めいた言葉に俺は毒づき、地を蹴った。
刀を縦に持ち、トルの頭上で下へと振り下ろす。
そんな俺の斬撃にトルは左の腕で対応する。
「!?」
キィンと刃物が擦れ合う音がした。見ると、俺の振り下ろした刀をトルは見事に左腕で止めている。そう、まるで左腕を刀のように使って。
俺は驚愕を隠せないまま後ろへ跳躍し、トルと少し距離を置いて着地した。
その時、気味の悪い笑い声が聞こえた。見るとトルが今にも腰の骨が折れてしまうくらいに後ろにふんぞり返り、メガネをキラリと光らせ笑っている。
俺は少々イラつくと同時に、悪い予感が脳裏を過ぎった。
まさか————、
「そうっ、そのまさかなのです! この世界ではパラドーックスな事ほど起こりえる、そうじゃないとっ楽しくなぁーいのです!!」
前置きは良いから早く結論を言え。
「つまり今! この体は私であって私ではない——それは、この体が、
人体サイボーグ化第一弾 ア・メイチエクスプロージョンX! だからでぇーす!!
ヌアーッハッハッハ……」
洞窟の中、トルの自慢気な笑い声だけが響く。
それにしても、ネーミンングセンスの無さは変わってないな。大体、何故第一弾なのにXなんだ?
しかし、今はこんなことを言っている場合じゃないようだ。
- Re: ☆星の子☆ ( No.487 )
- 日時: 2012/02/28 22:13
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: okMbZHAS)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
トルは白衣の左袖を捲くり、これ見よがしに見せ付ける。その腕は最早、我等が持つべきものでは無かった。
紫や桃の無数の結晶が反射し幻想的に輝くその腕は、古ぼけた屋敷に並んであるような銀の鎧を着た古代ローマ人を連想させた。確かに見た目だけは何でも弾きそうな鋼鉄に見えるがこの惚けた科学者の事だ、期待は薄いな。
俺の呆れ顔をどう捉えたのか、トルは更に自慢げに鼻の穴を膨らませる。
「凄いのはこれからですよぉ? アッと驚く大変化、あなたも見てみたいでしょう?」
見たくも何とも無いな。もともと、お前に興味は無いのだ。俺の願いはただ一つ、
早く俺の前から消えろ。
「おやおや、何と酷い言葉を! 元同士とは思えませんねぇ?」
「お前と同士になった覚えは無い。」
「そぉーんな悲しい事は言わず! 楽しく一戦交えようじゃありませんか! そう、楽しーくねぇ?」
トルはメガネを光らせ、変色した黄色い歯を見せる。にんまりした笑みからは時折鳩のようなくっくっくという笑い声まで聞こえた。
——こいつとは一生仲良くなれそうに無い。
俺はもう話は終わりだと、刀を左に倒し地面と平行に構えた。
その相手は未だ危機感を感じ取っていないかのように棒立ちのまま立ち尽くし、俺の繰り出す一手を待っていた。
トルを過大評価するつもりは無いが、何しろ『銀河の警官(ギャラクシー・ポリス)』一の変人科学者だ。決して甘く見てはいけない。
俺はぐっと気を引き締め、柄を強く握る。
そして足の底に力を込め、地を蹴った。加速させながら、水平にあった刀を斜め上に押し上げる。
シュッと軽快な音がした。
俺はそんなほんの一瞬で音を聞き分け、敵を討ったと判断する。
——しかし、それがいけなかった。
気がつけばトルは銃を持たない左手、そう素手で、俺の一撃を防いでいた。
まるで俺がいつ、どの方向にどんな攻撃を仕掛けてくるかを全て把握したように。
俺は目の前の状況が理解できず、思わず驚愕の色を顔に表した。
まさか、これほどとは————!
トルはにんまりと笑い、青いガンの銃口をこちらへ向ける。
「ちっ!」
俺はすんでのところでそれをかわした。正に間一髪、飛び出した銃弾は俺の頬数ミリ横を駆け抜け、大自然が創った美しい洞窟の壁に激突する。
おいおい、自然を汚すとは感心しないな。しかし、俺の眼力も優れたものだ。長年警官をやってきただけある。
と、心の奥で自画自賛する俺に、トルが声を荒げた。
「避けては駄目ですよぉ!? せっかくの大切な私産がお前のせいで台無しです!」
「はっ、私産? 資産の間違いだろう? それに誰のせいでこうなったと思ってるんだ。」
「お前がかわさなければ、壁に穴は開きませーんでしたぁ!」
言い争っていては埒が明かないな。
そう俺は結論付け話題を変える。
「しかし、流石だな。まさかこんな正確に行動ルールとやらを覚えているとは……お前も捨てたもんじゃない。」
心にも無いことを言ってみる。褒めまくれば軽い奴だ、思わず口を滑らすだろう。
そして思ったとおり、トルはすぐ有頂天になり話し始める。
「ヌアーッハッハ!! もっと私を褒め称えなさぁい!」
「あぁ、すごいすごい。何故幾千とある記憶を全て整理できるのか、俺には考えられない!」
正直何故こんなに演技が出来るのか、それが一番考えられないのだが。
そんな俺の棒読みにも気づかず、親切にもトルは極秘情報をベラベラと口にする。
本当に期待を裏切らない奴だ。
「ンフフ、それはですねぇ、自分の脳も大・改・造! したのでぇす! 信じられないとでも言うような顔をしてますねぇ? 勿論只の人間なら出来ないでしょうが、しかーっし!! 私はなんと言っても最高執行部隊の一員っ! そぉーの実力を誰もが認める私が、自分の脳を超ハイスペックに仕上げ、個々のデータを完全収納したファイルを押し込んだのです! そして今までは何十本もの糸が絡まった状態だったのを、目で人を認識することにより一本の糸に整理する事に成功したのです!!」
またもやトルが奇妙な笑い声をあげた。
しかし自分の脳まで大改造するとは……本当に恐ろしい奴だ。
そう考える反面、俺は口角を上げ相手がトルで良かったと再び思う。
単純な奴ほど良い鴨になる。すると何故だかトルが本当に間抜け面をした鴨に見えてきて、俺は軽く笑った。
さぁ変態科学者、楽しませてくれよ?
- Re: ☆星の子☆ ( No.488 )
- 日時: 2012/03/06 20:01
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんばんは、友桃です^^
久しぶりに続きが読めましたー! 今すごい幸せですv
ウルとレオ、口が減らない感じでおもしろい……!!(←日本語へんですね;)とか、
うさぎの人形は可愛いのにムマまぢで怖……っ(泣)とか、
色々感想があったんですが、
リンとトルのおもしろさには敵いませんでした(笑
特にトル(笑
変態科学者キャラをおもしろいって思えたの初めてかもしれないです! 他の作品に出てくるそういうキャラは気持ち悪いとしか思えないことが多いので^^; もしかしたらリンとトルとの温度差がわたし的にツボだったのかも……
そしてリンはやっぱりかっこいいv 惚れますv 最後の台詞(?)とか内心キャーvって叫んでました←
続きがすごい楽しみです!
特にリンが!!←
更新楽しみにしてます♪
- Re: ☆星の子☆ ( No.489 )
- 日時: 2012/03/06 22:00
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: okMbZHAS)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
おぉっ、久しぶりです!!
幸せとか言っていただけてこっちも幸せ……(笑)
一話一話長かったでしょうね; お疲れ様です♪(笑)
ムマは一番書いてみたいと思っていたキャラです^^
ちょっとアニメに影響され……いや、何でも無いですよ、本当に。←
リンとトルの絡みは私も自信作と思ってまs(自重
何と言っても書きやすいんですよね^^ トルの暴走さ加減が書いてて飽きないですww
あと、リンの一人称だと何故か落ち着きますv
こういうのが文章アップに繋がるのかなーとか考える今日この頃。
やっぱり楽しく書くっていうのが一番大切ですね!
リンはどう書いてもカッコよくなっちゃってこっちが照れてしまいまs(黙れ
良いですね、あの口調とか冷めてる感じが私もツボです(笑)
更新遅くなっても許してください><
最近調子が……とか言ってみる(ぇ
コメントありがとうございましたー♪
- Re: ☆星の子☆ ( No.490 )
- 日時: 2012/06/07 19:39
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
14章 96話「戦う理由」
北軍 草原——
「白純一族、メトロ……!」
私は歯を食いしばり、敵の名前を繰り返す。
この名を聞いて平静でいられる人がいるのなら是非教えてほしいところね。
今私達の目の前に立ちはだかる敵は、『アステリア』では悪名高き暗殺者である。
身軽な体でターゲットの前に音も無く現れ、一瞬にして命を奪い、目撃者が出る前に颯爽と姿を消すという卑怯なやり口で、彼らは今まで何人もの善人をあの世へ葬っていた。
でも、何だろう。この異様な違和感は……?
そしてそれは自分より遥かに互換の優れているピアの方が強く感じているようだ。恐怖に慄きながらも首をしきりに傾げ「あれ? でも、何故でしょう……?」と呟いている。
横にいるハクはこんな時にも笑みを絶やさず——平静でいられる人は驚くほど近くにいた——私に問う。
「キラ、どうしますか? 相手は名高い暗殺者ですが?」
「……! ふふっ、戦うしか無いでしょう?」
あくまで北軍のリーダーは私だ。それに対してハクは問う事で示してくれた。
この軍を動かす主導権は私にある——それを再認識し、私は答える事で敵との戦闘を宣言した。
私の返答を聞き、「それでこそキラです」とハクは嬉しそうに言う。私も笑い返した。
銀色の毛並みを持つ狼の群れ、その先頭に立つ悪名高き王族の白い狼。
それが何だと言う。
こっちには大の大人でさえ根負けの怪力女に——最近は自分の自慢にしているの。ちゃんとした長所だってハクが言ってくれたから——小柄ですごく可愛い鋭敏な少女に、虚心坦懐でとっても心強い少年がいる。
負ける筈なんか無いのよ。
「クックック……その根拠の無い自信はどこから沸いてくるのだろうな? こちらには脚力に自身のある風狼軍——それに比べてそなた達は、戦闘経験も乏しいのではないか? 見よ、そこの少女は怯えて足が竦んでいるぞ?」
いきなり話を振られたピアは「ひっ」と小さく声を漏らし、私の後ろで隠れるように身を潜めた。
私は喉を唸らせ嘲笑の意を示す白い狼を一睨みする。
と、ハクがこちらを心配げに見つめ、そっと耳打ちした。
「キラ、早く始めましょう。敵は腹をすかしています。このまま長引かせると危ない——」
確かに。
メトロの後ろで荒い呼吸をしながら貪婪に目を光らせる風狼軍を盗み見し、私は小さく頷いた。私達の会話を動作だけで理解したのか、北軍に緊迫した雰囲気が漂う。ピアが後ろで背負った弓矢を手に取るのを確認し、私の大鎌を持つ右手にも力が入った。
狼の群れが腰を上げ鋭い犬歯を剥き出しにして戦闘姿勢をとる。
メトロが一歩前に出る。
そして白く鮮やかな月が雲間から覗くと同時に、咆哮のような狼特有の遠吠えが響き渡った。
次の瞬間、どちら共つかずに地を蹴り、その反動で各々の靴底に火花が飛び散る。
それが、ここでの本当の戦闘開始合図となった。
- Re: ☆星の子☆ ( No.491 )
- 日時: 2012/03/24 12:20
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /.e96SVN)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
流石、噂で聞いたとおりの移動速度だ。やはり風狼軍、侮ってはいけない。私達北軍のほうが2、3倍人数は多いのに、武器を振るうとは正に紙一重、ヒラリと軽くかわし隙を突いてくる。獣一匹に三人でも歯が立たないとは……
私は悔しさにギリ……と歯を食いしばった。
そんな間にも一人、また一人と火の粉が散り、消える。
守りたいのに、守れない。
「っ……」
そんな気持ちで胸がいっぱいになり、苦しくて私はまたやみくもに大鎌を振り回す。しかし何も考えず只放つ攻撃が敵に当たる筈も無い。これもまた、軽々とかわされてしまった。
そもそも戦争なんて、トップを討伐すれば一瞬で済む話である。
そして敵もそれを知ってか、メトロは動こうとせず戦いの成り行きを静かに見守っているだけだ。勿論、周りには防御対策かのような竜巻が渦を巻き、迂闊に近寄れなかったが。
何度かメトロに攻撃を加えられないかと試みたが、何故か私の周りだけやたらと獣が多く、完全にマークされてしまっている。
私は狼が鋭い犬歯で噛み付こうとするのをヒラリと避け、横目で仲間の無事を確認する————
と、5メートル先でピアが悪戦苦闘しているのが目に入った。
二匹相手に四苦八苦しているピア。その背後に他の狼が大きく口を開け、飛び掛る。
「っ、危ない!」
一瞬頭が真っ白になった私の体が、一早く動いた。
ただピアを守りたい。そう、それだけの理由なのに、何故だか体の奥底から力が漲る。
そっか、戦う理由なんて簡単で良いんだ。
私はその狼目掛け、大鎌を振るう。他の敵なんて、今は関係ない。
シュッ
私の武器は大きな弧を描き、ピアへ飛び掛った狼の首筋へ振り下ろされた。
「ガアアァァッ!」
狼の悲痛な叫びが草原に響く。
やった、と私は内心喜びながらも平静を装う。
するとようやく自分が窮地に立たされていた事を悟ったピアは、瞳を大きく見開き私の無事を確かめるように腕を掴んだ。
「キラさんっ! だ、大丈夫ですかっ!?」
「はっはっ——ピアは何も無かったのね、良かった……」
私はピアの元気そうな顔を見て、優しい安堵感に包まれた。自然と笑みが零れる。
しかしまだ戦いは終わったわけではない。
周りでまだまだ熾烈な戦いが繰り広げられているのを確認して、ピアの手を解いた。
ここで休んでいる場合じゃない。私達も応戦しなきゃ。
空には絶える事無く火の粉が舞っている。胸の奥がキュッと締め付けられるのを痛感しながら、私はピアと背中を合わせた。
「っピア、私が攻めるからあなたは弓矢で対応して。風狼軍は所詮獣。知恵はそんなに無い筈よ。そこを上手く利用して——」
「はいっ!」
私はじりじりと私達が動くのを待つ狼達を一瞥し、地を蹴った。
——さっき敵を討った時、一つ得たことがある。
傷口から噴き出した火の粉、その色は銀じゃなく白だった。
火の粉が白なのは白純王族メトロだけの筈だ。何故なら彼は王族末裔。彼自身もそう名乗っていたし、グロさんの情報を聞く限りそれで合っている。
それならさっきの火の粉は——?
私は火の粉が舞い散る夜空を眺め、呟いた。
「なるほどね……」
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見下さい! ( No.492 )
- 日時: 2012/03/24 12:32
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /.e96SVN)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんにちは!
朱雀の学校は今日終業式だったであります(キリッ←
帰宅して早速更新ー♪
最近更新ペースが落ちてきてホント申し訳ないです><
3月はテストとかあったしね……
その間ずっと小説を書きたくて書けなかったものですから、春休みバリバリッと執筆しまくります!!(ぇ
あ、14章は96話で終わりです^^
次は15章……何で自分こんなに続けてるんだ?(禁句w
それでですね! ちょっとしたお知らせ(?)ですv
もう少しで「☆星の子☆」も100話を迎える事になるのですが、100話記念として短編を3つくらい載せようと思ってます♪
ショートショートみたいな感じですね……ノート1ページくらいで収められる感じの^^
それでその短編なんですが、2つはもう書く事が決まってるんです。
しかし最後の一つがまだ決められてなくて……
そこで皆さんにアンケート!!
短編——1、2ページで終わるくらいの!——で書いて欲しい事があったら言って下さい^^
採用されない場合もありますが、良い感じのがあれば書くかもです♪
では皆さんの意見お待ちしておりますv
ではっノシ
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.493 )
- 日時: 2012/03/24 14:31
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
短編いいですね^^!!
楽しみですv
私は久しぶりに日常のほのぼのな話も読みたいですねー^^
ちょっと時間ないんで今回はこれくらいで……
また来ます(^^)/
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.494 )
- 日時: 2012/03/24 17:37
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /.e96SVN)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
ほのぼのですか……φ(..)メモメモ
確かに最近そういう話無いや(笑)
よし、考えときますー^^
でも私がほのぼの書いたら事故る可能性がっ(本気w
コメントありがとうございました♪
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.495 )
- 日時: 2012/04/03 13:06
- 名前: PANDA。 (ID: tsLiapE1)
こんにちわヽ(^◇^*)/
おひさしぶりです。お手紙ちょうだいしましたヨ。
3人の絵は、一度写メして送ってくれませんか??
お手数お掛けします(w_−; ウゥ・・
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.496 )
- 日時: 2012/04/04 16:44
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: N7iL3p2q)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@PANDA。さん
おおっ、届きましたか!!
良かったよかった♪
何だかんだで送るの送れちゃってごめんなさい><
了解です☆
画質悪いかも……;
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.497 )
- 日時: 2012/04/14 17:42
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: J85uaMhP)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんにちは^^
今回は前話から二十日程開け、更新です!
もう早いのか遅いのか分からなくなってきた……(´・ω・`)
今回は南軍、レオ&ウルのお話です。
今は大きく見て東西南北と4つに分けて執筆中なので、視点とか毎度毎度変わり、分かりにくいかもです;
そんな時はお手数ですが、覚えていただくかまた戻って読んでいただくと真に嬉しいでs(黙れ
最後に、次の話は久しぶりに光聖君目線で書きます☆
光聖君の存在感がかなり薄れてきたのだが大丈夫だろうか……
ではっノシ
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.498 )
- 日時: 2012/04/14 17:43
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: J85uaMhP)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
15章 97話「孤独な強敵」
南軍 空中レオ——
おいおい、何故逃げない?
俺はジオが俺達の力が融合した攻撃を前にして、じっと立っている事に不快感にも似た疑問を持っていた。
執事服のイケメンさんよぉ、格好つけるのは良いが丸焦げになって死んじゃあ面目だって丸潰れだぜ? ほら、逃げられないんじゃ無いか。こんなんで終わっちまうとは期待外れにも程が——
ジオが動く気配も無く俺達の攻撃を受けるのを見て、勝利を確信した時。
俺等は信じられない光景を目の当たりにして、思わず目を見張った。
「「あ?」」
煙が立ち込めていて良く見えないが、そこには確かに立ち続けている男の姿が。
しかしおかしい。煙が立っているという事は、攻撃は当たり爆発したという事なのだ。
では何故、敵は生きている?それも全くバランスを崩さずに。
解ける事の無い疑問が悶々と脳内を巡る。
と、ジオの影が煙から姿を消した。
途端に背から感じる凄まじい殺気。
「!」
俺は素早く後方からの攻撃を避ける。すると、さっきまで自分が立っていた場所目掛け雷が落ちてきた。一瞬遅れ、空から雷電と共に雷特有の音が轟く。
俺は咄嗟に右腕を掴んだ。握った左手に力を込める。
俺が、震えている……
双子の最強戦士と謳われた、この俺が?
「ありえねぇ……」
「俺が無傷な事がか?」
ぽつりと呟くと、自分が落とした稲妻が木々に吸い込まれ爆発する様子を楽しげに見ていたジオが聞き返した。自信に満ちた笑みを浮かべて。
ウルはその反面顔を顰める。鼻を鳴らすが、否定しないところを見るとどうやら何故敵が無傷なのか俺以上に不思議なのだろう。
俺はもう、他の南軍を気にかける余裕が無くなっていた。漆黒の犬も相当厄介なんだろうが、こっちの方がもっと危ない。
「はっ……こんなに強いなんて聞いてねぇぞ、ジジイ?」
俺は悔し紛れに毒づいた。
何だよ、最高執行部隊っていうのはグロさんが付け入る隙も見せないような所だったのか?
俺は未だに動こうとしないジオを見る。そして意を決して口を開いた。
「教えろよ……お前の能力は何だ?」
ジオはす、と目を細めた。そして俺を蔑む様に冷たい瞳で一瞥する。
この台詞は聞き飽きている様な、そんな反応だった。
「あぁ、教えてやるとも。だが、教えたところでお前達の敗北に変わりは無い。」
「何だと?」
ウルが怒りを精一杯押し止めながらも聞き返す。
そんなウルを見て、ジオは感情のこもらない瞳で笑った。
「俺の能力は、そう、永遠なる命。外部からの攻撃に一切干渉せず、空腹などの要らぬ感情が体を満たす事も無い。
そう、俺は死なない。例えこの星が滅び、宇宙の彼方へ飛ばされても!」
俺は露骨に顔を顰めた。ジオの狂った様な高笑いが耳障りだった。
そして何より、突きつけられた今の言葉が全て真実だとは、どうしても信じられなかった。
俺は試しに軽く掌に力を込め、そこで小さく渦を巻く玉をジオに投げつけてみる。
ジオは俺の目的がわかったのか、何も言わずにその場から動かなかった。
その玉は空を滑るように飛んでいき、ジオの胴体へ当たって弾けた。赤みを帯びた光が迸る。
しかしそれも束の間、その光は爆発時の煙たい空気と共にジオの体内に吸い込まれる。
そしてそれと連動するように、先程まであったはずの傷が跡形も無く消えた。
執事服までが新品のように小奇麗に修復されるのを見て、俺とウルは揃って絶句する。
「こんな事、ありえるのか……? ただでさえ強いのに不老不死だって?」
ウルが呟いた。考え込む様に眉間に皺を寄せる。
しかし、そんなに弱気ではいられない。俺達は反乱軍の戦闘指揮官。実際、あのジジイも俺達の戦闘技術は認めてくれている。
そうやって自分を鼓舞し、俺は奮然と言い放った。
「俺達に倒せねぇ敵なんていねぇ!!」
頭上の雷音に負けない位声を張り上げ俺は叫ぶ。
すると黒い犬と戦っていた南軍まで振り返り、今の声が俺だと気付くと頼もしげに笑った。俺の自信に満ちた雄叫びを聞き、南軍の士気が高まったのだろうか。皆押され気味だった筈が、一気に形勢逆転したかの様に見えた。
ウルも満足げに微笑み、目の前の強敵へと再度目を向ける。
しかし、その宣戦布告にジオは恐れることも無く、醒めた瞳で俺を真っ直ぐ見据え笑う。
「はっ、今までだってそう言う強敵と何度も戦った事はある。だが結果は同じさ。皆俺を置いて消えていくんだ。好敵手も、仲間も、家族でさえも!
お前達もどうせ、死ぬんだろう?」
その顔には最早感情なんて存在していなかった。
何を考えているのか窺えない、隙の無い表情。
その表情はまるで仮面のようで。
その姿はただ操られる、からくり人形のようで。
しかしただ一つ、瞳だけは孤独な心を露にしていて。
これが真のジオなんだと、不器用な俺にも納得がいった。
そうか——こいつはずっと、
一人だったんだ。
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.499 )
- 日時: 2012/05/07 06:19
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんにちはー^^
みんなやはり強敵ですね……!!
ジオなんか特に>< 不老不死っていうのも考えものですよね。周りの人皆先にいっちゃうんですもんね……
最後の二行もすごいぐっときました><
敵キャラがたくさんいるけど、悪者っぽい人もいて、ジオみたいに完全な悪者には思えない人もいて、おもしろすぎる科学者とかもいたりして(笑)、すごいいいなぁっておもいますv
敵キャラにも思い入れが……(笑
あ・あと個人的に風狼軍好きですv 狼すきなんでv← なんかかっこよくてv
続きも楽しみにしてますー♪
あ・てか次久しぶりの光聖くんでしたねっ!!v
たぶん少しくらい久しぶりでも出てきたらすぐに主役の存在感出してくれる子な気がします、光聖くんは^^
また来ます(^^)/ 課題も終わったからまたすぐ来れる、はず……!!
- Re: ☆星の子☆ 皆さんの意見お待ちしております! ( No.500 )
- 日時: 2012/05/08 18:31
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: c1MPgv6i)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
コメントありがとうございます^^
いつも来てくださって嬉しいです><
ジオは強敵です。どうやって倒そうかと頭を悩ませています(ぇ
不老不死は絶対悲しいですよね……! だから私は、あんまり長生きしたくない←
トルがかなりツボな様で嬉しいです♪(笑)
個人的にもリンとトルの絡みは大好きなので、ずっとこれで良いんじゃ無いかという気にもなります(笑)
何より書いてて楽しいv
風狼軍は元々いなかったキャラです^^;
急遽作ったので、完全に後付け(おぃ
気に入ってくれて嬉しいですー!
光聖君……書いたけど結局2ページ足らずで出番終わってしまった∑
完全にリン支持作者だからなぁ(( すごく申し訳ないm(__)m
コメありがとうございます♪
また来てくださいね^^
つか100話記念の話が思いつかないーっ!!
- Re: ☆星の子☆ 久しぶりのヒーローです。 ( No.501 )
- 日時: 2012/05/27 10:50
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: w93.1umH)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
15章 98話「ヘンゼルとグレーテル、そして魔女」
東軍 密林 光星——
急に、地が割れるかと思うくらいの爆発音が響いた。その爆発で発生した暴風のせいか、木々の枝や葉がゆらゆらと揺れ僕の不安を煽る。地面も心無しか揺れている気がして、僕は足を止めた。
何故か胸騒ぎがする。ざわざわと不気味に風に吹かれる木々の隙間を見て、無意識に後ろを振り返った僕は、その違和感の正体に気付いた。
「空が……いない……?」
胸が締め付けられたように痛い。止め処なく流れる冷や汗に、背を這い上がるような恐怖の戦慄。それらに負けじと僕はユキに歩み寄った。
紫のベールが顔を覆っているため表情はよく分からないが、彼女の周りには哀愁の雰囲気が漂っていた。
「空は!?」と僕がまくし立てるのに対し、ユキはあくまで冷静に言葉を紡ぐ。
「空さんは今、別次元に飛ばされています。別次元とは……そう、時間さえ干渉できない闇へ。愚かな者です……危険だと、そう言ったのに。」
「……まるでこうなる事が分かっていた様ない言い方だな。」
僕が顔を顰め怪訝そうに言い返すと、ベールの奥からくすりと笑い声が漏れた。
掌の水晶を大切そうに撫でながらユキがか細い声で続ける。
「未来は幾つもに分岐しています。人が行動する選択肢が無数にあるからです。そして私達は今、一つの道を進んでいる途中……その物語の結末がハッピーなのかバッドなのかは誰にも分かりません。」
「え、でもさっき……」
「しかし、その未来には決して定まっている訳ではない、言わば確率があるのも事実です。」
ユキは僕の言葉を遮り、畳み掛けるように言った。最後に、私はその確率が高い未来を見る事が出来る、と付け加えて。
もうこれ以上話す必要は無いと思ったのか、ユキは何も言わずに僕を黙視する。
敵地まで進むのか、空を探すのか。僕が決めろという事だろう。
しかし僕はユキの話を聞いても動くことが出来ずにいた。
別次元に飛ばされてしまった空。敵が望まない限り、見つけ出すのは不可能だろう。
しかし空の無事が分からないまま進むのは心残りがあったし、何より不安だった。
僕は目の前でじっと立っている修道服の女性に再度尋ねる。
「空は……無事戻って来られるかな?」
ユキはまるでその質問が来る事を知っていたかのように、間髪入れず答えた。
「えぇ、きっと。」
- Re: ☆星の子☆ 87話の回想がちょっぴり。 ( No.502 )
- 日時: 2012/05/27 10:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: w93.1umH)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
東軍 空VSムマ——
私は目を瞬かせた。
さっきまでここは森で、目の前には怒り狂った敵がいた筈。
それなのに……
「お菓子……っ!?」
目の前には甘い香りを漂わし、まるで私に手招きをしているようなお菓子の家。
屋根はチョコ、壁は全てビスケットやクッキーで出来ていて、窓の縁はキャンディ、ガラスは水飴を固体にしたらしきもので形作られていた。
私はごくりと唾を飲み込む。
これはムマの罠だと本能は告げているのに、先程から積もっていた疲労を甘い物を食べる事で晴らしたい。そう思う私の欲求が勝っている。
すると、ここぞとばかりにお腹がなった。
「そういえばお昼から何も食べてなかったっけ……」
ふらり、と私は前へ進む。『腹が減っては戦は出来ぬ』その教えに今こそ従うべきだと調子のいい事を考えて。
近づけば近づく程、お菓子の家は魅力的に思えた。かぐわしい芳香が鼻をくすぐり、私を急かす。私はドアノブへ手を伸ばした。
そして取手にようやく手が触れ、それを回したその時。
——そういえばヘンゼルとグレーテルのお話にも、お菓子の家が出てきたっけ——
ふとそんな考えが脳裏を過ぎる。
——確かお菓子の家には、悪い魔女が住んでいたんだよね——
そこまで考えて、私は手を止めた。
この家の中に、何か良からぬものがある……勘だし根拠も無いが、何となくそう感じた。
しかし、気付くのが少し遅かったらしい。
現に私の手はドアノブを回した後で、まさに今、扉に重心を掛けていたところだったのだ。ギィと古い金属が擦れ合う音がする。と同時に冷たい風が耳元を通り抜けていった。背を這うような寒気と不安、その全てが入り混じった感覚に耐えきれなくなり、私は一歩後退する。
すると突如、嗄れた声がした。
『逃げるんじゃない……』
「ひっ!?」
私は飛び上がり小さく悲鳴を漏らす。
そして気が動転してしまったのだろうか。
私は竦む足に鞭を振るい、目の前の家から距離をとる。そして足をもつれさせながら必死に反対方向へと走り出した。
先程までは確かにお菓子の家だった筈なのに。今ではすっかり錆びれた奇妙な廃墟と化している。
どうして? ここは何処——!?
後ろから、こちらへ何かが襲ってくる殺気じみたものを感じる。そしてどんどん近づく、甲高い笑い声。その声は先程と同じように嗄がれていた。
止め処なく流れる汗に、荒い息遣い。しかし足だけは、必死に動かす。
茂みを必死に掻き分けて、森の奥深くまで走った。
そろそろ大丈夫だろうか……?
ひとしきり走ったところで私はやっと止まった。後ろからは先程も気配も感じなかったので、私は大きく深呼吸し気持ちを落ち着かせる。
さっきのあれは、一体何だったの……? まさか本当に魔女が——ううん、そんな筈ない。だって魔女ならばホウキに跨って空を飛んで、一瞬で私を捕まえられるもの。
そうやって自問自答し、空を見上げたその時。
「えっ!?」
私の視界に写ったのは、毛先が乱れた箒に乗って私を追ってくる、魔女の姿だった。深い紫の三角帽子を目深に被っているので顔はよく見えない。しかし大きい鼻の下で唇が不気味に弧を描いたのを見た途端、私はまた全速力で走り出した。
どうして魔女がこんなところに、だなんてもう大した問題じゃ無くなっていた。有り得ない話だが、確かに魔女はここにいる。そして私を追っているのだから。
しかし箒に乗って私を追う老婆から逃げるのは、至難の業に思えた。
空から追跡する魔女が私を見失うはずがないし、その反面私はこの森を全く知らないのだ。それに、私は所詮人間なのだから。
すると世界がぐらりと傾き、
「も……無理っ……」
私の意志とは裏腹に、体が無残にも崩れ落ちる。
私の足が、体力が、限界を訴えたのだった。
もう立つ気力も私には残されていない。ただ足を引きずり、少しずつ退歩するだけ、
魔女の甲高い笑い声が脳天に響く。同時に私は目を瞑った。
その時、脳裏で唐突に浮かび上がる、人影。俗に言うフラッシュバックが、私を襲う。
流れる金髪に、美しい瞳をキラリと光らせ私を見つめる美少年。冷徹な眼差しも今となっては恋しく懐かしい。
『——俺が守る。お前は一人じゃない——』
何故だか右手が冷たくも温もりのある大きな手を覚えた。
私は最後の頼みの綱に縋り付く思いで、彼の名を呼ぶ。
すると魔女の乾いた笑い声が急に、ムマの動揺を隠しきれていない叫びに変わった。
「リンさんっ!!」
「ちょっ、だ、だめっ……!」
辺りを包み込む、目映い閃光——
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.503 )
- 日時: 2012/07/16 21:51
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
リンーーっ!!←
なんか「えぇ、きっと。」って答えてるユキの表情がすごい自然に浮かんでほっとしたのとか、
魔女こわっとか色々思ってたんですが、
全部最後のリンに持ってかれました(笑
かっこよすぎますvv
続き楽しみにしてます♪
更新頑張ってください^^
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.504 )
- 日時: 2012/07/17 16:00
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
コメントありがとうございます!
あとで友桃さんの小説行って投票してきます(`・ω・´)
急に魔女が出てきたりgdgdですみませんww
リンでフォローできているようで(笑)良かったです^^
駄目だ……リン贔屓が最近酷い事に∑
頑張ります!
ありがとうございました♪
- Re: ☆星の子☆ 2ヶ月ぶりの更新。遅くなってすみません; ( No.505 )
- 日時: 2012/07/21 14:17
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
15章 99話「気ままな戦友」
西軍 洞窟 リンVSトル——
敵の行動パターンを全て覚えているトル。
正直、どうすれば勝てるのかは全く分からない。
しかしその必勝法は思うより難しくない気がするな。
そう、例えば無心になってみたり——
「動かないのなら、私から行きますよぉ?」
突然、眼前に突きつけられた青いガン。その銃口から褐色の光が漏れだしたのを捕らえ、危機感から俺は身を翻した。しかしその行動も既に読んでいたかのように、トルは銃口の向きを即座に変える。
やばい——!
避ける事が出来ないまま、俺は攻撃を真に受けた。
ボフッ
その時、こんな戦場に似合わぬ間抜けた音がして俺は顔を上げる。すると目の前が何故か褐色の煙で覆われていたため、その煙たさに俺は大きく咳き込んだ。苦しさに涙を溜めて呻く。
「何なんだ、一体……」
すると敵も同じく激しく咳き込んでいるのに気がついた。
「ゲホッゴホッ……どうしてこうなったんですかぁ!?」
「それは俺が聞きたい」
どうやらこうなる事はとるにも予想外だったらしい。自分で煙幕を放ったくせに、あまりの煙たさに目を回している。
しかしトルはよろめきながらももう一度、銃口をこちらへ向けた。金属がキラリと妖しげに光る。
科学者は愛用のメガネを押し上げ、唇を引きつらせた。
「っふ、次は外しませんよぉ?」
確かに、今度ばかりは流石にまずそうだ。
銃口の奥では黄金色に輝く光が漏れていて、次はレーザー線だろうかと俺は呑気に考えた。ちなみに、俺はサイコメトラー(読心術とも言う)を使えるのだからトルの心を読めば良いんじゃないかと思う奴も多いが、俺の能力はまだ力が弱いから、敵が俺の能力を知っていてある程度警戒を強めていると使えない。あまり持っていても得をしない能力なのだ。
俺は無言で太刀を構える。そして地を蹴った。
本来ならばこういう時、俺は真っ向から攻めたりなどしない。しかしトルが俺の行動データを全て把握している今、常とは変わった行動をするのが一番だろうと俺は踏み込んだのだった。
銃口から閃光が迸っているにも関わらず向かってくる俺を見てどう捉えたのか、科学者は唇を歪め渋面を作る。しかし瞳は、同時に楽しげでもあった。
俺は青いガンに狙いを定め、刀を横に薙ぎ払う。
耳障りな金属音が鳴った。太刀と青いガンが擦れ合い生まれる不協和音。
俺は顔を顰める。金属音が気分悪くてでは無い。トルが俺の行動を、予測していたからだった。
やはり、常と反対の動きをしても駄目か……
俺は軽く舌打ちをする。トルは気味の悪い笑みを浮かべ、青いガンを持つ右手に力を込めた。人体改造をした事で得た怪力が、惨くも俺を弾き飛ばす。
洞窟の壁に当たる寸前、俺は脚に力を込めて何とか止まった。
そんな俺を見て、トルは満足げに喉を鳴らす。
「ンフフ、いつもと違う行動を取ろうとしたみたいですが、私は行動パターンを全て覚えている……少し突飛な事をしたとて、その後の動作は変わりませんよぉ? 大切なのは“どう考えるか”ではなく“どう動くか”なのですからねぇ。」
- Re: ☆星の子☆ 76話の回想がちょっぴり。 ( No.506 )
- 日時: 2012/07/21 14:16
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
「——————そうか。」
トル、お前は少し口が軽いんじゃないか?
お陰で良い鴨になってくれたよ。
俺は再びトルを狙い刀を構える。そして左下から右上へ、勢いよく振り上げた。
勿論この程度の攻撃はトルも白衣を翻し、避ける。
俺はそれを一瞥し、すかさず刀を水平に持った。そして大きく弧を描き、トルを攻める。
これもトルは紙一重で避ける。しかし先程に比べ随分と余裕が無いように見えた。
——もう一息だ。必ずチャンスは来る……!
俺はそれだけを考え、動いた。意図など無い。何も考えずに、ただ本能で。
「——っ」
トルがよろけた。
俺は瞳を光らせる。これは昔からの癖でな、何年経ってもなかなか直らない。
俺の刃の先端がトルの頬に触れた。地に鮮血が飛び散る。しかしそれも束の間、その血はすぐに赤みを引き淡い緑の火の粉となった。
トルも流石にまずいと感じたのか、急に顔を強張らす。そして大きくジャンプし、俺との距離をとった。
その時。
甲高い笑い声と共に爆発音が聞こえた。それも幾つもだ。
乱暴なその攻撃を食らったこの洞窟の壁から、パラパラと破片が落ちてきた。
トルの充血した瞳が洞窟の先を捉える。そして情けない声色で嘆いた。
「あぁ、私のロボット達……」
それと同調するように、爆発を起こした獰猛な男が斧を振り回し駆けてくる。
「ひゃっはぁ——! おい、こらリン、そこを退け!
そいつは今から俺の獲物だ!!」
セルだった。
反乱軍の中で一番争いが好きで、乱暴で、見境の無い男。そいつが次なる戦いを求めやってきたのだ。
ふ、と笑いが漏れた。さっき、セルはトルに勝てないと思いロボ軍へ送り込んだが、その選択はどうやら誤っていたようだ。
セルはいきなり、斧を横に振った。風が切れる軽快な音がする。その攻撃をトルは成す術も無く受けた。鮮やかに火の粉が舞う。
完全に警戒心をなくしたトルの心の声が、脳内に響いた。
(くっ、セルの行動データは毎日一致しないから作れなかったんだが……これは痛いところを突かれた……!)
動揺を現したトルの本音だった。
しかし、こいつこんな喋り方だったか?
声は一緒だったからトルだと分かったものの、別の肌寒さを覚える。
——と、唐突に体が光った。そして紫の光に包まれる。
「なんだこれは……?」
「……!?」
トルがセルの攻撃から必死に逃げ、俺の方をキッと見た。その瞳は戸惑いと焦燥に揺れていた。
何かあると瞬時に悟った俺は、もう一度トルに神経を集中させる。
(あの光はムマの……! まさか、これが『エンドレス・ザムーン』の特殊能力のもう一つ、取り込んだものの所望をかなえる能力なのか!? しかしこれが外部で発動するのは難しいと考えていたんだが……ふむ、研究のし甲斐がありそうだ——っと! それよりもセルをどうにかする方法を考えなければ。)
一つ発見した事がある。本当のこいつは見た目よりも些か冷静で落ち着いているらしい。そう考えると色んな意味で虫唾が走るがな。
俺の体が少しずつ薄れてゆく。どうやらムマという敵の能力は、意識だけでなく身体までも異世界へ飛ばすらしい。
ふいにある少女の声が、鮮やかな花々で囲まれた庭園の風景と共に思い出された。
『——私達は、仲間だよ——』
“仲間”だから、呼んだのだろうか。では何故俺なんだ……? 迷い星は何をしている?
しかし俺は何となく、唇で弧を描き笑ってみた。
「仲間なら、行かなきゃな。」
「……ハッ、さっさと行け。ここは俺様だけで十分だ。」
セルも残忍な笑みを浮かべ、俺の背中を押す。
そして一人相手には少し大げさな爆発が起きた。それと同時に、内側から吸い込まれるような感覚が俺を襲い、周囲が暗くなる。
セルは相変わらず乱暴な奴だ。だがそんなあいつから、一つ教わった。
たまには無心で気ままに戦うのも良いとな。
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.507 )
- 日時: 2012/07/21 16:25
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんばんは!
お久しぶりです、朱雀です。
前の更新から2ヶ月という長い歳月を経て、ようやく99話更新しました^^;
更新ペースが遅くなってて本当に申し訳ないです><
夏休みにはその分執筆頑張りたいと思います!!
今回の小説はやっと一つ戦いが終わったんですが……
何故途中でリンはトルに攻撃を加えられたか、とか何故セルの行動データだけ作れなかったか、とかの説明を小説の流れ的に入れるのが難しくて;
お分かりになられましたか?
此処で簡単に説明させて頂きますと、
トルは行動データで行動を予測して動いていましたが、それはあくまでもデータです。リンはトルの言葉により、何も考えずに一心不乱で攻撃したら、何も考えてない訳ですから普段と同じ行動、もしくは正反対の行動も無意識のうちに取れるという事を悟りました。そしてそれによりトルはデータが無効になってしまい攻撃を受けたんです。
そして同じように、セルは戦いが好きで楽しんでやっていますので、元々戦い方とかそういう型にハマって戦うのは嫌いなのです。その為毎回戦い方が一致せず、あっちに動いたりこっちに動いたり唐突に爆発を起こすのでデータが作れなかったんですね。
……と長く書いてしまいました;
まぁそう言う訳です。文中に説明加えられなくて申し訳ないm(__)m
さて、次は100話です!
短編3つという事で、その中にトルの本性もろもろも書かれているので、楽しみにしていただけると嬉しいです♪
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.508 )
- 日時: 2012/07/25 21:44
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんばんは^^
来るのが遅くなってしまいましたが、とうとう更新されましたねー! 99話!!
記念すべき100話までもう少しですね。執筆頑張ってください♪
今回は頭脳戦でしたね!
あ・でも実際は無心だから頭使わずに戦ってたのか……! なんか頭脳戦って言っていいのか難しいです(笑
私もともと戦闘シーンは苦手ですが、頭脳戦は特に書けないのですごいなぁと思いながら読んでました^^ こういうのも書けたらもっと戦闘シーンの幅も広がりそうなんですけどね。難しいです……><
自分で放った攻撃を自分でくらってるトルに吹きました(笑
続き楽しみにしてますー♪
またきますね(^^)/
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.509 )
- 日時: 2012/07/29 16:59
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 62e0Birk)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
100話までもう少しですー♪
嬉しいと同時に多忙すぎて泣ける(泣) 短編3話とか思い切って言ってしまった自分が馬鹿だった……(ガクッ
とにかく死ぬ気で頑張ります(`・ω・´)
頭脳戦の方が自分的には楽かもしれないです^^
戦闘描写って本当に難しいので;
だから他の子達も多分頭脳で勝つ筈……!
トルは個人的に動かしやすいキャラだったりするので、今後も出るかも!?
コメントありがとうございますー^^
あ、あと投票ありがとうございます><
また来て下さいね♪
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.510 )
- 日時: 2012/09/02 21:39
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6kBwDVDs)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
15章 100話「光の矢」
北軍 草原——
私は離れて戦っていたハクの元へ駆け寄った。
今得た情報をいち早く伝えなきゃ……!
悠然と敵を相手にしている小柄な少年の名を呼ぶ。
「ハク! 私に案があるの!!」
私の話を黙って聞いていたハクは全て話し終わった後、柔らかな微笑みをたたえ頷いた。
「分かりました。その作戦、僕も乗りましょう。」
「ありがとう! ピアにも話しに言ってくるわ。ハクは他の戦員をうまく誘導して。合図として火矢を飛ばすから。」
そして踵を返す私の背から、ハクの声がかかる。
「キラ、気をつけて。」
「ふふっ、私を誰だと思っているの? 私はアステリア一の怪力女なんだから!」
そんな優しい言葉に、私は破顔一笑して頼もしく笑った。ハクは知らない。自分の一言がどんなに私の背を押してくれているかを。
風を切ってピアの方へ走る。その間も沢山の風狼軍が襲ってきたが、私の気迫に押されたのか、それともただ単に下っ端だったのか——しかしその可能性は極めて低い——、先程のように手こずりはしなかった。銀色の獣から迸る白い火の粉、そして普通は体が滅び完全に消えるまで数十秒はかかる所、たったの3秒で跡形も無く消える狼の群れを見て、自分の読みが正しいと私は確信した。
「キラさん! 何か分かりましたか?」
小さな丘から矢を射ていたピアは手を止め、希望を輝く瞳に宿し聞いた。
顎を引いて頷いた私は、先程ハクに話したことをピアにも伝える。
最初こそ驚きはしたものの真剣な表情で終始聞いていたピアは、何故だか憧れの眼差しを私に送ってこう答えた。
「あの違和感はそういう事だったんですね……とっても良い作戦だと思います! でも、あたしにちゃんと出来るでしょうか……。」
「大丈夫、ピアは他の人には無い力を持っているんだから。それをちゃんと活用しなきゃ!」
私は笑って言った。ピアノ察知力——それはただ敵の気配を感じ取るだけではない。時に敵の地盤を揺るがす大きな戦力となるのだ。
————いよいよね……。
私は表情を固くし、ピアに合図を送る。
ヒュン、と軽快な音がし、燃え盛る火矢が戦場の草原を目掛け飛んだ。
多くの戦員の目を引きつけたその矢は、大きな竜巻を盾にして風狼軍を見守るメトロの前へ落ちる。その瞬間炎が他の草々へと燃え移り、メトロの目を遮るように火柱が立ち煙が上がった。
ピアは次々と矢を放つ。それらは全て私の思惑どおり、メトロを外した戦士達を覆うように地に落ち火をつけた。
風狼軍の長(おさ)メトロは、まだ自分の出る幕ではないと言わんばかりに歯をむき出し、見下したような表情を浮かべる。
「クックッ……そんな小賢しい真似をして我等に勝とうとでも? 笑わせる・
この国一の暗殺軍の恐ろしさを身にもって知るが良い!」
メトロは鼻を上げ、遠吠えを上げる。
すると突然風が激しく吹き始めた。そしてそれと比例しているかのように風狼軍の勢力も増してゆく。
しかし——
「キラさん、あそこ……大きな岩の近くで群れている4匹が弱っています。」
「了解! ピアは見つけたら火矢で知らせて。そうね……青い炎がいいかしら。」
そう言って私は丘から飛び降り、そこに向かった。
なるほど、確かに弱っている。見たところ4匹とも負傷はしていないけれど。
今気付いた事だが、メトロや生き生きしている風狼軍の瞳の色は綺麗な緑色。しかし弱っている狼達は濁った瞳をしていた。
——やはり生気が吸い取られている……。
弱った4匹は逃げようともしないまま、私の大鎌が振り下ろされるのをじっと見ていた。
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.511 )
- 日時: 2012/09/02 21:38
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6kBwDVDs)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
つまり、こういう事なのだ。
風狼軍は急に強くなったのではなく、他の狼の力を吸い取って自分のものとした。しかし当然弱った狼は少数なので、戦士たちはその事に気付けない。よって敵が強くなった、という認識しか出来ないという真理を利用した戦法だったのである。
しかし何故他の狼の力を得る事が出来たのか? それはメトロ以外の風狼軍も白い火の粉だった事で証明される。
“風狼軍は元から一匹だった”のだ。
白純一族の末裔メトロ。それが幾ら高貴で有名な一族と言えど、群れで行動する狼にとって仲間がいなくては話にならない。
そこで周りに狼がいなかったメトロは考えた。それなら自分で作ってしまえば良い、と。
こうして風狼軍が形成された。そう考えるのが一番妥当であろう。
そしたら火の粉が白かった事や、力を吸い取った事も解明される。そして、敵を倒す方法も。
そう————
メトロを倒すのではない。風狼軍(本体)を倒せばいいのだ。
「くっ……」
メトロはもう一度、大きく雄叫びをあげた。それに続き風狼軍も唸り、体勢を低くする。そして次の瞬間、弾丸のように反乱軍に向かって走ってきた。
また何匹が狼の力を吸い取ったようだ。先程より格段素早さがあがっている。
しかし、そこには大きな欠点があった。
メトロは今、火柱によって視界を遮られている。そのため、戦場の様子も分からない。己の感覚だけで、風狼軍を操作しているのだ。
つまり、“風狼軍の力のバランスが取れていない”のである。
私に襲い掛かってきた狼は、すばやさは先程の2,3倍だが、防御が弱い。そのため峰打ちで軽く討伐する事が出来た。
その間にも次々と矢が草原に青い炎をつける。弱った狼はハク率いる戦員に任せるとしよう。
私は——
「はあぁっ!」
勢いよく向かってくる狼を斬りつけた。そしてその流れで大鎌を地面と水平に持ち、体ごと回しながら背後にいた敵を討つ。
一匹、一匹と確実に敵が減っているのが目に見えて分かる。白く輝く火の粉が闇夜に紛れ、まるで星のようだ。
——それにしても、何だか楽ね。最初風狼軍が現れたときはどうしようかと思ったけど……戦争のような緊張感が全く無い。相手はホーリー・フェザー率いる政府なのに……まるで今の戦闘が準備運動のようだわ。まさか、まだこれ以上の敵が沢山いるというの……!?
そう考えると急に背筋に悪寒が走る。思わず後ろを振り向くと、ハクが柔らかな微笑を浮かべ立っていた。
「わぁっ! い、いつからそこに——」
「キラ、あとはメトロだけとなりました。さぁ、一緒に……」
「えっ、もう皆倒したの!?」
負傷しながらも戦士達は頼もしく頷く。自然と私も笑みが零れた。
そしてどうやら私も、考え事をしながら大鎌を振り回していたみたい。いつの間にかメトロの前で仁王立ちしていた。
白い狼は充血した目で私達を睨む。メトロ自信は戦っていないのに、必死に舌を出して息を整えているところを見ると、やはり風狼軍が彼の本体で間違いないようだった。
「ぐぬ……」
メトロは悔しげに顔を歪ませ唸った。そして次の瞬間、一目散に森林の方へと逃げ出す。
「な……! まだ走れる程の体力が!?」
私は絶句した。
流石アステリア一の暗殺軍、風狼軍と名乗るだけある。風に紛れ森林を駆け抜けるメトロを追いかけるのは、悔しいがとても無理があった。
逃げられてしまう——!?
その時、私達の後ろにある小さい丘で弓を引く、少女の姿が。
「皆さん、私に任せて下さい。」
「ピア!? 一体何を……」
小さい体で精一杯腕を引くピア。その手に握られていたのは普通の弓矢ではなく、矢を型取った——
「光!?」
「届け————!」
ピアノ叫びと共に光の矢が勢いよく森林を駆け抜ける。そして次の瞬間狼の遠吠えが短く聞こえ、同時に光が弾けそれらは一瞬で闇夜に溶け込んだ。
ほんの数秒の出来事だった。
すこし間が空き、どこからともなく歓声が上がる。それは瞬く間に辺りを包み込み、私を温かく包容してくれる様だった。
「勝った……」
思わず涙腺が緩むのを感じ、私は慌ててそれを抑える。
涙は政府を完全に倒す時まで、とっておかなくちゃね。
そう考え私は満足げに微笑んだ。そんな私をハクが呼び止める。
何だか浮かない顔で私を見つめるハクの手には、通信機が握られていた。
「キラ、すみませんがここでピアと一緒に戦員達の手当てをお願いします。決してこの場を離れないでください。」
「……どうして? ハクは?」
「先程ようやく総司令官と連絡が取れたのですが——われわれの本拠地をやられたそうです。未だに援軍を送れずにいる状況だと。」
「そんな……」
私は口を覆った。本拠地の場所は敵の誰も知らない筈だったのに……。
ハクは珍しく眉間に皺を寄せ、渋面を作る。
「僕はレオとウル率いる南軍と合流しろとの事です。敵が強敵だそうで……南軍はほぼ全滅、と聞きました。」
「あの双子が敵に押されている!? そんな、冗談でしょ……」
ハクの目は、笑っていなかった。そして何度も何度も、念押しするように「決してこの場を離れないで」と繰り返す。
その言葉に、私はただ頷き遠ざかる背中を見送ることしか出来なかった。
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.512 )
- 日時: 2012/09/02 21:44
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
100話きたーっ!!!
……今から読んできますv
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.513 )
- 日時: 2012/09/02 21:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6kBwDVDs)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
皆さんお久しぶりです、朱雀です。
気付けば前の更新から1ヶ月ちょい経っていました。
それでやっと更新しましたが——
☆星の子☆100話おめでとうーっ!!!!!!
自分よくここまで頑張ってこれたな、と本当に思います。
こんなに長く一つの小説を書き続けられたのは星の子が初めてです♪
最近2周年突破しましたし^^
それも読者の皆様の声援あってこそだと思っています! 本当にありがとうございますm(__)m
短編は、一気に3本もうpしたら読む方も大変だと思いますので、2週間置きくらい(?)に上げようと思っています。べっ、別にまだ一本しか完成してないからとか、そういう事じゃないんだからね!?←
これからも更新は相変わらずスロースペースだと思います(´・ω・`)
一応、これでも受験生ですので。(勉強してないけどw←)
多忙すぎて禿げそうですが、絶対に小説の更新やめるとかそういう道は選びませんのでご安心下さい!!
では、これからも星の子応援して下さいね♪
皆様のコメントが、一番の栄養の糧ですので!!(笑)
追伸
朱雀があまりにもカキコに通っていなくて、生存が不安になった方は、ブログ(URL)書いてますのでそこで確認してください(笑)
- Re: ☆星の子☆ 返信500突破! 嬉しさに感慨無量です。 ( No.514 )
- 日時: 2012/09/02 22:03
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
“風狼軍は元から一匹だった”ってとこ読んだときに納得しすぎて感動しちゃいました……!!
こういうの考えられるのすごいなぁv
戦いに入ってからも力ばっかりじゃなくて頭を使う戦闘が多くておもしろいです^^
あと最後に敵を仕留めたピアがかっこよすぎます……!!
テンポもすごいよくてのめりこんじゃいました。
でも最後に大事件ですね><
レオとウルの活躍楽しみにしてます♪
それと最後に、
記念すべき100話更新おめでとうございます!!
これからもがんばってください^^
P.S.もう2周年なんですね!! そちらもおめでとうございます!!
朱雀さんが2周年なら私ももしかしてそろそろなのかな……? 自分がカキコに来た日を把握していないのでわかりませんが←
これからもゆるゆる楽しく小説書いていきましょうねー^^
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破!!〜更新2周年〜 ( No.515 )
- 日時: 2012/09/04 18:37
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6kBwDVDs)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
>>512
コメント気付けなかったですが、早かったですね! 小説更新してすぐじゃないですか(笑)
読む前にコメントしてくれたのが嬉しい♪
勝つには少し工夫を入れたいな、とは前から思っていたので^^
ただ勝ってしまうとあまり印象に残らない気がして、メトロや他の敵は結構前から倒し方を考えてありました!
どんな敵にも弱点は必要だと(`・ω・´)
ピアはこれからあんまり登場が無い気がするので←
ここで良い所取らせてあげようと思って!(笑)
かっこいいと言ってもらえて幸いです^^
E・Cは確か9・10月ごろ出来たと思います……!
どっちにしろもうすぐで2周年ですね♪
お互い忙しい中頑張りましょう^^
コメントありがとうございました☆
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破!!〜更新2周年〜 ( No.516 )
- 日時: 2012/09/30 10:30
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: gK3tU2qa)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
〜100話突破記念 短編3本立て〜
1「冥界」 一人称:ナツ
私は今、二つ目の人生を歩んでいる。
いや……これは最早人生と言わないかも知れない。時間の流れがまるで存在せず、一度瞬きすれば地上では何時間もたっていた、という事すらある。ここではあらゆる生物と出会え、そして誰も消える事は無い。住民だけが増えてゆく一方だ。
しかし、ここほど住みやすいところは他にない。それこそ望めば何でも出てくるし、他界した人となら、会いたいと願えばいつでも会える。
そう……ここは地上で言うところの『天国』。
この世に命を持って生まれてきた者の、真の故郷だ。
「何故難しい顔をしているんだい?」
横で腰を掛けていた男が言った。
彼の名は、ラム。皆さんもご存知だろう、ガル先輩とグロ先輩のチームメイトである。
夜空を連想させる紺色の髪を長く伸ばし、大きい藍色の帽子を深く被っている。帽子のつばで顔を半分以上隠しているので、真正面から顔を見た事は未だ無い。妙齢のラム先輩は片手にワインを持ちながら、小首を傾げ聞いてきた。
「いえ……ヒナやリンの事が気になって。」
「あぁ、そうか。下界は今大変だからね……」
ラム先輩は顎に手を添え、下に視線をやる。私も同じように下を覗き、地上の様子を見た。
政府軍と反乱軍——その二つが対立し、今『アステリア』では戦争が起きていた。
私は激しい攻防戦を眺めながら、目を細める。
戦争、か……そんな風に力で押さえつけて、本当にアステリアは平和になるのか——?
私は再び口を開いた。
「私は……アステリアの政治を狂わせたのは、ホーリー・フェザー様じゃないと、思います。
H・Fとホーリー・フェザー様は、同一人物じゃない……」
(————「私の嫌いなものの三つ目、それは……
私を忌々しいホーリー・フェザーという名で呼ぶ者だ!」————)
薄暗い部屋に響く厳かな声。同時に私を包み込む鮮やかな光。
今でも思い出すと、その恐怖に身の毛がよだつ。
一瞬だった。痛い、厚い、その感情のどれもが体を駆け巡る前に、私は消えここに来た。
ラム先輩は帽子のつばを弄り、溜息をつく。
「気味は僕と同じ道を歩んだ、哀れな男だ……下界の様子をここから見守る事しか出来ない。伸ばした手も、生と死の超えられない壁によって掻き消されてしまう。」
そう言って彼は枯れた声で力なく笑った。
「会いたいなぁ……ガルやグロに。もう何十年も話していない。だけど、彼らがここへ来るのは、もう少し先だろうね。」
その気持ちが痛い程よく分かる私は、同じように遠い目をする。
ここの住民は幸せだ。しかし皆、言いようの無い寂しさといつも戦っている。
私がこの『待合室』を出られるのは、一体いつだろう。父さんや母さん……リンとヒナ……皆が揃ったら、前のように幸せに暮らせるだろうか。
私は椅子に腰掛け深い眠りに落ちている人々を見た。
皆がここに来るまで眠って待つのが、一番良いかもしれないな……。
そう考えていた時だった。
ふと横に懐かしい気配を感じる。同時にラム先輩が珍しく帽子のつばを上げ、「おや、久しぶり」と親しげに声を掛けた。
「……ナツ。」
その人物はそっと私の名を呼ぶ。
私は高鳴る鼓動を抑え、ゆっくり、ゆっくりと首を回した。
しかし私はその姿を見た途端、懐かしさに涙が溢れるのを止める事が出来なかった。
ここで会った時には、たっぷり皮肉を浴びさせてやろう。そう言葉を用意していた筈なのに。
自然と口から零れ出た言葉は、それらとは全く正反対のものだった。
「——おかえり!」
そして私達は互いに、しっかりと抱きしめ合った。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.517 )
- 日時: 2012/09/11 19:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6kBwDVDs)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
こんばんは!
番外編は如何だったでしょうか?
最近リンばっかり出ていて、じきにヒナも出番満載だな〜とか思っていたら、ナツを出したくなったので書きました(`・ω・´)
実は今回の「冥界」はかなり前から頭の中で想像を膨らませていたお話でもあったので、もう少し背景描写増やして書きたかったなというのが、正直な感想です^^;
だけど毎回本編が2分割で長いので!
番外編はあくまでもおつまみなので!
だから色々と描写は省き、本当に書きたかった部分だけ残した始末です。
今回の舞台、天国に関しては皆さんの脳内で色々想像して頂けると嬉しいです♪
あんまりに設定つけすぎると、天国に対しての夢が無くなるなぁ……と思ったのも描写を少なくした理由の一つです(*´∀`*)
新しく登場したラムですが、意外に気に入っているキャラだったりします^^
だけど本編で出る事は無いだろうなぁ……(笑) もう死んでますしね(´・ω・`)
一度ガル達3人を一緒に出したいものですね。
短編「冥界」は本編寄りで、少しシビアでしたが残り二つは(少なくとも一つは)かなりコメディになると思います(笑)
ではではノシ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.518 )
- 日時: 2012/09/29 21:56
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: gK3tU2qa)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
〜100話突破記念 短編3本立て〜
2「科学者Xの休日」
薄暗い部屋に、カタカタと一心不乱にキーボードを叩く男の姿がある。元は書斎なのだろう、本棚に囲まれたその部屋で、彼はなにやら調べ者をしているようだった。しかしその部屋は書斎というには余りにかけ離れていた。本棚の半分はフラスコや試験管などの実験器具で埋め尽くされ、数少ない本の題名は全て奇妙な記号で記されていたからである。
ふいに彼は手を止め、息を吐いた。
仕事が一段落したのだろう、すっかり冷めてしまったコーヒーを乾いた喉に流しいれた彼の表情が少し緩む。
すると、机の上で無造作に積み上げられた資料の、そのまた上に載せられていた小さなスピーカーから声が聞こえた。
声の主が『教授』と彼を呼ぶところを見ると、どうやら彼の部下なのだろう。穏やかに彼が返答をすると、部下はきびきびと話しだす。
『銀河の警官研究舞台秘密調査チームA、無事任務遂行しました!』
「そうか……例の部品は?」
『はっ。それ等も全て揃いました。後は情報処理だけです。』
「ふむ、もうそろそろだな……」
白衣を羽織った彼は誰に言うことなく呟き、満足げに微笑んだ。そして部下に「ご苦労だった」と労いの言葉をかけ、スピーカーを切る。
するとそんな書斎の扉を叩く音が。
「あなた、入りますね?」
部屋に入ってきたのは、長身の美しい女性だった。栗色の長い髪を低い位置で一つに束ね、長い丈のワンピースで身を包む彼女は、男性ならば振り向かずにはいられない程の美貌を持っていた。
そんな彼女がそっとマグカップに入った温かいコーヒーを差し出す。男は軽く礼を言いそれを啜った。書斎にほろ苦い香りが漂う。
そんな優雅にお茶の時間を楽しむ彼も、並外れた美貌を兼ね揃えていた。切れ長な瞳に高い鼻、しゅっと尖った顎を持つ彼が着る白衣と黒縁眼鏡が、これまた似合っている。
と、彼の鋭い視線が女の服に止まった。
「キミ……街中でもそんな格好で出歩いているのか?」
「あら。」
女は小さく笑って、人差し指を唇に添えた。
「二人の約束でしょう? 本当の姿をして良いのはお互いの前だけ——そもそも、私は外に出ませんわ。」
「っふ、それもそうだな。」
男の口角を上げクスリと笑う。その光景はまるでおとぎの国から飛び出してきた王子と王女のようだった。
その時。
ピンポーン、と二人の世界から彼らを切り離すようにその場に似使わぬインターホンの音がした。
男は玄関に向かおうとした女を引きとめ、言う。
「良い、私が行こう。客人の予想はついている。」
そう言って書斎の扉まで近づいた彼は、ふいに足を止めた。咳払いをして、少し照れくさそうに彼女に向き直る。
「……?」
「最近品種改良に成功してな。髪飾りにでもするといい。」
男は白衣のポケットに手をいれ、女の掌にそれをそっと置いた。
そして頬を赤らめ、そそくさと部屋を出て行く。
女はゆっくり手を開いた。
男からのプレゼント、それは赤青黄緑で彩られた四葉のクローバーだった。
女は感嘆の声を漏らし、優しく微笑む。
「幸運の四葉……花言葉は“True Love—真実の愛—”。
ふふ、私もよ……ずっと愛しているわ————」
耳を済ませば、微かに聞こえる彼の声。それは他人に見せる、もう一つの顔。
「やぁ、トル。久しぶりだな。」
「遊びに来るなら一言言ってくださいよぉ〜! そしたら、すんばらしい実験をご用意出来ましたのにっ!!」
「そんなの要らないから。そもそも私達、遊びに来たわけじゃないわ。」
「つかさぁ、トル出るの遅い! 何度インターホン押したと思っているの!? 今まで何やっていたのよ?」
「んふふ、ヒキガエルの体液とイモリのしっぽ、そこに何の生物の生き血を混ぜれば美味しくなるかを試していたのですよぉ。」
「「きもっ」」
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.519 )
- 日時: 2012/10/09 06:18
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
トル——!!!爆笑
こんにちは。来るのが遅くなってしまいました^^;
ナツのお話で切なくなって最後あったかい気持ちになって終わったのが、全部そのあとのトルに持ってかれました(笑
タイトルに科学者って書いてある時点でトルだろうなぁ(笑)と思って読んでいたのですが、読み進めるうちに「え、ほんとにこれトル!? や、トルだよ、トルの裏の(むしろほんとの?)顔だよ! や、でも」って一人で問答してました(笑
なんかもうトル大好きです……!! おもしろすぎる上に、なんかかっこいい……!!
久しぶりに朱雀さんの小説読んだらなんか力湧いてきましたv
就活&卒論がんばろうv
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.520 )
- 日時: 2012/10/11 18:57
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
コメントありがとうございます♪
ナツのお話、もしかして最後に出てきた人物分かっちゃいましたか?
もっと描写を減らすべきだった……!(笑)
タイトルで分かりましたか。流石です(笑)
ちょっと設定無理矢理だな、とは思いましたがトルなので何でも許されるかなと(`・ω・´)←
でも好んでくれてありがたいです^^ ほっとしました(笑)
ギャップって良いですよね。白衣と黒縁眼鏡ってのも最高ですよね。
私もトル大好きです!!←
そう言ってくれて本当に嬉しい……><
友桃さんも色々(?)頑張ってください!!
改めてコメントありがとうございました♪
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.521 )
- 日時: 2012/11/23 10:41
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
〜100話突破記念 短編3本立て〜
3「星の子学園!」 Ep1「星の子学園へようこそ!」
——これは“If”の話……。星の子に登場している人物が、皆同じ学校の同じクラスに集まったらどうなるのかを面白おかしく書いた物語である。
舞台は『銀河の学校(ギャラクシー・スクール)』。一部先生役だが、それ以外は皆空に合わせ中1設定。ちなみに描写は存在しない。
では、スタート!——
席(出席番号順) ガル(黒板)
キラ レオ セル ウル
ヒナ 空 ナツ 琉斗
ピア 葵 ハク 光聖
ムマ 楓 リン 佐藤
ガル「お主等の担任、ガルじゃ。気軽にガル先生と呼んでくれ。今日からお主等も中学生! よく学び、よく食べ、よく寝る、規則正しい生活を送ろうぞ。では自己紹介、右端から!」
ウル「ん、俺から? つか自己紹介なんていらないんじゃねーの? 読者様は皆知ってる訳だし。」
レオ「その通り! 俺は自己紹介よりも席替えをしてほしいね。ウルと席が離れているとか、ありえねー。」
ガル「ど、読者……? まぁ良い。では席替えをするかの。」
琉斗「え……席替えするんですか? せっかく光聖と近かったのに……」
光聖「僕もこんな何をしでかすか分からない奴等と琉を一緒に出来ない! 席替え反対だ。」
楓「私も席替えは嫌かなー。だって、今の隣の席が西條君なんだもん!」
リン「その名で呼ぶな。今はリンだ。」
楓「きゃー、かっこいい!!」
空「あれ……楓って本命佐藤君じゃなかったっけ……」
ヒナ「ねぇ、ナツ。あいつ(リン)っていつから女に色目使うようになったの? て言うか何であんたが生きてんのよ?」
ナツ「私に聞くな。作者の考えることはよく分からない。そしてリンのあれは確信犯じゃないと思うぞ?」
ハク「そこ、HR中に席を立つなんて非常識ですよ? ちゃんと座って下さい。」
ピア「(ボソッ)ハクさん……笑っているけど目が据わっています……」
キラ「でもそんなハクも素敵!! ……あ。べ、別に好きとかそういう訳じゃないからね!?」
ムマ「つかさぁー、席替え云々よりもこの学校の制服をどうにかしてくれない!? ダサすぎて着てられないわ。
ん、喉乾いた。ジオ、お茶。」
ガル「? ジオは教師をやっとるから、ここにはおらんぞ。それと制服は校長(ホーリー・フェザー)に言っとくれ……」
ムマ「はぁっ!? 何、あいつ教師なの!? 笑える、絶対似合わないわ。生徒に暴力振るう先生確定ね。」
葵「ぼっ、暴力……!(みっくんと隣の席になりたいよー。何だか皆見た目も性格も風変わりで、怖い……!)」
セル「ごちゃごちゃうっせーなぁ。おちおち眠れもしねぇ。とっとと失せろ、クズ共。」
佐藤「キミ、そういう言葉は良くないよ。それと、HR中であれ授業中であれ学校での居眠りは禁止だ。」
レオ「おー、セルに口答えするとは。第二の優等生ちゃんやるねぇ!」
ウル「なかなか肝が据わってんじゃん。
つかさ、疑問なんだが俺らなんで生徒役なわけ? 年齢も確か20近くだったから、どうせなら先生とかやりたかったよな。」
レオ「あー、確かに。いまさら制服着てもな。」
ムマ「あら。それを言うなら私だってそうよ、もう18歳なのに。魔法の先生とか無かったの?」
ガル「魔術だとユキが担っておる。授業内容が被ってしまうのを避けた、作者の配慮じゃな。
それよりも、席替え……」
ムマ「は? 納得いかないわね。私ちょっと校長室行ってくる。
制服のクレームも言って、せめて私のだけでもゴスロリチックにしてもらわなきゃ。」
葵「え!? ちょ、ちょっと待って——」
ピア「行っちゃった……」
キラ「ねぇねぇ、名前なんて言うの?」
琉斗「え、と……神谷琉斗……」
楓「じゃあ琉君ね! にしても可愛いー♪」
レオ「くりっとした目に長い髪、端正な顔立ち……」
ウル「どこをとってもパーフェクトッ! ねぇ、今日の放課後一緒に遊びに行かない?」
琉斗「(うる目)光聖ー、助けてー!」
光聖「何でレオとウルも琉の周りに……」
ヒナ「ナツ、死後の世界ってどんなだった?」
リン「それには俺も興味がある。俺達はこの世を去ってもまた会えるのか?」
ナツ「それは私もよく覚えていないんだ。死んだ後の記憶が曖昧になっていて……」
空「せ、席替えは……?」
セル「おい、迷い星。お前とはまだ戦っていなかったなぁ? ここの近くに実戦室がある……そこでやり合おうじゃねえか。」
光聖「望むところだ!」
ハク「クラスの人数がどんどん減っていっていますね……」
空「席替えしようよ〜!」
*
柊「——望月。何で俺等は居ないのかな?」
望月「…………」
——続く……のか!?——
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.522 )
- 日時: 2012/10/21 13:36
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
お久しぶりです、朱雀です。
地方の大会も終わり、1ヶ月ぶりのお休みだったので更新です^^
短編最後の「星の子学園!」は……ただ一回台本小説というものを書いてみたかっただけなんです(´・ω・`)
しかし、書き終わった後の脱力感が半端無いですね(笑)
そしてgdgd! 本当は席替えまで終わらせるつもりだったのに、皆が台詞あるようにしたらこんなに長引いてしまった∑
それと葵ちゃんや楓、佐藤君は出したのに空の部活の先輩2人を出し忘れてしまい(苦笑)
このさい天文学とかの先生にしちゃおうかな……(笑)
まぁ皆さんにはいつも長ったらしい文章ばっかり読ませてしまっていたので、たまにはこういうのも良いかなと^^
感想お待ちしております。
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.523 )
- 日時: 2012/10/21 14:59
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
ちらっとカキコ覗いてみたらちょうど更新されてましたー♪
星の子で台本小説、すごく新鮮で面白かったです!!
こう見てみると登場人物たくさんいますね(笑
てかガル先生大変ですね(笑 こんなに個性豊かな子ばっかり集まったクラスもそうないですよ^^ みんなに好き勝手やられてちょっとかわいそうでした(笑←
リンは安定のかっこよさですねっv
あとトルが先生役出てきたりしないかなーなんてちょっと期待してたりv
だめだすっかりトルにはまってしまった;
更新楽しみにしてますねー♪
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.524 )
- 日時: 2012/10/21 17:47
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
@友桃さん
いつもの如く早い!(笑)
コメントありがとうございますー^^
そうなんですよ、登場人物多くて困ってます;
最近葵ちゃんとかそっち系の出番が少なくて……(苦笑)
ガルは優しいから皆にも叱れない、そんな立ち位置です(笑)
振り回されっぷりが最高!←
トルの出番はもう少し後だと! 勿論、教師役で出ますよ(*´∀`*)
てか続き書くのかどうか分からないけど(笑)
本編も順調に書き進めてますよー^^
またいらしてくださいね♪
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.525 )
- 日時: 2012/10/28 15:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
16章 101話「思わぬ敵」
東軍 密林 光聖——
空は僕の手も届かない別次元に居ると、ユキが言った。
そしてこうも言った、空は無事に帰ってこれると。
それならば。僕はここで右往左往している場合じゃない。
前に進む。そして誰よりも早くアステリアの巨大都市『シャイニア』に着いて、敵と決着をつけるまでだ。
ユキは無言で僕に着いてくる。しかしその冷静ながらも穏やかな雰囲気から——紫のベールで顔を覆っているので全て直感だが——僕の決断に満足しているように見えた。
僕は他の東軍のことを案じ、不安になる。
空に続き、行方不明者が続出していたら————?
ここからそう遠くないところで僕と同じように政府塔を目指し進んでいるであろう東軍のことを考えて、僕は遠い目で木々の奥を見た。
するとユキが消え入りそうな声で囁いた。
「大丈夫……まだ皆さんは敵と出くわしていません。——そう、今までは。」
ユキの声と、悲鳴とも雄叫びとも言えない奇声が近くから聞こえたのはほぼ同時だった。そして声が聞こえた辺りから銃声が鳴り響き、赤い煙幕が立ち込める。
僕達は足を止め、煙幕の色を確認し表情を固くした。
赤い煙幕は——敵軍襲来の合図。そして援軍要請のメッセージだ。
顔を蒼白にした僕は咄嗟に足を踏み込んだ。
助けに行かなきゃ——!
しかし突如、体が動かなくなる。透明のクモの糸にでも絡まってしまったかのように、身動きが取れない。
犯人はなんとなく分かった。
僕はユキの方を振り返る。
「援護は、私一人で行きます。貴方は真っ直ぐ前だけを向き、進んで下さい……。
運命には誰しも逆らえない————」
「ユキ!?」
彼女はそう言って儚く笑った(ように見えた)。
そしてすぐさま地を蹴り高く跳躍すると、目にも留まらぬ早さで闇夜に溶け込む。
体の束縛はユキの姿が見えなくなった後すぐに元に戻ったのだが、それでも僕は暗い森の中で一人、思案にふけっていた。先程のユキの言葉に、矛盾を覚えてしまったのである。
『未来は幾つもに分岐している』——そうユキは言った。
でも今の口調はまるでこれから起こる事を見通し、それには決して逆らってはならない、そう強く主張しているように聞こえた。
そして最後に垣間見た儚げな笑み。
きっと、僕はこれからつらい道を歩むのだろう。
でも、それでも、僕は前に進むことしか許されないのだ。
「未来って、何なんだろう……?」
耳を澄ませばあちこちから爆音や叫び声、しまいには笑い声や狼の遠吠えのようなものも聞こえる。煌々しい月明かりが照らす寂寞とした闇の世界には、どれも不釣合いだった。
静まらない夜に、僕は一歩ずつ歩を歩めた。のんびりとした歩調は次第に速くなる。最後には風を切って木々を駆け抜けた。
急に視界が開ける。
どうやら夢中になって走っている内に、森を抜けたようだった。抜けた先に辿り着いた丘の上から、眼下に広がる景色を見る。
僕は感嘆のため息を漏らした。
「綺麗だ……」
アステリア一の巨大都市『シャイニア』。
闇に染まった世界の中で、この街だけは眠っていなかった。建物の窓から漏れる色とりどりの鮮やかな光は、まるでイルミネーションのようである。
そしてこの美しい夜景に囲まれ、悠々とそびえ立つ塔があった。周りは塀で覆われ、とても大きな白い門が構えている。その門には華やかな装飾と共に見覚えのある模様が彫られていた。
金色の鳥が大きく両羽を広げている。
『銀河の警官(ギャラクシー・ポリス)』の紋章だ。
僕は表情を固くした。ナツとヒナ、そして元は敵だったリン達3人に追われていた日々が鮮明に浮かぶ。
(でも、今の僕はあの頃と違う——!)
短期間だったが特訓をし、力をつけた。戦法も学び、武器もある。
そして何よりも、守るべき存在が居る。
空や反乱軍の仲間達、そして『故郷(アステリア)』。
全部、無くてはならない大切なものだ。その為にも負けられない。
僕は政府塔を睨みつけ、力強く足を踏み出す。
と、頭上で聞きなれた声がした。
「ここから先には、行かせない。」
はっとして、僕は上を見上げる。
明るい青の警官服を着こなし、僕をまるで汚らわしい物でも見るかのように顔を顰める女。少し髪が伸びただろうか、首元にかかる髪を払い除け、鼻を鳴らして彼女は名乗った。
「『銀河の警官』最高執行部隊、ヒナ。
悪いけどあなたにはここで死んでもらうわ。」
心臓が止まる思いがした。唐突に、脳内で早鐘が鳴り出す。
ヒナは右手を持ち上げた。
その手に握られた物騒な金属製の銃口から、今にも光が溢れ出しそうである。
ヒナは冷たい瞳で笑った。そして何の躊躇いも無く、引き金を引く。
「さよなら」
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.526 )
- 日時: 2013/01/10 11:49
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: http://ameblo.jp/suzaku-runa/
東軍 空VSムマ——
目映い光が私の体を包み込む。そしてその光が一つに凝縮されはじけた頃には、すっかり冷たくなった私の手をしっかり握る温かい人物が傍に寄り添っていた。
私はそっと双眸を開く。
「あっ……!」
まず驚いたのは、目の前で箒を持った魔女——いや、ムマが悔しげに顔を歪ませ立っていた事だ。歯を食いしばり、私を指差してわなわなと震える。
「ありえない……私の魔力配下の中で、一体何をしたの!?」
「それはこっちの台詞だ。」
横で懐かしい声がした。私は咄嗟にその方を顧みる。
美しい金髪に隙の無い瞳。ムマに負けない程の圧倒されるオーラを身に纏い、月光に反射して輝く剣先をムマの眼前に突き立てる男。
「リンさん!」
「空をこんな異次元に連れ込んで、一体何のつもりだ。こんな作り物で脅すとは、随分と卑怯な真似をするんだな?」
「っ……!」
リンさんは毛先がぼさぼさになった箒を一瞥し、嘲笑した。
ムマは耳元まで顔を紅潮させ、怒鳴る。
「っ、黙りなさい! その女は私達の大切な資料なの! あんた達には渡さない!!」
リンさんはその言葉を聞いて少し吟味し、思い立ったように顔を上げる。
冷徹な瞳はそのままで、口角だけを上げ薄笑いを浮かべた。
「あの変態科学者からの入れ知恵だな?」と聞くと、ムマは頬を火照らせながら黙って頷く。
——何だか素直ね。
先程の傲慢な態度は一体何処へ行ったのやら、リンさんの前では顔を赤らめ恥じているムマの姿を見ると、無性に腹が立つ。そして何故そんな気分になるのか分からない自分自身にも嫌悪感を持ち、私はリンさんに目で訴えた。
——早く帰ろう?
「あぁ、そうだな。女、ここから出してもらおう。」
「……ムマよ。」
ゴスロリの少女はそう言って、ちらりと目の前の剣先を一瞥した。
それに気付いたリンさんは、もうムマに危険性は無いと感じたのか刃を下ろす。
その瞬間だった。
ムマのつり目気味な二重が、カッと見開かれる。目が不気味な赤い瞳へと変色したのを見て、私は小さく悲鳴をあげた。
ムマは大声で叫んだ。
「燃やせ!!」
不吉な予感がして、私は後ろを振り返る。
何の変哲も無い、暗い森。しかしじっと目を凝らすと、奥の方がぱちぱちと音を立て燃えているのが目に映った。
「火が……!」
そんな私の悲鳴と共鳴するように火の気はどんどん高まり、森を覆い尽くす。
このままじゃ私達も巻き込まれる……!
私は助けを請うように横の人物を見る。
——いない?
驚いて敵の方を見ると、リンさんがムマの後ろに回り白い首筋に短刀を添えているのが目に映った。ムマも驚愕に瞳を大きく見開く。
「い、いつの間に……!?」
「悪いが心のうちが丸見えだ。さぁ、早く帰らせてもらおうか。このままでは俺達まで燃やされてしまうぞ?」
ムマは頬を紅潮させ悔しげに唇を噛み締めた。
しかしそれも束の間、急に妖しげな笑みを浮かべ言い放つ。
「——ふんっ、良いわ。新しい指令が今届いたから。
≪天野空を抹殺せよ≫……私は死んでもここを動かない。三人で仲良く、燃え死にましょう?」
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.527 )
- 日時: 2012/11/03 16:26
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんにちは^^
今回も色々キャラのこと考えながら読めておもしろかったですv
ユキってすごく神秘的なかんじがするんだけど、なーんかどことなく怖いんですよね……。なんでだろう。思考が読まれてる感じがするからかな? あと感情出さないからかな?
わりと感情表に出してる光聖くんが一緒にいるからまた際立ってるのかもしれないですね^^
それからヒナが出てきましたね!
戦いに入ってから新しいキャラがいいかんじに入ってきてる中で光聖くんとヒナっていう昔からのキャラが対峙するとなんか感慨深いですね><
ていうかムマ(笑
いや、リンはかっこいいからしょうがないけど(笑)って思ってたら、
空もか!!って内心突っ込んじゃいました(笑
光聖くんのこと忘れちゃだめだよー!!
……次回のリンの活躍楽しみにしてます←
あ、あと光聖くんも応援しております!!
更新頑張ってください(^^)/
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.528 )
- 日時: 2012/11/04 20:46
- 名前: ARMA3 ◆80E.zojjrI (ID: KZXdVVzS)
どうも〜こんばんは!
。。。。100話っ、す、凄いっっ。
おめでとうございます!!
いつも、とあるスレでお見かけするので、どんな小説書いてるのだろかとふと思い立ち、お邪魔いたしております。(お辞儀)
突然ですが、今日から貴公の超長編拝読させていただきますね。
もしかすると最新話にたどり着く前にコメ付けるかもしれませんが、今頃何言ってやがるとかって一蹴しないで頂けるとありがたいです(汗)
全くどうでもいい話ですが、星といえば昨日北の空に流れ星見かけました。去年も3回ほど見ましたねぇ。
全然願い事唱えることできませんでしたが。。。
。。。。書き散らしてしまいました、、、それでは、また〜!!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.529 )
- 日時: 2012/11/04 22:04
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
@友桃さん
ユキは自分の中でもこわーい感じのキャラなので、そう言ってもらえるとホッとします!(笑)
ちなみに感情読めないところが作者の私のツボであったりもします(笑) でもユキやセル、ピアはこれから登場回数がめっきり減ってしまうかも……^^;
ヒナはずっと登場させたかったので、やっと書けて嬉しいです♪
空や光聖君からしたら凄く嫌な子なんだろうけど、何となく憎めないんですよね^^
光聖君の活躍、期待しといてください!
ムマも乙女ですからね(ニヤニヤ
空ちゃん完全に流されていますww ついでに作者も惚れ直しちゃいましt(黙れ
リンはこれからバンバン活躍させます(`・ω・´)
光聖君主人公の座を奪われちゃわないか不安だ……(笑)
コメントありがとうございました♪
@ARMA3さん
わ〜、珍しいお客様が!!
ありがとうございます^^ 地道に頑張っております(笑)
本当に超長編ですが、頑張って読んでいただけると幸いです!
最初の60話位までめっちゃクソ駄文ですが……(苦笑)
コメントまた下さったら跳んで喜びます(*´∀`*) いつでも大歓迎ですよ♪
なんと! 良い事あるかもしれませんね^^
私は流れ星見たことないなぁ……(´・ω・`)
ていうかあの数秒間で願い事言える人いるのでしょうか(笑) 頑張っても「金金金!」ですね(おぃ
コメントありがとうございました!!
またいらしてくださいね♪
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.530 )
- 日時: 2012/11/11 06:03
- 名前: ARMA3 ◆80E.zojjrI (ID: 7lLc0QEy)
どうも〜、お邪魔しております。
今41話まで読んだところです。
きりのいいところでコメしようと思ったんですが、、、、話の区切り方が絶妙ですねぇ。。。(笑)
ダブルデートが決まったところでコメするつもりが、あれよあれよと41話まで。。。
ダブルデート、大変でしたねぇ。
言葉にはでない駆け引きの応酬というか、この微妙な空気感、思わず唸ってしまいました。
デートのシーン以外でも空と友人たちとのやり取りの部分、言葉で以外にも目や仕草で会話してるとこまで感じられて、とても魅入ってしまいました!
今後の展開、とても楽しみです!
気が早いですが、この話の展開で「戦争」という章にどうやってつながっていくのだろうと、とてつもなく気になります。
それでは、引き続き読んでまいりますので。。。
失礼しました〜!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.531 )
- 日時: 2012/11/11 18:06
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
@ARMA3さん
コメントありがとうございます^^
話の区切り方ですか! 初めて言われたかも(笑)
41話って何処らへんだっただろう、と今確認しましたが……昔の文章見るのってとてつもなく恥ずかしいですね! 穴の中に入りたい気分です^^;(笑)
小説、順調に読み進めているようですが、途中で心が折れてしまわないか心配です(´・ω・`)
急に描写とか文字数やたら増えてきますので(笑)
『戦争』の繋がり方は……楽しみにしといてください♪
急に方向性が変わって驚くかもしれません(笑)
焦らずゆっくり読み進めていってくださいね^^
改めてコメントありがとうございました!!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.532 )
- 日時: 2012/11/23 12:04
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
16章 102話「震撼」
北軍 草原 キラ——
「ねぇピア?」
私は怪我人の手当てをしていたピアに呼びかける。
せわしなくあちこち動き回っていた少女はいったん足を休ませ、小首を傾げた。
「なんでしょう?」と尋ねるピアに、私は申し訳ない罪悪感で一杯になりながら手を合わせる。
——怪我人が少なかったのが幸いね……。
そう思って、口を開いた。
「あのね……ピア。私、どうしてもハクの事が気になるの。」
ここを去る前何度も念押しされた、あの言葉。そして去り際に見せた、寂しそうな瞳。
あんなハク、初めて見た……。
何だか、放っておいちゃいけない気がする。心なしか背筋も寒い。
ピアもその事については同感だったようで、表情を曇らせて頷いた。
「そうですね……あたしも先程のハクさんは不自然だったように思います。」
「やっぱりピアも? ……私、ハクを追って南軍の方に行こうと思う。
だからお願い! ここを任せても良いかしら?」
少女は一瞬驚いたが、すぐに柔らかく微笑んで言った。
「もちろん、任せて下さい。怪我人も少ないですし、これならあたし一人で大丈夫。それに……嬉しいんです。こんな非力なあたしに頼ってくれて。だから頑張ります!」
「……ありがとう。じゃあ行ってくる!!」
「はい。あたし達も準備が整ったら、政府塔を目指して再出発しますね。キラさん、気をつけて!」
頼もしく破顔してピアは私を見送る。
あの臆病なピアがね……。
私は小さく笑って駆け出した。目指すは南軍だが、そう遠くないようである。戦っている内に移動したのだろう、西の夜空に赤と青の火花と雷光、そしてぶつかり合う力の奔流が見えた。
そんな彼らの真上で、白く輝く満月が辺りを照らしている。
時刻は、間も無く三時になろうとしていた。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.533 )
- 日時: 2012/11/23 12:05
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
南軍 空中 ウル——
俺達は戦い続けた。遠距離で赤と青の火の玉を投げつけ攻撃し、またある時は拳や蹴りで応戦する。それに対してジオは華麗にかわし、思い出したように突然空に黒い雲を出現させ、稲妻で俺達を苦しませた。勿論傷を癒す事も忘れない。
くそっ……雷を自在に操れて、自己再生も出来るなんてセコすぎるだろ……!
俺達も互角にやり合ってはいるものの、強敵なだけに体力の消耗が激しい。一方執事もどき野郎は、疲れとかそういう物が一切無いらしくピンピンしてる。そんでもって不死身ときた。
こりゃあ本気でやばいな……。
俺は青い火の玉を投げつけ舌打ちする。
ジジイ達は一体なにをしているんだ? 本拠地でのさっきの爆発……援軍も遅れないくらい酷い状況なのかよ!?
「レオ! 繋がったか!?」
「いや、まだだ……何度も“思念”を飛ばしているんだが……くそっ! これだから老いぼれジジイは!」
レオは再度“思念”と飛ばし悪態をついた。ちなみに“思念”というのは自分の意思や言葉を相手に伝えられる一つの技だ。しかし互いの脳波を知る者しか出来ない高度な技術なので、使える者も限られる。反乱軍で言うと空ちゃん以外の東西南北リーダーは皆、戦争時にこれを使い、状況を把握したり情報交換をしている。ジジイとグロさんはこれでいつも会話をしているらしい。
その時、突然ブツッと音が飛んだような雑音が聞こえた。同時にレオが目を見開き、歓喜の声を上げる。
「繋がった!」
「よっしゃ!」
俺も“思念”を本拠地の方へ送る。すると脳内に懐かしい砂嵐のようなノイズ音が流れ込んできたので、俺はじっと様子を窺っているジオに構わず宙へ拳を突き上げた。
『誰が老いぼれジジイじゃ、こら。』
「聞こえていたのか……」
レオと俺は顔を合わせて苦笑した。ようやく体の力が少し抜けた気がする。
そして口を噤み表情を硬くして、心の中でガルに今の状況を伝えた。『他の戦員は?』と問われたので、ジオに最新の注意を払いながら周囲を見渡す。
少し離れた所に二匹の黒い犬と南軍はいた。しかしその空の上で様々な色の火の粉が散りゆくのを見て、俺は背筋が凍る思いがする。ざっと南軍の残った戦印を目で追ってみたところ、最初の三分の一にも満たない。その上、敵の犬はまだ二匹残っていた。
「くそっ……こっちに集中して南軍の事が頭になかった……!」
俺は歯を食いしばって歯軋りした。
家族が待っている奴らも大勢いたのに! 皆にどんな面下げて会いに行けってんだ……!?
レオも頭を垂れて悔しげに顔を歪ませる。
「俺達、司令官失格じゃねえか……!」
と、急に頭上をどんよりとした雲が覆った。
それに気付いたときにはもう遅く、稲妻が一閃、雷が俺達の体を貫く。
「「ぐあっ!?」」
「君達、俺を忘れないでくれよ。楽しませてくれるんだろう?」
そう言ってジオが不吉な笑みを浮かべ、最後の止めを刺すべく近づいてきた。
俺はというと完全に紫電を直撃し、体中感電して痺れてしまったのかあまり身動きが取れない。目の前もチカチカして、立ち上がるのがやっとだった。
やばい————!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.534 )
- 日時: 2012/11/23 12:06
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
- 参照: ウル—————っ!!(泣)←
その時だった。
俺の後方から小さいナイフが飛んできて、ジオの右肩に当たる。
不意をつかれ右肩を負傷したジオが眉間に皺を寄せた。しかし新しい敵の介入に喜びを隠せない様子だ。何処か楽しげな声色で尋ねる。
「……誰だ?」
「なるほど……確かに再生が早いですね。流石『銀河の警官』の最高執行部隊隊長、と言った所でしょうか?」
俺のすぐ後ろに、その声の主はいた。
流れるような白い髪をかきあげ、いついかなる時もその幼い顔に笑みを絶やさない彼を見て、俺は言い知れぬ安堵感で胸がいっぱいになるのを感じた。
ハクは苦笑しながら、それでも冷静に敵の能力を探る。
と同時に本拠地の方から再び“思念”が送られた。
『たった今北軍が第一敵軍を打ち倒した様での。そちらにハクを寄越した。援軍が来るまでの時間稼ぎに過ぎぬが……』
(ハク一人で充分。サンキュー、ジジイ!)
『うむ。これ以上兵士達を減らしてはならん。ハクと力を合わせ、頑張るのじゃぞ。』
そう言うとガルは慌しく“思念”を断ち切った。本拠地も大変なようだ。
でもあの老いぼれには感謝しなくちゃな。ここでハクが来てくれたのは、かなり心強い。
ハクは小柄だが持ち前の冷静な洞察力と頭の切れの良さで、技を外すことはほとんど無い。また、動きもすばやく敵の攻撃を華麗によける。小さいからと言って侮ってはいけない、反乱軍にとって自慢の戦士なのだ。
そんな彼はふわりと微笑んで言った。
「貴方方がところ構わず火花を散らすものですから、見つけるのにさほど手間はかかりませんでしたよ。しかし大袈裟に力を振りまくのは、やめてほしい所ですね。」
「ははっ、相変わらず優等生ちゃんはキビシーや。」
「ま、全力で戦っていた事は否定しねーけどな!」
「それと……南軍だというのに西の方にどんどん移動していますよ? まぁ、運がよければ西軍の援護を期待出来そうですが。」
ハクは溜息混じりにひとつずつ注意してゆく。しかし本気で怒っている様ではなく、むしろ楽しげだ。その顔が、不意に引き締まった。
それが合図となったかのように俺等はジオの方を向いて、再び構える。
ジオはけだるそうにそれを見つめ、何の感情も無く吐き捨てるように言った。
「どうせ一人増えた所で何も変わりはしない。」
「ハクを舐めたら痛い目見るぞ?」
俺は真剣な顔で敵に忠告する。そして地を——いや、宙を蹴り加速して走り出した。
「ハク! 作戦A、奴の心臓を狙え!」
「了解。」
俺とレオはそれぞれ左右に移動し、ジオを真ん中に挟み撃ちのような形になった。
ハクは正面から、最も良いタイミングを見計らい心臓を小刀で狙う。
双子の雄叫びが重なった。俺達は先程の雑談時からこっそり溜めていた青い火の玉を、なげるのではなく直接奴の左胸に打ち込む。
赤と青の炎が融合し、紫色の禍々しい力の奔流が弾けた。
それは僅か数秒の出来事だった。ジオは鋭い痛みに、群青の瞳をかっと見開く。しかしそれも束の間、その目を細め軽蔑した瞳で俺を見据えた。失望したような顔で、声を低くし言う。
「お前等こそ、どこに目つけているんだ?」
「なに……?」
「ウル!!」
俺はジオの言葉が理解できず、間抜けた声が出る。と、レオが驚愕に目を大きくし、俺の名を叫んだ。
何だよ、そんな大声出して……ははっ、そんな地獄でも見たような顔すんなって。
そうレオに声をかけてやりたかった。しかし上手く言葉が出ない。
自分の腹を襲う激痛に気がついたのは、少し遅れてからだった。
「————っ!?」
突如襲った激しい痛み。まるで横っ腹全てを抉り取られたような錯覚を覚える。
やべぇ、立ってらんねぇ……。
朦朧とする意識の中、何か異質な物が腹を貫通している事だけは馬鹿な俺にも分かった。
突然、ぐらりと視界が傾いた。足に力が入らない。そのまま空中に足場を作る事すら出来ず、ただ重力に身を任せ落下していく。
意識が消えゆく狭間に見えた、レオの顔。遠ざかる双子の瞳は、怒りと憎悪に燃えていた。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.535 )
- 日時: 2012/11/29 11:53
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
ウル——っ!!(泣;
って心の中で叫びながら更新分もう一度見返そうと上の方にスクロールしていったら、朱雀さんも同じこと叫んでました(笑
やばいです、なんかみんなかっこいいですv
ウルがやられたあとのレオとか……っ
続きが気になるよぉ(泣;
てか南軍のことが頭から飛んでたレオとウル(笑 ちょ、司令官!!って突っ込んじゃいました。それだけジオとの戦いがぎりぎりの状態だったんだろうなぁと思いつつも、やっぱりそれはまずいだろ司令官!!笑
南軍どうなっちゃうんでしょうか。すごく強そうなハクが頼りですね><
それとピアが健気でかわいかったです。「……嬉しいんです。こんな非力なあたしに頼ってくれて」のところが特にv ピアがんばれ!
更新楽しみにしてます^^
また来ますねーv
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.536 )
- 日時: 2012/11/29 18:50
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
@友桃さん
今回は3つに分けて文字数もそれなりにあったので、結構読むの大変だったと思います……毎回丁寧にコメント下さって本当に感謝してもし尽くせません!!
毎回、コメントありがとうございます♪
正直言うと南軍の事はレオとウルじゃなく私が忘れていて(笑)←
でも今更書くの面倒だなぁ、それに黒い犬との戦闘シーンも増やしたら自分のネタが尽きるなぁ、という事で急遽不甲斐ない司令官のせいにしました(おぃ
レオとウルも、ジオと黒犬相手にしてたらとっくに倒れてるし(´・ω・`)
ハクは——最後の方でハクの描写が一切出ていない所がポイントです!
これから誰がこの窮地を救ってくれるんでしょうね……(遠い目←
ピアは途中で脇役にあがったキャラですが、とてもお気に入りです♪
小柄で健気なところが可愛いですよね(*´∀`*)
これからも頑張ります^^
コメントありがとうございました!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.537 )
- 日時: 2012/12/13 19:00
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
16章 103話「継承」
東軍 シャイニア 光聖VSヒナ——
「さよなら」
そう言ってヒナは引き金を引いた。
パァン————
銃声音と共に眩い閃光が辺りを照らす。その銃弾が僕に届く僅かな間、僕はあまりの急な攻撃にそれを躱すことはおろか、身を守ることすら出来なかった。
やばい——!
その時、目の端にちらりと大きな手が見えた。光で形作られた僕の2倍程の大きさを持つ手が、僕を突き飛ばす。
「うわっ!」
その衝撃に僕は数十センチ宙へ浮き、勢いよく尻から落ちた。
と同時に、僕のすぐ目の前を弾丸がかすめた。そのスピードは落ちず、むしろ加速して先程僕が立っていた真後ろの木を貫通する。するとその木は幹がとても太かったにも関わらず、ミシミシと音を立て横に倒れた。
あれが自分に当たっていれば……そう考えると身の毛がよだつ。僕の頬を一筋の冷や汗が伝った。
ヒナは舌打ちをして苦々しげに毒づく。
「ちっ、一発目で確実に仕留められると思ったんだけど……ふん、腕を上げたようね。あれを回避するなんて、なかなかやるじゃない。」
心の底から残念そうに話すヒナの顔には、挑戦的な笑みが貼り付いていた。
次こそは。
ヒナの瞳で燃え滾る赤い炎は、そう僕に言い放っているようであった。
しかし今のあれは僕の力じゃない。強大な力を持つ何らかの者——僕にはそれが何なのか、既に察しがついていた——が干渉してきたに違いなかった。先ほどの巨大な手が僕を突き飛ばしていなかったら、きっと今頃死んでいただろう。
ヒナが弾丸を入れ替える。一度に何発か撃って僕に傷を負わせようという考えだ。
先ほどの威力を持つ銃弾が何発も……。
ヒナが再びトリガーに手をかけた。僕は盾を強く持つ。そして大気の流れを感じ取りながら力を込め、盾をもっと鋼鉄なものとした。
「くらえっ!」
ヒナがトリガーを引いた。その銃口から放った数弾が、凄まじい速度で僕に襲いかかる。
一発目は間一髪で避けた。
二発目からは盾で防ぐ。
しかしそこで、僕は信じられない光景を目にした。
「嘘だろ……!?」
盾で防いだ弾丸は全部で四つ。
そのどれもが、頑丈な盾に激突した後も地に落ちず、そのままの威力と速度でいる。つまりその圧倒的な弾圧と破壊力で、銃弾が盾に食い込んでいるのだ。
その驚異的な威力に、僕は盾から手を離しそうになる。ビリビリと大気が震えている。“戦争”という空気に、完全に飲みこまれそうだ……。
その時。
先程感じたあの温もりが、再び僕をそっと包み込んだ。その雰囲気はどことなく輝さんに似ている。
僕は確信した。
この感覚は、一度ナツ達に捕まった時不思議な声と共に体に宿ったあの力——しかしその時よりも、少し力は弱々しい気がする——だった。
何者かからの加護を受けた僕は、盾に再び力を込める。次はもっと強く、弾丸を撥ね飛ばすように。
すると僕の念が伝わったのか、盾が形を変えた。
「えっ?」
それはどちらの声だったろうか。もしかしたら、両者かもしれない。
何の変哲もなかった平凡な盾が、ほんの一瞬で見違える程立派になった。面積はさっきの三倍くらいになり、煌々とした聖なる光を放っている。
僕はそれを持つ手に手応えを感じて、満面の笑みを浮かべた。
そして銃弾を押しのけるように、腕をぐっと前へ突き出した。
弾丸は最後の抵抗とでも言いたげに、小規模な爆発を起こす。しかしその爆風も、この盾の前では無力同然であった。
「ぐっ!」
代わりにその風が跳ね返り、ヒナは全身で強風を受ける。
『——アステルよ……』
とその時、重くて厳かな声がした。
脳内から、というよりも心の奥から響くような感じ。激しい既視感が僕を襲う。同時に、ヨーロッパの街並みと教会が鮮明に浮かんだ。
『我の力も残り少ない……これを主にしばしの間授けよう——。』
勿論ヒナの声ではない。また、味方から送られてきた“思念”でもない。
教会から脱出するとき力を貸してくれた、何者かの声だった。
僕は体の奥底から不思議な力が沸き起こってくるのを感じる。圧倒的な力が漲り、心臓は高揚する。
『我が国を……我が民を助けてくれ。政府等の最上階で待っている————』
『幸運を』。最後にそう呟いて、声はぱたりと聞こえなくなった。
きっと先程の大きな手も、盾が変形したのも、不思議な声の主の力だ。
ありがとう。僕は心の中で言う。絶対に貴方の国を守ります——。
ヒナは僕の身体から迸る力の片鱗を感じ取り、不敵な笑みを浮かべた。
「ふん、やっと本調子ってとこかしら? それに、そうじゃないと楽しくないわ。どうやら“あの力”も手に入れたようだし……こちらもやっと本気を出せるってところね!」
ヒナは楽しげに口で弧を描き、勢いよく地を蹴った。いつの間にか手に短剣を握り、僕に向かってくる。
「望むところだ!!」
僕も体内から滲み出る絶対的な力を、盾——今はもう縮小してしまったが、この力があれば変幻自在だろう——と太刀に注ぎ込んだ。
ヒナには絶対に負けてはならない。
僕にはまだ使命がある。こんな所でくたばってたまるか。
僕も地を蹴った。
武器をしっかりと握りしめ、敵を見据えて。
次の瞬間、『アステリア』に住む人々は皆、『シャイニア』近辺の小さな丘を顧みたと言う。
そしてそこには竜巻のような爆風と、その中でそれぞれの想いを乗せ刃を交わせる二つの影が——。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.538 )
- 日時: 2012/12/13 19:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: Uc2gDK.7)
こんばんは♪
103話どうでしたか!?
本当は空ちゃんとリンさんも書きたかったんですが、光聖君がかなり幅取りましたね(笑)
次はまたウル視点で始まります♪
ずっと私の書きたかったお話にそろそろ突入なので、筆がとても進みます(`・ω・´)
だけどテスト勉強とかで忙しくて><
てか明後日から期末だー!!(何故ここにいるw
勿論現実逃避です☆←
はい、ちゃんと勉強頑張ります゜(゜´Д`゜)゜
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.539 )
- 日時: 2013/01/10 11:58
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: ウルがカッコよすぎる件。
16章 104話「甘えと決別」
南軍 空中 ウル——
遠くなっていく意識の狭間、落下する俺の背を誰かが優しく抱きかかえた。その細い腕と俺の顔に覆いかぶさるくらいに長い髪から、女性だと分かった。
へへっ、死に際をレディーに助けられるなんてな。かっこわりーぜ。
俺は傷口を広げないように慎重に腕を動かした。横で女が何か言ったが、なにせ頭の中でけたたましく鐘が鳴り響いているもんだからよく聴こえない。
まるで得体の知れない生物の赤ん坊に触れるように、俺は横っ腹を探った。不思議と痛みはあまり感じない。人間はナイフで肉体を刺されたらおびただしい量の血を流すらしいが、ここの住民は元々光のような存在なので火の粉を散らすだけだ。
あったかい。
傷口を触って、俺は一番にそう思った。そしてまだ突き刺さっていた短剣を引っこ抜こうとする。
すると女が慌てて俺の手を払い除けた。
「駄目よ、下手にしたら傷が開いちゃう。私がやるから。」
「おう……ってぐえっ!?」
「ごっ、ごめん! 痛かった?」
痛いも何も……雑すぎるだろ。俺がやった方がよっぽどマシだったかな。
女が躊躇なしに刀を抜いたので、その激痛に再び疼く腹をさすって俺は苦笑した。と言っても苦笑いの顔になっているか非常に疑問である。表情筋までもが正常に作動していない気がする。
すると今度は、今ので少し目が覚めた俺の頬に、突然大粒の雫が降ってきた。
——雨か?
そう思って空を仰いだが、そうでは無かった。
女が肩を震わし、泣いている。ナイフをじっと見つめ、その形が見覚えのある物だという事を受け入れられずに、唯々泣いている。そんな彼女は、俺のよく見知った相手だった。
「嘘、だよね……?」
女がポツリと呟いた。まるで俺に語りかけるというよりも、自分に言い聞かせる様に。
「だって、こんなの、ただの悪い夢よ……あの子が絶対、こんな事するはず、無いもの……! 私は、いつだって、ずっと信じて————」
「キラ。」
俺は、思考の歯止めが効かなくなって濁流のように言葉が溢れ出すキラを制した。息絶え絶えながらも意外と声が出たので、少し安心する。
腕を精一杯伸ばしてキラの肩を掴むと、彼女は何に怯えたのか体を固くした。
そしてまだとめどなく溢れる涙をもう片方の手で拭ってやり、微笑む。
「俺のことは良いから……行ってこい。あいつなりの考えがあるかもしれねぇし、もしかしたらお互い勘違いしているのかもしれねぇ。」
「でも傷が——」
「こんなんで俺様が死ぬと思うか? へっ、自力で治すよ。……だから泣くな。」
「ウルぅ……」
「ちょっ、おい、何でまた泣く————ゲホッ、ゴホッ。」
突然息が苦しくなって俺は身をよじり大きく咳込んだ。キラは慌てて応急処置をするが、腹の痛みはむしろ先ほどよりも酷くなる一方だ。しかし俺はぶり返してきた腹痛を隠し、無理に微笑んで言った。
「……早く行けって。レオが一人で可哀相だろうが。」
「うん……。」
それでもまだ決心がつかないようだ。
俺はそんな彼女を鼓舞するため、今度は声を張り上げた。
「お前が戦場に出ることで助かる命がいっぱいあんだ!! 俺一人の命なんて安いもんだろ?
……全て終わったら、思い切り俺の腕の中で泣けって。」
「…………バカ。」
キラは複雑な笑みを浮かべた。
すると今度は俺の傷口を手当することもなく、すっくと立って俺に背を向ける。そして地を勢いよく蹴り、高く跳躍した。
吸い込まれそうな深い闇に、キラの真紅の髪が月光と共に鮮やかに目に映る。
また気が遠くなってきたので、俺は静かに目を瞑った。
最後にキラが呟いた言葉が、頭の中で反響する。
(————「ありがとう」————)
「ふっ……」
相棒、悪いが少しだけ寝させてくれ。代わりに頼もしい奴送っといたからよ。
あとキラ、やっぱ前言撤回。
どうやら傷がまた開いちまった。さっきは自力で治すとか言ったけど、無理だわ。
あぁ……誰か、
もっとましな応急処置をしてくれ。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.540 )
- 日時: 2013/01/09 10:58
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
めっちゃ更新されてたー!!
光聖くんかっこよかったです! すごい主人公っぽい!v
あとウルとキラににやにやしちゃいましたv←
今回もなんだか盛り上がりがあって面白かったです。ウル達のほうがこの先どうなるのかがすごく気になりますー!
更新頑張ってください(^^)/
続き楽しみにしてますv
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.541 )
- 日時: 2013/01/09 20:24
- 名前: 黒田奏 ◆vcRbhehpKE (ID: u83gKCXU)
こんにちは。黒田奏といいます。
複雑・ファジー板の私の小説にコメントを下さり、ありがとうございました。
まだ途中までしか読めていませんが、コメントさせていただきます。
主人公の純粋さがよく伝わってきました。
良くも悪くもとても真っ直ぐな性格で、好感が持てます。
物語も、序盤から発想が斬新で読んでいて楽しめます。
描写に関しては、最初に最新話を拝見させていただきましたが、著しい成長が見て取れました。
少なくとも二年前から書かれている、ということも併せて、努力が伝わってきます。
素晴らしいと思います。
これからも、無理をなさらない程度に、更新頑張ってください。
楽しみにしています。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.542 )
- 日時: 2013/01/10 10:39
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
@友桃さん
光聖君は本当に久々に書くので、なるべく主人公らしさを出そうと頑張ってみました。そう言ってくださってホッとします^^
私もにやにやしながら書いていました←
104話は、なるべくウルを刺した人物がすぐに分からないように、控えめ(?)な伏線を貼るのにとても苦労しました……;
このまま盛り上がりが次にピークになると良いな、と思います。頑張ります!
コメントありがとうございました^^
また来てくださいね♪
@黒田奏さん
まさか読んでくださるとは……!
こうしてコメントもくれて、とても嬉しいです。ありがとうございます(*´∀`*)
てかお褒めの言葉ばっかりで、恐縮です:(;゛゜'ω゜'):
そう言ってくださると、二年頑張った甲斐ありますね^^ 描写に関しては、まだまだ未熟ですのでもっと高めようと思います。
黒田さんも、何しろ長編ですので無理のない程度に読みすすめてください^^
更新頑張ります!
コメントありがとうございました♪
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.543 )
- 日時: 2013/01/26 17:52
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
16章 105話「黒駒」
東軍 空、リンVSムマ——
森をどんどん燃やし続ける炎が、私の瞳に映った。それはまるで大きな口を開け牙を剥き、私達を食べようとする魔物のように見える。
赤い。
ただ純粋にそう感じた。どこまでも赤く広がる炎に、私は完全に気圧される。足が竦み、そこに釘を打たれたようにじっと動けずにいたがそれも数秒、ムマの後ろでナイフを構えていたリンさんが私に向かって叫んだ。
「空! 何でも良いから、身を守れるような大きなものを想像しろ!」
「えっ?」
何故だろう——?
一瞬様々な疑問が頭を過ぎったが、考えている暇もない。今の私の突破口は、リンさんだけなのだから。
火に強いもの。勝てるもの。
それはすぐに思い浮かんだ。私は迫り来る炎をじっと見据え、胸の前で腕を伸ばす。そして手の平を前に向け、お互いの親指と人指し指で三角形を作るようにし、強くそれを念じた。
何となく、出来る気がする。そう、体の奥底から未知なる力が溢れ出して……。
思った以上にそれは簡単に出来た。
炎が私の手に触れようか触れまいかの間一髪の時、私はすっと周りの気温が二、三度低くなったような錯覚に囚われる。
「やった……。」
急に力が抜けた私は、その場にへたり込んだ。その頭上を、激しい炎が舐めまわすようにして森を燃やしてゆく。
しかし私は不思議なくらいに何もない。後ろを振り返ると、同じように無傷のリンさんがとても近くに立っていて、少し驚いた。
リンさんは切れ長な美しい瞳で周りを見回す。
「まさかこんなに丈夫な氷のドームを顕現させるとは……これなら当分安心だな。」
次に私を見て優しく微笑んだ。
「空、お前のお陰で助かった。」
「で、でも私、何もしてないよ……!?」
ありえない。
私は真っ先にそう思った。
私の頭を優しくなでる大きな手。その手がリンさんの物だという事実を飲み込むのに数秒かかり、これが夢じゃないと信じるのにも数秒かかった。
そしてようやく動いた私の口がポツリと呟く。
「……リンさん、優しくなったね。」
「そうか?」
リンさんはわざととぼけた顔をした。
そこには私の学校に転校してきた時、女子の恋文を破り捨てた冷酷な面影はない。今のリンさんなら、もう二度とああいう事はしないのではないだろうか。
ふっと先程のリンさんを思い出し、まだ頭部に大きな手の温もりと感触がある事に気づいて、私は顔が熱くなるのを感じる。頬に手を当て一人動揺していると、少し拗ねたような表情のムマが目に入った。
「何よ、二人でイチャイチャしてくれちゃって……。ここは私の世界なんだからねっ! この氷だって、私が消そうと思えば消せるのよ!?」
「それは嘘だな。」
ムマの少し脅しが入った言葉に、リンさんが冷たく言い放つ。
ムマが少し「うっ……」と怯んだのを見逃さずに、彼は続ける。
「この世界で夢主はお前と同等の能力を使えるようだ。つまり空がこのドームをいらないと思わない限り、これが消えることは無い。違うか?」
「——何でっ、いつから分かったの!?」
「『銀河の警官(ギャラクシー・ポリス)』に所属していた時から、人の夢の中に入りその空間を操れるものがいるという話は聞いていた。その情報はあくまでも信憑性に欠ける物だったし俺も信じてなどいなかったが、空にここに呼ばれた時、それが確信に変わったんだ。お前の能力の正体もな。」
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.544 )
- 日時: 2013/01/26 17:55
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
リンさんの弁舌に、ムマが唇を噛み締め俯く。
えーっとつまり……ここは私の夢の中? で、私とムマさんの思い通りに操れる、って事?
「まぁそんなところだ。」
リンさんが次に私に向き直って言った。また心を読まれていたのだろうか? そう考えるとあまり良い気はしない。
「ここはお前の夢の中だ。だがここは感覚があるし俺も実体のまま召喚されたのだから、夢に擬似した異空間が正解だな。
それと夢はコントロールできるという話を聞いた事はあるだろう? 俺がここへ来れた理由やこの氷のドームも、ようは空が全て望んだからなんだ。」
「あぁ、それで……」
妙に納得する。思えばさっきのお菓子の家や魔女も、全て自分が一瞬でも考えた物達だ。
「つまり……ムマさんは、夢に入った人達が一度は考える悪いものに化けて驚かしていたの?」
「そーいうこと。まぁ驚かすことが目的じゃないけどね。
人は誰だって、知らないところに一人でいたら悪い想像をするものよ。それに化けて主導権を握ればこっちのもの。あそこで人を召喚させるとは、思ってもみなかったけどね。」
ムマは苦笑してそう答えた。
そして急に私に近づくと、胡乱な視線で瞳の奥をじぃっと見つめる。
「それにしても……あんた本当に人間の子? 特別な力とかは今のところ感じないけど……私だってこの世界に生物をそのまま召喚させるのは難しいのに。それにこの氷のドームも、普通の人間じゃ何人いてもこんなに立派に作れないわ。
やっぱりH・F様に差し出したほうが、良いかもしれない。」
「えっ。」
「そうはさせない。」
リンさんが私の腕を掴み、自分の元へと引き寄せる。
それを見たムマは呆れたように溜息をついた。そして腰に手を当て、まるで聞き分けのない子供に言い聞かす母親のように、一言一句ゆっくり話す。
「分かってるの? ここは、私が作った、世界。その子を連れてきたのは、私。ここから出る方法を知るのも、私だけよ。」
「ぐっ……。」
「それか、ここで戦争終わるまでじっとしていようか? うん、それが良いわ!」
ムマは手を打って破顔した。どうやら本当にそれが最良だと思っているようで、パチンと指を鳴らし可愛いピンクの丸テーブルと椅子を三つ出現させる。そして優雅にお茶を飲み始めた。
そんなムマの姿に私たちが唖然としていると、ムマはなんでも無いようにお茶を勧めてきた。
「あんた達も座れば? ほら、お菓子もあるし。お腹空いているでしょう?」
「……うん!」
実はずっとお腹が減っていたのだ。耐え切れなかった私はムマの横に座って、お菓子の山に手を伸ばした。マカロンだ。
一口食べると、濃厚な苺の香りが口いっぱいに広がった。おもわず顔を綻ばせる。
すると横にいたリンさんも渋々ピンクの椅子に座り、呆れた顔で言った。
「分かっているのか? 俺たちは敵同士なんだぞ。それにこっちはこんな所でお茶している場合じゃないんだ。」
「わっ、これ美味し〜い!」
「こっちにクッキーもあるわよ。」
「……人の話を聞け。」
リンさんが顔を顰め困っているのを見ると、ムマは可笑しそうに小さく笑い「大丈夫よ」と自分の能力の説明をし始めた。
それによると信じられない話だが、ここでの一時間があちらではたったの一分なんだそうだ。
「聞いた事があるでしょ? 私達が覚えている夢っていうのは、起きる直前、それも一秒にも満たない時間に見ているの。ここも要は同じ話よ。だからゆっくりしていけば良いわ。
それに私は、あんた達を殺そうなんて思ってないし。」
「……何故だ?」
これには少し面食らった。リンさんも不思議そうに聞く。
でも確かに、さっきまでは凄いさっきで魔女に姿になってまで私を追っていたのに、今のムマからは戦意すら感じられない。考えてみればリンさんが来てから、少しずつ物腰が柔らかくなったように思う。
……何だか妙な気分だ。
当のムマは指を唇に当て、考え込むように唸る。それを見て本当は理由なんて無いんじゃないかと思った。先程からの言動を見ても、かなり気分屋のようだし。
「う〜ん……正直言うと私、この戦争どうでもいいのよね。生活に不都合があればここに来ればいいし、この珍しい能力のお陰でそれなりの待遇は受けられるし? だから別に、あんた達のこと殺す必要ないもの。」
「……じゃあ、どうして戦場に?」
「面白そうだったから。」
開いた口が塞がらなかった。
リンさんやヒナさんは仕事にとても真面目だったけれど、ムマを見ていると最高執行部隊なんて名だけで本当は能天気な人達の集まりなのかな、とか思ってしまう。本気になったら強いんだろうけど。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.545 )
- 日時: 2013/01/26 17:55
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
……そういえば、最高執行部隊って何人くらい居るのかな。
「あの……質問いい?」
「何でもどうぞ。」
「その、最高執行部隊って、何人くらい居るの?」
「えーっと……五人? あ、シャドーが三匹いるから八人なのかしら。でもシャドーは——の下僕だから……やっぱり五人ね。」
「え……?」
聞き慣れた言葉を耳にした。
その名前が、何故今ここで出たのか。しかもムマはその人が、最高執行部隊の“シャドー”とか何とか言うものの、主だと言っている。
咄嗟にリンさんの顔を伺うと、リンさんもショックが大きいようで暫くムマの顔を凝視していた。そして次に額に手を当て、重苦しい溜息をつく。
一瞬でその異様な雰囲気を作った張本人のムマは、ようやくその原因に辿り着いたようで、「あっ」と口に手を当てた。そして少しの悪びれもなく、
「ごめんなさい、これは企業秘密だったわ。でももう話しても良いでしょ? そろそろ彼も動いている頃だし。」
「え、ちょっと待って……どういう事……?」
頭の整理がつかないと言うよりも、私の体がその事実を受け入れられない。
もしかしたら単なる聞き間違いかも……。
そう思い込もうとしたが、リンさんの渋面を見れば聞き間違いでないことは容易に見て取れた。
ムマの代わりにリンさんが、重い口を開いて言う。
「……つまりスパイだったんだ。
ずっとおかしいと思っていた。何故政府軍は、反乱軍が今日戦争を決行することを知っていたのか。そして何故それが始まる前に、大規模な爆発を、それも一部の者しか場所を知らない反乱軍本拠地で起こせたのか……。」
「つまり反乱軍の情報をその人が、裏でずっと政府軍に伝えていたって事……!?」
目の前が真っ白になった。
スパイ——そんな風に彼が見えた事など無かったし、彼も私にとても親切に接してくれた。それに、あの優しい笑みでいつも場が温かくなったではないか。
それも全部、嘘だったの————?
「ムマさん、もう一回その人の名前言って? ちょっとまだ、信じられないから……。それにもしかしたら、ただの聞き間違いかも……。」
言いながら、自分は今更何を言っているんだろうと思った。
でも、やっぱり希望は捨てきれない。
ムマは困ったように眉を寄せ、口を開く。
「だから、反乱軍の黒駒は————————ハクよ。」
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.546 )
- 日時: 2013/01/26 18:12
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
遂にやってしまった……あぁ、読者様の反応が怖い(;´Д`)
お久しぶりです、朱雀です。
十五日ぶりに更新です。最近ちょっと更新率高いのかもしれない。
久々にノート7ページ分書きましたぁ;
7ページともなると書く方も読む方も疲れますね。ごゆっくりお読みください^^
今回は文字数的にすると4500字ちょっとですが、台詞が多かったので読みやすいかと!
でも困りましたね。どうやら空ちゃんとムマのペアは話が進みにくいようです。リンさんを入れてもどうにもなりませんでした(笑)
それで最後の方ですが、本当は次の話で暴露しようと思っていたのですが、何か知らないうちに本編でお茶会が始まったので、じゃあもうムマがポロッと言っちゃおう! と(笑)
ムマのキャラは意外に書きやすいです。でもちょっとキャラがブレる傾向が……(´・ω・`)
どうやって夢の世界から出ようか今思案中です。本当は今回出る予定だったのになぁ。
そして相変わらずリンさんがかっこいいです♪
もう彼お気に入りなので、何でもさせたくなっちゃいます。そのまま空をお持ち帰りして欲しいくらいです←
もうね、正直言って光聖君よりリンさんと空ちゃんがくっつけば良いなぁとか思っています。光聖君の立ち位置危うし!!(((゜Д゜;)))
次はレオの方を書こうかなぁ。
キラとハクを書くのが辛いですね>< PANDA。さんお気に入りの二人なのに、最新話読んだら怒られそうだ(笑)
でもかなり前から脳内で温めていたシーンでもあるので、気合入れて書こうと思います!
そのためにももっと腕を磨かなきゃ!!
そういえば受験は丁度1週間後。
勉強もちゃんとして、定期的に小説も書きます(`・ω・´)
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.547 )
- 日時: 2013/01/27 22:52
- 名前: ARMA3 ◆80E.zojjrI (ID: KZXdVVzS)
こんばんは〜
本日は、わたくしめのスレにコメントいただきまして、本当にありがとうございますっ
前の小説紹介は戦争の章に入って間もなくのところで書いたので、全部読んだものを改めて載せる予定です。
で、話の始めのほうの記憶が怪しいので、最初から読み直してるところです。。。(汗)
先に最新の話、ざっと目を通しましたが、時間の経過と共に一話のボリュームが増えてきますねぇ。。凄いっ!
全編読みきるの楽しみですなぁ!
では、執筆も勉強もがんばってくだされ〜
文文両道っ(笑)
じゃ、また〜〜!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.548 )
- 日時: 2013/01/30 09:57
- 名前: PANDA。 (ID: q0osNPQH)
おひさしぶりです。(*´σー`)エヘヘ
しばらく留守にしていて申し訳ないです。
春休みになったら色々、イラストの更新について
対処していくつもりでいます。
それにしても・・・・ハクぅぅぅぅぅぅぅ!!
これ、キラさん大丈夫なんですか??
お姉さん心配です。早くどうにかしてあげてほしい(((切実
バレンタインが近いというのに笑
気合をいれて2人を救って下さい。(土下座
双子も忘れずに!
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.549 )
- 日時: 2013/02/02 21:54
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
ハク……!!?
驚愕の事実に二度見しちゃいましたΣ
こんばんは、友桃です^^
これ、ハクが戦ってるとここれから無茶苦茶まずいことになりそうなんですが……><!! わ〜どうなるんだろう><; 不安です><
ていうかお茶会始まった!! ゆるい!! この3人なんか可愛い!!vって思ってたら、そのあとの朱雀さんのコメントに吹きました(笑
「何か知らないうちに本編でお茶会が始まった」って(笑 でもちょっとそうなんだろうなって気はしました(笑← でも私こういうゆるいの好きですv てかムマが好きになってきたかも^^
そう、お茶会と言えば空ちゃん! この子なにか秘密があるんだろうとは思ってましたが、すごい力持ってるんですね!! これから空ちゃんがどういう風に活躍してくれるのかたのしみですv
この先色々とどうなっちゃうんでしょうね!
続きが楽しみです。更新待ってます(*^^)v
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.550 )
- 日時: 2013/02/03 14:51
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
受験、無事に終わりました^^
今週からまた執筆活動頑張るぞー!
@ARMA3さん
コメントありがとうございます♪
はい、ボリュームが増えてきて書く方も読む方も大変になってきています(笑)
あんまり1話に詰め込むのは良くないんですが^^;
紹介文本当に嬉しかったですー!
ARMA3の小説も近いうちに覗きに行きますねv
@PANDA。さん
ここではお久しぶりですね^^
キャラ絵楽しみにしてます♪ あとあと、年賀状もめっちゃ嬉しかったですよおおぉぉ\(^o^)/
ハクの件は、本当に申し訳ないです(苦笑)
でも大丈夫! きっとキラとの愛の力でハッピーエンドになるはず!!(多分!
そういえばもうすぐバレンタインですねー。番外編書きたい(^p^)
@友桃さん
ハク……!∑
書いた本人も、やっちまった感で一杯です(笑) 1年以上前から温めていたネタなんですがねぇ(´・ω・`)
今までの小説でも断片的に伏線張っていたので、読み直したら多分合致がいくと思います。
86話ー>>440>>441、89話ー>>460、100話ー>>511、102話ー>>534、104話ー>>539
ぐらいかな? 主に下の辺りです^^
そうなんです、ムマをコントロールするのはかなり大変だと思い知りました(笑)
まぁ戦争の中で、たまには息抜きも必要ですので^^
てかお茶会私も参加したいーっ!
空はこれからバンバン活躍させようと目論んでおりますので(。-∀-)
期待しててください♪
皆さんコメントありがとうございました^^
また来てくださいね(*´∀`*)
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.551 )
- 日時: 2013/02/09 22:40
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
16章 106話「総司令官の心情」
反乱軍 本拠地——
事態は思った異常に深刻だった。
戦争をこちらから仕掛ける前に、敵が動いた。これは予期すべき範囲内だ。また、政府軍の戦争開始合図が儂らの本拠地での大爆発だった。これも……まぁもっと予想しておくべきだったのじゃろう。
しかしこの場が今、混沌の渦と化しているのにはもっと別の理由があった。
儂は声を張り上げ、次々と戦員達に指示を送る。その目の前を、数人が救急箱や包帯、松明や拡声器等を持って慌ただしく走っていった。
怪我人は本拠地に残った者の、三分の一にものぼる。
彼らの手当てをしなければ援軍が送れない。一刻も早くレオ達の戦力を高めるべく、儂はここに居る者を総動員して怪我人の応急手当をするよう言った。が、ほとんどの戦員が本拠地を突如襲った爆撃に対する驚きと戸惑い、更には傷が酷い者を実際見てのショックと恐怖で、即座に動けなかったのである。
ここに居る隊員たちの大半は、普通の民だ。
儂のような元警官と違い、戦い方もまるで知らなければ経験や知識も浅い。
そんな彼らだったからこそ、この危機的状況に直面しても何も出来ずにいた。
これは儂や政府軍との、圧倒的な“順応性”の差だった。
「総司令官! ようやく配線が繋がったようです!」
「随分遅かったな……ご苦労じゃった。グロ、悪いが見に行ってくれんか。」
「……」
横で音もなく立っていたグロが、黒いフードの奥に隠れている顔を数ミリ下へ引いた。彼女なりの肯定の印だ。
儂はまるで空気のように希薄なグロの、遠ざかっていくフードの背を眺めて溜息をついた。
——あやつももっと、皆と関われば良いのじゃが。
過去にあった“あの思い出”が、今もまだ彼女の時間を止めてしまっているのだろう。この戦争が終わったら、一度話し合ってみた方が良いかもしれない。
そんな思案に耽るのも数秒、儂はまた本拠地と士気の復活に力を注ぐべく顔を上げる。と、黒いフードを被った巨人が驚くほど近くに居たので思わず声を上げて後ずさった。
「ぬぉっ!? ——あぁ、グロか。早かったのう。しかし急に現れんでくれ、心臓に悪い。」
そう苦笑して言うと、グロは身動き一つせず代わりに“思念”から脳に直接話しかける。
『同行。』
「む、何か問題でもあったのか?」
この質問には何も答えず、グロは着いて来いとばかりに通路へスタスタ歩いていく。儂も急ぎ足で後を追った。
「これは……!」
その数分後、儂はモニターの前で己の目を疑った。そんな儂を照らすように青白く光を放っているモニターには、数百とある赤と青の丸い光が点滅を繰り返している。
これは味方と敵の数、そして生死を一瞬で確認できる機械である。我々はこれを≪C・M(コンバット・ムービー)≫と呼んでいた。青い点が反乱軍、赤い点が政府軍を示していて、この光が一つ消える度に誰かが一人死んだという事になる。
先程の爆撃により一度ショートしてしまったこれだが、今さっき配線が復活し、戦員の無事を確認出来るようになったのだ。しかし……
「何故よりによってレオとウルのいる南軍が……!?」
一際光の消滅が激しい。それも青い点が秒単位で消えてゆく。
「それに比べ敵の数は三。一人減ったとは言え、こんなに圧倒的な速度で反乱軍が消えてゆくものなのか……?」
「恐らく、敵は南軍が一番戦力として堅いと知っていたのでしょう。だからそこに、それを上回る戦力を送った……。反乱軍の何者かが政府にそれらの情報を密告していたと考えれば、信じ難い話でもありません。」
横で見ていた隊員の一人が、口を開いた。
それを聞いて儂はますます頭を悩ませる。
「うむ……それはあまり考えたくなかったのじゃが……。儂が見る目を誤ったという事か? しかし一体誰が——」
『援軍用意。』
グロが珍しく焦ったように“思念”で語りかける。儂は空を仰いで唸った。
ここはまだ、援軍を送れるような状況では無い。儂が行けば一番早いのだろうが、そうなると本拠地内がまた不安定になる。
儂はちらりと尻目で≪C・M≫を見た。
「おぉっ?」
目を見開く。北軍が敵を倒したようだ。その辺り一帯、赤い点が綺麗さっぱりと無くなっていた。
北軍というと——キラやハク達か。
「そうじゃ、ハクを送ろう!」
『ハク…………!?』
儂が手を叩いてそう言うと、グロが少し身じろぎした。
「……何か問題でもあるのか?」
グロがこんなに反応するなんて、何かあるのだろうか? 少し不安になって聞いてみたが、グロは『いや……』と言葉を濁す。
そして儂がハクに連絡を送り終え、来た道を戻っていると後ろで音も無く歩いていた彼女自ら『ジャッカル』と話しかけてきた。儂をこの名で呼ぶのはグロだけである。
『我等も早急に南へ向かおう。』
その言葉にただならぬ空気を感じ取り、儂は重く頷いた。
そしてここだけの話、グロとこんなに話したのは久々であったので少し……いや、かなり嬉しかった。
- Re: ☆星の子☆ 祝! 100話突破記念〜短編3本立て〜 ( No.552 )
- 日時: 2013/02/10 21:24
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
こんばんは。無事受験合格しました^^
本当は今回、レオ達のほう書くつもりだったんですが、先にこっちを書いてバレンタインの番外編と同時に南の方を更新しよう! と^^
間に合うか不安ですが……
楽しんで読んでいただければ幸いです♪
それと、最新話の106話は92話>>469とちょっと繋がってますので、お暇がある方はもう一回読んでみてくれればなぁと思います(*´∀`*)
きっと一人称が誰なのか分かる筈!!
ではノシ
- Re: ☆星の子☆ 最新話うp! ( No.553 )
- 日時: 2014/01/04 19:40
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: nEqByxTs)
- 参照: 最新話107話の前にお読み下さい。
番外編「少年と少女と約束」
(——「キラさんは、バレンタインデーという行事をご存知ですか?」——)
全てはこのピアの一言から始まった。そのため私は丸一日もかけてお菓子を作り、今こうして人気(ひとけ)の無い応接間で、ある人物を待っている。
掌で大切に包み込んだピンクの包装紙から香る甘い匂いを嗅いで、私は一人虚しく溜息をついた。少しの緊張と、それ以上の気恥ずかしさが胸の中で疼く。
……やっぱり帰ろうかな。
夜になるとよくここで彼が読書をする事は知っていた。何度かその姿を見かけたことがあったからだ。しかし必ずしも彼が今日ここへ来るとは限らないし、“バレンタイン”という話を耳にしてお菓子を作ってみたのも、私の単なる気まぐれなのだ。
「そう、単なる気まぐれよ……。」
そう呟いて大きく欠伸をする。時計を見ると既に12時を過ぎていた。
もう帰ろう。
諦めて柔らかいソファから腰を上げた、その時。不意に扉の開く音がして私に声がかかった。
「——おや、先客ですか。」
「ハ、ハク……!」
心臓が跳ね上がる。
「隣に座っても?」
温和な笑みを浮かべた彼がそう聞いたので、私は動揺しながらも必死に頷いた。そして自分自身も少し端の方に寄って再び腰を下ろす。
ち、近い……!
すぐ隣にハクの手が、顔が、体がある。そう考えるだけで自分の顔が、真っ赤な林檎のように火照ったのが分かった。
そんな私の気は知らずに、ハクが不思議そうに首を傾げる。
「しかし珍しいですね、何故キラがここに? それに先程から気になっていたのですが、この甘い匂いは……?」
「あっ、そうだった!」
緊張の余り当初の目的を忘れかけていた。
私はハクの方に向き直ってピンクの小包をおずおずと差し出す。
「あ、あのね、地球では二月に“バレンタインデー”っていう日があって、自分の好きな——じゃなくて、自分が日頃感謝している人に、お菓子を渡すの!
それピアから聞いて、もう五月になっちゃうけどお菓子作りするのも良いかな、って……。」
「それでこれを僕に?」
「う、うん……。一番失敗が無いっていうクッキーを作ったんだけど、何故だか上手く焼けなくて。それ、六回目なの。まだちょっと焦げているけど……。」
無意識のうちに早口になり、余計な事まで喋ってしまった。
そんな私からクッキーを受け取ったハクは優しく微笑む。
「ありがとうございます。丁度糖分を取りたかったのですよ。」
そう言って慣れた手つきでリボンを解いた。香ばしい香りと共に、褐色の良い焼き菓子が現れる。
その一つをつまむと、ハクは何の躊躇いも無く口へ放り込んだ。私は彼がそれを黙々と咀嚼する姿を、緊張の面持ちでじっと見つめる。
——やっぱりまだクッキー黒かったような……味見したときは美味しかったけどハクの舌に合わなかったらどうしよう……。
そんな思考の輪廻から逃げ出せずに頭を悩ませていると、突然ハクが手を止めた。
「ご馳走様でした。とても美味しかったです。」
「本当!? 良かったぁ……ってもう食べちゃったの?」
「えぇ、お腹が空いていたので。また作ってください。」
「うん!」
私は破顔した。と同時に心の中でほっと胸を撫で下ろす。
気に入ってくれたみたい。また作ってあげようっと。
先程のハクの言葉を思い出すと、自然と笑みが零れる。が、彼に気付かれないよう必死に噛み殺した。
「……」
「……」
沈黙が続く。
ハクは別に気にならないようだが、私の方は何か会話を続けないと色々な意味で心臓が破裂しそうだ。
何か話題を……。そう考えていると、ハクの持っている本が目に付いた。
「それ……何の本? よくここで読んでいるわよね。」
「あぁ、勉強ですよ。」
言いながらさりげなく本の表紙を隠すのが見えた。
「勉強? もしかして、学校へ行きたいの?」
「…………逆にキラは、学校へ通いたいと思ったことはありますか? 例えば、あの有名な『銀河の学校』とか。」
「うーん……」
聞き返されたので、私は困って首を捻る。少なくともそんな感情を抱いた記憶は、あまり無かった。
その代わりに幼い頃の事を思い出し、辛くなる。
その微妙な表情の起伏を感じ取ったハクが、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「……どうしました?」
「あ……ううん。ちょっと小さかった頃思い出して。」
「キラの幼い頃、ですか。」
ハクが少し興味を持ったようだ。
——困ったなぁ。
私は苦笑する。本当は誰にも言わないつもりだったんだけどハクなら良いかなぁ……。
「ちょっと長くなるけど」と前置きをして、ハクが頷いたのを確認すると私はぽつりぽつりと語り始めた。
- Re: ☆星の子☆ 最新話うp! ( No.554 )
- 日時: 2013/02/14 20:14
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: 最新話107話の前にお読み下さい。
「あのね、私妹が居たの。私は昔から運動とか大好きでよく外駆け回っていたんだけど、妹は打って変わって大人しくて。それこそ読書とかが大好きな妹だったんだ。……あ、名前はユラって言うの。そのユラが、よく学校行きたい、って言っていた事を思い出して。」
「あの、こんな事を聞くのは何ですが……他界されたのですか?」
「うん……もう七年くらい前の話かな。妹とは、趣味こそ違ったけれどとっても仲良しだったから、その時は何日も食事が喉を通らないくらい、ショックだったわ……。」
その頃を思い出し、楽しかった記憶とこの世に絶望した日々が入り混ざって走馬灯のように私の脳内を駆け巡った。
すると次は目尻が熱くなり視界が歪んできたので、私は目をしばたかす。泣き顔は、見られたくなかった。
「……死因は?」
ハクが聞き辛そうに問う。
思い出す。
あの血塗られた日の事を。目の前で音も無く消滅した大切な家族を。政府に強い憎悪の感情を抱いた事を。また、一瞬だけ見えた、妹を殺した奴の後ろ姿を。そして……
その仇を討つため、反乱軍に入隊する事を決意した、忘れられない満月の夜を。
様々な感情が込み上げてきたが、私は一言簡潔に言う。
「政府の人間に殺されたわ。」
ハクが隣で息を呑んだ。
私は続ける。
「私の目の前で、喉を掻っ切られた……確か短剣だったと思うんだけど、肝心な敵の顔を見てないの。」
「もしかして反乱軍に入った理由も……。」
「うん、そいつにこの手で復讐するため。
————ってこんな暗い話はもうやめよ!」
これ以上話すと自分を見失いそうで怖い。
私は無理に笑顔を作り、明るく言った。ハクはまだ何か聞きたげだったが、諦めたように口を噤み寂しく微笑んだ。
私は再びハクの手にある本に目を止める。
何故だか先程からハクは、その本を隠すように後ろに手を回していた。
「ところでさ……さっき話逸らされたけど、その本なぁに?」
「え、えっと、これは……」
ハクが目を逸らした。苦笑いを浮かべながら、さりげなく本を私の目に見えない位置へと遠ざける。
……怪しい!
私は不敵な笑みを浮かべ、本へ手を伸ばした。ハクが素早く避ける。
「逃がさないわよっ!」
そう言って私はそれを掴みにかかった。
ハクは必死に逃げるが、私の方が身体能力は上。結果、数秒後にはその本は私の手にあった。
私は獲物を狩るような目つきでその表紙をさっと確認する。
驚いて声が漏れた。
「————心理学?」
「あまり見ないで下さい……。」
ハクが珍しく頬を赤らめる。
しかし私は可笑しさに笑いを堪えながらも、ぱらぱらとページを捲った。
と、何やら本の右端に折り目がついているページを発見する。
どれどれ……。
私は一番端にある、大きなフォント文字で書かれた題目を読み上げた。
「えーっと……『人は笑顔に騙される!? 良い人を演じたいなら笑顔は必須!』……
あはは、何これ! まるでハクじゃない!!」
ついに我慢が限界を超えた私はお腹をかかえ笑い転げた。笑ってしまうと止まらないもので、涙まで溢れてくる。
一方ハクはと言うと、私の言葉に一瞬身を硬くした。そして少し不自然な笑いを浮かべ「ご冗談はよしてください」と力なく言う。後になって考えると、あの時のハクはいつもより大分おかしかったが、私は私で笑い続けていたので別段気にならなかった。
それからしばらく経ってようやく落ち着きを取り戻した私は、少しハクに申し訳なくなり本を返した。
ソファに腰を下ろす
そんな私達を、不意に満月が顔を覗き明るい月光で照らした。窓から差し込む幻想的な月明かりを眺め、私は先程の会話を思い出す。
無意識のうちに、私は言葉を紡いでいた。
「——ハクは……反乱軍に入った理由、あるの?」
「僕、ですか。」
ハクは予想すらしなかった質問に、一瞬言葉を詰まらせる。
しかし次に妖艶な笑みを浮かべ、私に優しく囁いた。
「また機会があったら、教えますよ。——二人きりの時に、ね。」
その瞬間私の心臓が騒がしく鐘を打ち鳴らした。鼓動がうるさい。心臓が破裂しそうだった。
頬を紅潮させ口をパクパクしていると、そんな私を見かねたようにハクが忍び笑いを漏らした。腰を曲げ、クツクツと楽しそうに笑っている。
「ひ、酷い! からかったのね!」と言うと「先程のお返しですよ」と返された。確かにその通りだから文句も言えない。
そしてしばらく膨れっ面をしていた私は、「でも——」と声色を明るくする。
「戦争が終わったら、ちゃんと話してね。約束よ。」
そう言って私は右手の小指を、ハクの前に差し出した。
ハクは複雑な表情をして一瞬戸惑う。が、諦めたようにふっと笑い、自分の小指を私の小指に絡めた。
胸の辺りが温かくなり、私は幸せな気分になる。
すると私は思い出したようにまた、「あっ、それと……」と付け加え、少し強く言った。
「戦争に勝ったら、一緒にまた普通の、幸せな生活を送ろうね。これも絶対よ!」
それを聞いたハクは、いつもの微笑とは違う反応を示した。勿論笑みなのだが、泣き笑いのような……それでいて何処か寂寥感の漂う、そんな笑み。
何だか不安になった私が心配して顔を覗き込むと、ハクは今にも消えそうな優しい笑みを浮かべ頷いた。
「————そうですね。」
この後、いつの間にかお互い眠ってしまい、起きた時には私の頭はハクの膝の上にあった。
つまり彼に膝枕されていたのだが……これはまた別の話。
- Re: ☆星の子☆ 最新話うp! ( No.555 )
- 日時: 2013/02/14 20:15
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: 番外編を読み終わった後にお読み下さい。
17章 107話「笑みの裏」
南軍 空中 レオ——
双子の顔が悔しげに歪む。それが落下していくのをしばらく呆然と眺める俺の中で、激しい憎悪の感情が沸き起こってくるのを感じた。
振り返る。
目に映るのは、変わらない笑みで俺を見つめる幼い少年だけ。
拳を振り上げる。
今の俺には敵か味方かなんて関係なかった。ウルを刺した。戦う理由はこれだけで充分だ。
地を蹴る。加速する。
そして俺の拳が仮面のような作った笑みに届く、その寸前。
まるで無機質のように感情が読み取れない彼の瞳が形を変えた。ただ微笑んでいる奴の目ではない、笑みの中に今まで潜んでいた悪魔が、姿を現した瞬間だった。
「シャドー。」
何の起伏も感じられない、冷たい声が異様に響く。
そして唐突に黒い影が俺の前を掠めたかと思うと、何処までも真っ黒な獣が大きく口を開け俺に牙を剥いた。
咄嗟に体を退け反らし、その一瞬出来た隙に俺は間を取る。
遅れて心臓が思い出したように早鐘を打ち鳴らし始めた。嫌な汗が額を伝う。
——長年の勘で何とか回避したが……今のはヤバかったな。少し遅れていたら、拳ごともげ食われていたところだった。ちょっと冷静さに欠けたか?
そんな心情を悟られないよう、俺は不敵に笑い歯を見せた。
「はっ、お前の犬だったのか。随分イカした真似してくれるんだな?」
「えぇ、僕の力を具現化して作った、言わば使い魔です。よく出来ているでしょう?」
ハクは意図の取れない微笑を顔に貼り付けたまま、答える。横で大人しく控えている“シャドー”と呼ばれた漆黒の獣の喉元を優しく撫でるその姿からは、有り余るような余裕を感じ取れた。
俺は声を低くして問う。
「……何かの悪い冗談とかじゃ、無いんだな?」
「全て真実ですよ。」
「……何故寝返った?」
「寝返り? 嫌だなぁ。」
乾いた笑い声が響いた。少し前まではとても親しみを覚えたその声が、今では聞くだけで不快感を持たずにはいられなかった。
「寝返りなんて一度もしていませんよ。僕は最初から、君達の敵だったんです。いつばれるかヒヤヒヤしましたが、反乱軍の皆さんが鈍いので助かりました。」
「ね?」と小首を傾げ、俺を嘲笑うかのように笑みを浮かべる。
その瞳は何処までも深く、暗くて——あぁ、本当にこいつは俺達の仲間じゃないんだな。その真実を痛感させるには充分だった。
——じゃあ殴られても文句は言えねえよなぁ?
沸々と俺の中で燃え上がる怒りを押し込めるように、きつく拳を握り締める。感情に身を任せてはならない。周りを見失ってはならない。
それでいて、ハクをぶっ飛ばす!!
「おいハク。そいつはもうお前と戦う準備が出来たようだが、俺はどうすれば良い?」
執事服に身を纏ったジオが少し声を荒げ問う。敵をハクに取られた事が気に食わないのだろうか。
ハクは「では他の南軍の相手を——」と周りを見回すと、困ったように眉間に皺を寄せた。
「おやおや……貴方以外の戦員は全て、もう戦えないようですよ?」
言いながら下を見る。つられて俺も視線を落とす。
そこで数十人の戦員と、少し離れたところで横たわるウルを見つけた。皆が皆重傷を負っていて、他の助けを待っている。しかしそこにいる戦員は、最初の数の半分も満たしていなかった。
絶えず火の粉が舞い散る夜空を見つめる。心臓が鷲掴みにされたような錯覚を覚えるが、いい加減この感情にも慣れてしまった。
「シャドーには今朝、餌を多めにあげたというのに……使い魔は力の制御が出来ないのが難点ですね。」
大袈裟に溜息をついては、妙に哀愁を帯びた声色でハクは語る。
「しかし……一匹しか残らなかったのは残念です。烏合の衆も侮ってはいけないようだ。」
そう言うとハクは、右手を“シャドー”と呼ばれた黒い犬の頭に乗せた。すると漆黒の犬は『影』となり、ハクの右手から彼へと吸い込まれていく。
刹那、圧倒的な力の奔流が俺を襲った。
台風かと見間違うほどの、強風。それに紛れ流れ込む、絶対的な力。
異様な光景だった。
年端も行かない少年が柔らかい笑みを浮かべ、誰をも畏怖させる異常な威圧感を放っている。俺は一瞬自分の目を疑った。
俺は推測する。きっとハクは反乱軍に乗り込むにあたって、この異様な力を隠すため三匹の使い魔に自分の力を授けた。その内二匹は南軍の激闘により討伐したので、残った一匹に授けた自分の元の力を、今再び併合したのだろう。
——一匹でこの変わり様だ。三匹とも融合していたら……末恐ろしい奴だな。
- Re: ☆星の子☆ 最新話うp! ( No.556 )
- 日時: 2013/02/14 20:16
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
- 参照: 番外編を読み終わった後にお読み下さい。
そんな彼が、不意に目を止めた。俺を通り過ぎ、遠く後ろを見ているようだ。
——何だ?
後ろを振り向きたい衝動に駆られるが、敵に背を見せてはならない。
何となく嫌な予感がする俺は、逸る焦燥を抑え言う。
「早く始めようぜ? 俺は今、お前ら二人をぶん殴りたくてうずうずしてんだ!」
「——ジオ、彼は任せます。」
「……あ゛?」
「どうやら僕にお客様のようだ。」
ハクは笑いかける。
俺にではない、俺を通り過ぎた、もっと後ろに————
まさか——!?
耐え切れず、振り返る。目に映ったのは、今にも泣き出しそうな表情で俺らを見つめる。か細い女。赤髪が風になびき、時折彼女の顔に影を作った。
「…………ハク? 本当に、ハクなの……?」
ほとんど放心状態のようなキラの呟きが、胸に刺さる。
よりによって、何でキラがここに……!?
俺自身も動揺していたのかもしれない。掛ける言葉も見つからず、指一本も動かせず、ただその映像を客観的に見ていることしか出来なかった。
するとハクは、その隙にキラのすぐ目の前に降り立つ。そして彼女の耳に唇を近づかせると、そっと囁いた。
「だから、北軍を離れないでと言ったでしょう……?」
「————っ!」
少し遅れて、キラは飛び退く。怒りと、悲しみと、けれどどうしようもない愛しさを映す彼女の瞳が歪んだ。
「本当にハクが、ウルを刺したの……?」
「そうです。」
何の揺るぎも無く、ハクはそう言い放つ。
それを聞いたキラの瞳が潤んだ。同時に手に持った大鎌を、覚悟を決めたようにしっかりと握り直すのが見える。
次には赤く燃えるような灼眼に女戦士としての決意を秘め、残忍な笑みを浮かべる幼い少年を強く見据えた。
「面白そうだしちょっと観戦するか」とジオが後ろでぼやくのが聞こえる。
「私達は、もう味方じゃない……! 手加減はしないわよ。」
「手加減?」
ハクが首を傾げ可笑しげに笑う。
「駄目ですよ、キラ。そんな生ぬるい事言っちゃ。」
そう言うと地を蹴って、一瞬の間にハクはキラとの距離を縮めた。キラが息を呑んだ。
そんな彼女の、丁度心臓の部分に人差し指を置いて、ハクはどこか冷たさのある声色で言う。
「どうせ二人きりになったら、わざと負けて僕を逃がすのでしょう?
僕には聞こえますよ、貴方の声が。だって一番長い時間、共に居た仲ですからね——」
我に返ったキラが、乱暴に大鎌を振った。しかし動きが遅すぎるし、動作にムラがある。大きな黒い鎌は、虚しく空(くう)を切るだけだった。
「おっと、危ない。でもそれじゃあまだ足りません。」
酷く動揺し荒い息を吐くキラと再び間を置いた少年が、妖しげに微笑んだ。
体中に悪寒が走る。
やめろ、それ以上何も言うな! 何か、何かが壊れる……!
そんな俺の願いも虚しく、ハクは口を開く。
そして次の瞬間、俺は聞いた。
彼女の何かが、決定的に崩壊する音を————。
「教えましょう。貴方の妹は、僕がこの手で殺しました。
キラ……貴方の本当の仇は、この僕です。」
- Re: ☆星の子☆ 最新話うp! ( No.557 )
- 日時: 2013/02/16 15:41
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
こんにちはー^^
頑張りましたよ、本編&番外編同時更新……流石にきつかったです。もう絶対しない。(笑)
本編は先週の日曜くらいにあがって、番外編を書き始めて4日……バレンタインの準備もあるしこういう時に試験勉強って重なる物でして(苦笑) 徹夜覚悟で頑張りました。
だけどこうして14日に無事うpできて、嬉しき事限りなしです。
ちょっと本気で疲れたので、丸一週間執筆放棄します(`・ω・´)(こらw
話を変えて、小説の個人感想(?)を言うと……
キラハクが好きすぎるっ!!><
この1週間ちょっと、二人を書きすぎて自分の小説キャラ愛が酷い事になっております(笑)
ハクを裏切り者にしたからこそ、この二人をより一層応援したいのかなぁ〜、なんて(*´ω`*)
番外編とか、書きながら一人でニヤニヤしていました∀
そうそう、番外編のページ数が実は凄い事になっていて、番外編用の一サイズ小さいノートがまたあるのですが、そのノートで11ページ半も書いてしまいました∑ 4日間でよくこれ書いたな!(汗) 文字数にすると4000字ちょっとです。誰か自分を褒め称えt(黙れ
最初に本編書いて、最後にいきなり『キラの妹が殺された設定』を付け加えてしまった物ですから、番外編にそれを食い込ませるのに苦労しました;
楽しんで読んでくださると嬉しいです!
楽しく読める内容でもないですがww
頑張ってキラとハクをどうにかします。
ではーノシ
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.558 )
- 日時: 2013/02/19 19:28
- 名前: 書き述べる ◆KJOLUYwg82 (ID: OHW7LcLj)
こんばんは〜
紹介文を直すべく、最初から読み直していたのですが、なかなか時間がとれず、ついに暴挙に出てしまいました。
....最後から読んでます(ぉぃ!)
あ、最新の番外編と最新話はご指示の通りに順番通りに読んでます。
この2話読んだだけでも、熱くなれますねぇ!
これから遡って、ハクがどれだけ空たちにとって大切な存在だったかが明らかになってくるのが実に楽しみです!!
あと、お茶会、素晴らしいです。ムマいい味出してますっ
それと、合格おめでとうございます〜!!!
それじゃ、また〜!
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.559 )
- 日時: 2013/02/26 20:45
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: jhXfiZTU)
@書き述べるさん
こんばんは^^ 返信遅れてしまいました、ごめんなさい><
最後から読みたい気持ちはよく分かります!(笑)
私もAsStory少しずつ読み進めていっているんですが、次は卒業の準備で忙しくて;
まぁ読み方は人それぞれですので、自分の楽なように読んでいって下さい♪(笑)
はい、最新話のような熱さをこれからも出していければと思います(`・ω・´)
それでいてお茶会のようなまったりした雰囲気も同時に出せるよう頑張ります!(笑)
合格しましたああ、ありがとうございます(*´∀`*)
またいらして下さいね^^
私も近々、書き述べるさんの方へお邪魔しますので!(もしかしたら卒業後になるかも……?;
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.560 )
- 日時: 2013/03/10 05:50
- 名前: 書き述べる ◆KJOLUYwg82 (ID: KZXdVVzS)
こんばんは〜。
星の子のスレ読んでいて気になった点がありましたので、ちょっと書き込ませていただきますね〜。
今、No0番のコメ欄に作品のインデックスを記載されていらっしゃいますが、そこのページのリンクの張り方について下記のようにしてみてはいかがでしょうか。
(現在)>>532>>533>>534
(案)>>532-534
こうすると、複数ページでも1ページにまとめて表示されるので読み落しがなくなり、読み手も書き手も幸せになれるはずです。。。。
星の子、特に長い作品である上、一話が複数ページになることが増えていらっしゃるので上記のリンクの書き方は、効果が大きいかと思います。
どうかご一考のほどを。
リンクの書き方、既にご存知であえて今の書き方にしていらっしゃるのであれば、わたくしめの差し出がましい行い、弁解の余地もありませぬ。。先に謝っておきます。。(スミマセン)
それでは、失礼いたします。。。
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.561 )
- 日時: 2013/03/10 10:06
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: z5ML5wzR)
@書き述べるさん
なるほど!
是非そうさせていただきます(*´∀`*)
また気がついた点あれば言ってください^^
ありがとうございました♪
- *大切なお知らせ* ( No.562 )
- 日時: 2013/03/10 11:11
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: z5ML5wzR)
- 参照: http://id30.fm-p.jp/354/pandmix/
「☆星の子☆」のキャラ絵を描いてくださっているPANDA。さんが、キャラ絵専用のHPを作ってくださいました!
参照に貼っておいたので、是非見に行ってくださいね♪
素敵なキャラ絵が目白押しです!!
(追伸)
最初のページにも貼っておきました^^
- 読者の皆様へ ( No.563 )
- 日時: 2013/03/22 15:14
- 名前: PANDA。 (ID: PU7uEkRW)
- 参照: http://id30.fm-p.jp/354/pandmix/
皆様、おひさしぶりです。pandaと申します。
朱雀さんの方からも報告がありましたが改めて私からも
この場をかりて報告をさせていただきます。
春休みのおかげで自分の時間がとれるようになったので
念願のホームページをつくりました。前々から考えていたこと
だったので、実現できて私としてもとても嬉しいです。
まぁ・・早くしろよ・・って話ですね(笑)
ちらちらと覗けていただければ飛んで喜びます。
コメントがあった日には全身全霊で奉公します。
不束者ですがどうぞよろしくお願いします。
p.s
私はハクキラ押しです。たまに癒しの空光・・・
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.564 )
- 日時: 2013/03/22 15:26
- 名前: PANDA。 (ID: PU7uEkRW)
107話読みました。
ここがキラのふんばりどころなんでしょうか・・・
私もいま呆然としています。orz
でも、彼を正してあげれるのは彼女と仲間しか
いないと思います。
朱雀さん、二人を幸せにしてほしいです・・・・ww
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.565 )
- 日時: 2013/04/01 16:20
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: z5ML5wzR)
@PANDA。さん
ハクを正すためにキラと私とで全力を尽くす次第でございます(`・ω・´)
どう丸め込もうか全然形になってないけど!!←
まぁでも、キラハクは書けば書くほど好きになるので、バッドエンドは無いと思います。多分……(笑)
コメントありがとうございました^^
お互い執筆と絵描き、頑張りましょうねーっ
〜どーでも良い最近の朱雀の私情〜
高校から愛知で寮生活になるなので、その準備に毎日追われています。
春休みなのに、春休みなのにっ……!!
本当はウォークマンに溜まっていた曲沢山入れたり、まだ読んでいない小説に手をつけたりする筈だったんですが(遠い目
そして今、最後に残った私物に全く手がつかず、こうして現実逃避していたり。小説も全然書けてません(泣) 前の更新からはや1ヶ月過ぎてしまった∑
愛知行ったら部活動や家事や勉強で毎日もっと忙しくなるんだろうなー。
パソコン持っていけないのに、果たしてiPhoneだけでやっていけるんだろうか。小説も今までどおり更新できるかとても不安……;
まぁその時はその時で、最善を尽くすまでですね!
皆さん、これからも温かく朱雀を見守ってくださーい♪←
ではノシ
(追伸)
愛知に引っ越すのは4月4日です^^
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.566 )
- 日時: 2013/05/05 11:44
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: iXLvOGMO)
17章 108話「夢魔」
東軍 夢の中 リン——
「だから、反乱軍の黒駒は——ハクよ。」
空気が凍りついた。
俺は何も言えず、その言葉だけが延々と俺の脳内で駆け巡る。
まさか……奴が?
ハクは自分が反乱軍は入る前からいて、反乱軍の面々とも非常に仲がよかった。それに自分も『銀河の警官』に所属していた身だが、見かけたことなど一度も無い。
——最高執行部隊だったからか……?
目の前で菓子に手を伸ばすムマという女も、話は聞いたことがあったがそれはあくまでも噂で、実際に見たのは今日が初めてだ。トルは……何度か研究室に用があって訪ねた事があるので面識はあった。が、勿論研究室以外の場所で会ったのは先程の洞窟が初めてである。つまり最高執行部隊専用の、アジトのような所があるのだろう。
——しかし、ハクは俺よりもずっと幼い。すると、物心つく前からそこに所属していたという可能性も……。
悪寒が背筋を這う。嫌な汗が吹き出た。
——ハクは……確か北軍だったな。というとキラやピア達と一緒か。
(キラや他の人達は大丈夫なの……!?)
俺の思考に呼応するかのように、不意に脳髄から声がした。空の心の叫びだ。生まれながらの“サイコメトラー”という特性が、無意識の内に周囲の声をキャッチしてしまったようである。
キラ、か……。
俺は妙な不安を覚える。彼女は空と同じくらいに素直で純粋だ。それ故心に、言わば『鍵』が掛かっていないので、よく心の声を耳にしやすい。無意識の内に赤裸々な内容を聞かされる俺の気持ちにもなってほしいものだ。
キラが奴に抱く恋慕の感情は、少し前から気付いていた。言動を見ても充分分かったが——やはり決定打はキラの心の言葉を聞いてからだろう。口を開けばハクの話ばかり(と言っても心の奥で、だが)……その位彼女は純真無垢なのだ。
そんなキラが、果たして敵となったハクとまともに戦えるであろうか?
結果は見えている。
レオやウルなど数々の戦闘の場数を経た奴等ならまだしも、彼女はまだ十七の少女なのだ。情に流されるな、と言うなんてどうかしている。
一刻も早くそちらへ向かわなければ……!
俺が口を開いたのと、空が立ち上がったのはほぼ同時だった。
「行こう。」
「行かなきゃ……!」
顔を見合わせると、空の真剣な表情が窺えた。知らぬ間に随分と成長したようだ。その瞳には一抹の不安の色も無く、ただ純粋に仲間を助けたいと言う熱意が宿っている。
「ムマ。」
俺は菓子を頬張る女に向き直り、名を呼ぶ。それだけなのに何故だかムマは過剰に反応し、体を硬直させ少し上ずった声で「な、何かしら?」と答えた。
俺は簡潔に、しかし力強く言う。
「ここから出してくれないか。」
「……駄目よ。」
ムマは不服そうな顔をして、冷たく言い放った。
「私はこの戦争のことなんてどうでも良いけど、あんた達が無事だと痛い目見るの。分かるでしょう? 上は甘くないの。」
「でもっ、私達の仲間が今大変なの……!」
「……この世界は私の支配化よ。いくらあんたが出たいと願っても、私がそうはさせないわ。
——ねぇ分かってる? 私達、敵同士なのよっ!」
先程まで一緒にお茶をしていた奴の言葉か?
俺はそう突っ込もうとしたが、それは遮られた。刹那、ムマの瞳が妖しげに赤く輝いたかと思うと、白く光る鋭い槍が突如現れ空を目掛け飛んできたのだ。
咄嗟に地を蹴って距離を縮める。
左手でしっかり空を抱き寄せこしに下げた鞘から太刀を引き抜いた俺は、それを薙ぎ払った。
間一髪、鈍い金属音が鳴り響き巨大な槍は両断される。
俺は空を庇う形で地面へ背を強く打ちつけたが、空が無傷だという事が想像以上の安堵を俺にもたらし、不思議と痛みは感じなかった。ただ——怒りが沸々と静かに湧き起こり、俺の胸奥で青い炎が燃え上がる。
俺はムマを睨みつけた。
「お前……何故こんな真似を?」
「何でって——……っ。」
俺の気迫に圧倒されたのか、ムマは言葉を紡ぐことが出来ず俯いた。隣で空が「私は大丈夫だから、ほら、怪我とかしていないし……」と必死に俺を落ち着かせようとするのだが、俺の怒りは静まるどころか、寧ろ何も言わずに黙り込んでいるムマに再び矛先を向ける。
「黙っていないで何か言ったらどうなんだ?」
思った以上に冷ややかな声が響いた。
ムマが肩を震わす。
そして次の瞬間、彼女は勢いよく顔を上げると声を大にして叫んだ。
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.567 )
- 日時: 2013/05/05 11:45
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: iXLvOGMO)
「私だって、私だって一人は寂しいのよっ!!」
沈黙が流れる。
俺も空も掛ける言葉が見つからず、呆然とその場に立ち尽くした。
ムマは耳まで顔を火照らせ大きな瞳に涙を溜める。そして小さく嗚咽を漏らすと、しゃくりあげながら語り始めた。
「……っ、私は、こんな変な能力のせいでっ、ずっと友達が出来なかった……がっ、学生の頃はずっと一人で、孤独で……だけど、そんな時、私の力を見込んで政府の上の奴等が、『銀河の警官』に勧誘してきた……そこでならっ、友達も沢山出来ると思って、入ったのに……とっ、特別だからって最高執行部隊に入れられてっ、決まった部屋しか出歩く事は許されなかった……。だからっ、こっこんな風に普通の子達とお茶して喋ったのが嬉しくてっ……ただそれだけなの! 私は何も悪くなんか、ないのぉ……。」
ムマは両手で顔を覆うと、その場に座りこんで泣き始める。
まるで赤子のように声を上げなくムマの背を、空が優しくさすった。俺もムマの叫びを聞いて、胸が締め付けられた。……少しキツく糾弾しすぎただろうか。
つまり、ムマは友達を作りたかっただけなのかもしれない。だから俺たちの足止めをしたのだ。
本当の仲間が欲しい。普通の友達と平凡な日常を送りたい。
それは以前の俺も感じていた事だった。ナツやヒナとチームを組んで動くようになってからは渇望しなくなったが、俺もサイコメトラーという人の心を読む能力を持つので、周囲の人間は警戒からか気味の悪さからか近づこうとしなかった。
——でも今は。
すぐ隣に信頼出来る友がいる。彼等もまた、俺を必要としてくれる。理解してくれる心優しい奴だって沢山いるんだ……!
「ムマ、さっきは悪かった。」
俺の唇が自然と動く。
「…………?」
「俺も俗に言うサイコメトラー的な能力を持っているからな……友達は中々出来なかった。他人の心を読めたって良いことは何も無かったし、俺は人間不信になりかけていた。
——だがお前も、もう既にいるんだろう? 仲間が。」
「え。」
ムマが泣きはらした瞳を見開き、俺を不思議そうに眺めた。
——どうやら分かっていないらしい。
俺は再び言葉を紡ぐ。
「俺は『銀河の警官』に入って、ナツやヒナと出会った。同じ志を持ち同じ目標を持つ者——それは“仲間”なんじゃないのか?」
「で、でも私は、何か理由があって入った訳じゃ……」
「今の俺には空や他の反乱軍もいる。勿論それぞれ反乱軍に入った理由は異なるが、自分が今出来る事を精一杯やっている。それに助けられる奴も沢山いるんだ。」7
「なっ、何が言いたいのよ……!」
「お前の行動も、誰かの為にやっているんだろう? それはお前達の黒幕だったり、他の最高執行部隊の奴等だったり……お前の行動は決して良い事とは言えないが、それがその誰かの力になっているんだ。お前は力を貸す、借りた奴はお前の居場所を作る。そしてそこには同じような境遇の奴等もいる……。お前には充分仲間がいると、俺は思うが。」
不安そうに事の成り行きを見守っていた空が愁眉を開いた。唇で弧を描き、ムマを後押しするように必死に会釈する。
その時、俺たちを囲んでいた氷のドームがす、と霧散するように消えた。次々に周りの焼け焦げた木の幹も消え、代わりに青々と生い茂った大木が現れ始める。
「ここは……?」
「光聖君とはぐれた場所だ!!」
俺の問いに空が嬉しそうに答えた。
「良かった、戻ってこれたみたい!」
俺は大きく息を吐き出した。張り詰めていた緊張が解け、体の力が抜ける。空の温かい微笑に安堵していると、先程から決して顔を上げることの無いムマが目に映った。
彼女はフリルのついたスカートをぎゅっと握り締め、声を絞り上げる。
「っか、感謝しなさいよね……! 無事に、出してあげたんだからっ。」
「うん、ありがとうムマ!」
破顔した空に背を向けて、腕にうさぎのぬいぐるみを大切に抱え込んだムマは続ける。
「私は政府塔へ帰るわ。あのバカ——ヒナの顔も、ちょっと見たくなったし。言っとくけどね、あなた達は命拾いしたのよ? 今度会った時は、滅多打ちにしてあげるわっ!」
「あぁ、また今度な。」
俺が薄い微笑を浮かべ答えると、ムマは生い茂った木々へと進む足を速め俺達の視界から消えようとする。
そんな彼女の背を追うように、空が「私はっ」と声を上げた。
「私はっ、敵じゃなくて友達として、また会いたいな……!」
返事は無かった。
しかし満足げに鼻を鳴らすムマの気配が、森の涼しげな香りと風に乗ってやってきた。
俺と空はしばらく、ムマが消えた木々の隙間をじっと見つめていた。
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.606 )
- 日時: 2013/06/15 00:11
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
こんばんは^^
ここではお久しぶりです、友桃です!
星の子更新されててテンションあがりました!!
ムマかわいいです><v
すっごく親近感わきました。
難しいかもしれないけれど、戦争が終わった後ムマと空ちゃんが友達としてまた会えたらなぁって思います。
てかこれからが大変ですね><!
キラとハクがどうなるのかが気になります。
更新楽しみにしてますね(^^)/
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.613 )
- 日時: 2013/06/18 21:39
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 6.Nua64i)
@友桃さん
お久しぶりです^ ^
コメントありがとうございますっ(*´∀`*)
そうですね、ムマは根はとっても良い子なので、次は必ず良い友達として会えると思います♪
ムマと空が個人的に大好きーv
次の話は、忙しいながらも頑張って書いてます!
でも寄宿舎にインターネット回線が繋がるまでは、当分あげられないなー(′;ω;`)
とにかく、キラとハクが切なすぎて……書くのが辛い(´・_・`)笑
コメントありがとうございます、やる気もらいましたっ!
早いうちに更新出来るよう頑張りますo(`・ω´・+o)
- Re: ☆星の子☆ バレンタイン企画! 本編&番外編同時更新!! ( No.778 )
- 日時: 2013/11/11 21:17
- 名前: (朱雀*@) ◆Z7bFAH4/cw (ID: rMENFEPd)
お久しぶりです(*゜v゜*)
朱雀です、皆さん覚えてますか?(._.)笑
過去スレになっちゃうのが怖いので久しぶりにあげときます♪
ちなみに更新はしばらく待ってください。
こちらも訳あってなかなか筆が進んでないのです。ごめんなさい(>_<)
では時間があればまた来ますねー((´∀`*))
おやすみなさいっ
- Re: ☆星の子☆ ( No.779 )
- 日時: 2014/01/06 17:29
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: nEqByxTs)
17章 109話「赤の女戦士」
南軍 空中 キラVSハク——
ユラはとても優しい子だった。
妹と言うよりも親友のような関係だった私達は、幼い頃からずっと一緒だった。私は体を動かすのが好きだったけれど、姉と打って変わって物静かだったユラはいつの日か本の虫となっていた。だから本で得た知識と、実際に目で見た体験した事を私達は分け合い共有する事によって、より豊富な知識を得ていた。
ある日突然、ユラが「学校へ行きたい」と言い出した。もっと多くの事を学びたかったのだ。しかし家には学校に送るだけのお金が無かった。
「お父さんは家に帰らず働いているのに、どうしてこんなに苦しいの?」
それが妹の口癖であった。
やがてユラはその原因を突き止めた。“政府による”不合理な強制労働、そしてそれに見合わない安い賃金。そう。全ての原因は政府であった。
それを知った日から妹は、人が変わったように動き回った。
幼い身でありながら持ち前の豊富な知識を生かし、大勢の人々を相手に政府を批判する演説を行うと、彼らを引きつれデモも行った。
——妹が殺されたのはそんな日だった。
いつものように遅くに帰ってきた妹を迎え入れようと家の扉を空けた瞬間、私の目の前でそれは散った。皮肉にも鮮やかな火花が舞う中、私を欺くように敵の背中だけが目に映る。
唯一無二の私の理解者。誰よりも大切な妹がいなくなったあの日から、私は————
復習のためだけに反乱軍へ入った。
いつの間にかそこが居場所となった。
理解者も増えた、好きな人も出来た。
毎日が充実していた、でも復讐心が消えることは無かった。
その為だけに戦い続けた。
戦って、戦って、戦って。その敵との戦闘に備え、戦って戦って戦って戦って——
でも、私の前に居る敵は誰?
私が彼に武器を振り上げているのは何故?
私の妹を奪ったその日から、ずっと、ずっとずっとずっとずっと、憎み妬み恨みあの血の夜に見た背中だけを追い続けていた自分は——————
「あ゛あああああぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁあああああっ!!」
嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だハクがそんな訳無い嘘だ嘘だ、これは悪い夢よそう夢、夢夢? 私はハクが、でも何の為に反乱軍に、好きよ、復習する為に、ユラの仇を取らなきゃ、そうだ、私はこの星を取り戻す、目の前に居る少年は敵敵敵敵、そう敵だ、だから私がやらなきゃ、戦わなきゃ戦わなきゃ戦わなきゃ————でも。
——————————好きだよ、ハク……。
- Re: ☆星の子☆ ( No.780 )
- 日時: 2014/01/17 08:08
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: HDoKOx/N)
南軍 空中 レオVSジオ——
耳を劈くような悲鳴が辺りを包み込んだ。言い知れぬ不安が俺を襲う。
キラ——!?
悪寒が背を這った。目の前の光景はとても信じがたく、悪い夢であって欲しいと心の中の弱い自分が叫ぶ。
「理性を失っているな。」
隣でジオが呟いた。俺は素早くジオの方を顧みる。
「心理をぐちゃぐちゃにかき乱すのはハクのいつもの手口だが、あそこまで壊れた奴を見るのは初めてだ。」
「お前っ……!」
その嫌に沈着な態度と言葉に怒りが込み上げる。
咄嗟に俺は後先考えず地を蹴った。加速してジオとの距離を縮め、胸ぐらを掴みあげる。
俺は声を低くして唸るように言葉を吐き出した。
「今すぐ二人を止めろ。」
執事服に身を包んだ男は何の表情も顔に映さず、無感情な瞳でただ俺を見下ろす。「聞こえねぇのか!?」と叫ぶと深く息を吐き出し彼は言った。
「手遅れだ。もうお前らの声は彼女に届かない。」
「なんだと——っ!?」
刹那、突発的な暴風が俺たちを襲った。その圧倒的な威力にジオの服を掴む俺の手が離れ数メートル吹き飛ばされる。
その暴風を生み出して原因は、すぐ近くに居た。
キラの悲鳴が徐々に、獣の雄叫びのような物と化していく。同時に、彼女の体からまぶしい光が放たれる。
——あの光は俺たち『アステリア』の民が変化する時に放つものだ。キラは一体何になろうと————!?
「獣化だ。」
横で悠長に見物を楽しむいけ好かない男が、好奇心の入り混じった声を上げた。
獣、化……!?
俺はキラを見た。いや、正確には、元は彼女だった怪物を。
赤く純粋な光を放っていた瞳が、獰猛にギラギラと光っている。皮膚は黄色と茶色の混ざったふさふさの毛並みで覆われており、爪が鋭く伸びていた。唯一そのままである真紅の赤髪が、まるでたてがみの様である。
腰を低くしてキラは唸った。鋭く尖った歯が月光に反射してきらめく。
そこにはもう、華奢で明朗な少女の姿は——無い。
再度、闇夜に咆哮が響き渡った。
ジオがすかさず彼女と距離をとる。
キラは力強く宙を蹴って弾丸のような勢いで加速した。そして腕を振り上げ高く跳躍する。その鍵爪は真っ直ぐとハクの首筋へ向かって——
「やめ——っ」
咄嗟にやめろと言いかけて詰まった。
ハクは敵だ。始末しなければならない対象なのに俺は何を……。
金属同士が擦れる嫌な音で、俺は我に返った。見ると、ハクの小刀がキラの鋭い爪を間一髪で受け止めたようだ。摩擦により火花が散る。
「ふふ、はははははっ」
鉤爪を跳ね返し距離を置いて、ハクは高らかに笑った。
「そう、それだ! もっと僕を楽しませてくれっ!!」
彼の挑発が聞こえたかのように、赤髪の獣は大きく口を開け再度吠える。憤怒と憎悪、そしてどこか切なげな雄叫びが闇夜を劈いた。
全長2mほどあるだろうか、その大きな四肢を持った獣が、今度こそはと鋭い犬歯をぎらつかせ再びハクに跳びかかる。ハクも不敵な笑みを浮かべ、短刀を4つ器用に持って構える。
そして、激しく熾烈な攻防戦が始まった。
動きが早すぎて目で追う事もままならない。しかし、決着はすぐに見えてきた。
「おや。」
ジオが目を見開いて意外そうに呟いた。
キラが押している。
持ち前の動きのキレの良さと粘り強さが、獣化して得た速さと強さに充分生かされていた。着実にハクの体力を削ってゆく。既に敵は傷だらけだった。
長い間彼女の中で根を張っていた復習という名の執念が、優ったのだ。
しかし何故だ?
ハクは一向に余裕の笑みを崩さない。まるで勝利を確信しているかのように。
赤髪の獣は大きく仰け反って再度吠える。
ウガアアアァァァァァッ————
凄まじいその咆哮は華奢な少年を吹き飛ばした。ぼろぼろになったその体は。抵抗も虚しく宙を舞い地上へ落下していく。獣化したキラもまた、ハクに飛び乗って共に降下する。鋭い鉤爪が彼の白磁のような首筋を捉えた。
キラ、頼んだぞ……! ジオは俺が——!!
俺のまた、全身に力を込めその中にある“光”を具現化させる。そして顕現させた獅子の像を背に纏い、執事姿の男を目掛け跳躍した。男も不敵な笑みを浮かべ、それに呼応するように大気には電流が走り火花を散らす。
そして再び俺とジオが拳を交わす————その瞬間。
敵の体が、目に見えぬ何かによって遠く吹き飛ばされた。
「なっ……!?」
「——レオ、下がっておれ。」
覚えのある、威厳に満ちた思い声が俺を制す。懐かしい匂いがする。
俺は驚いて背後を振り返った。すると左目の縦一文字に伸びる傷がまず目に付き、安堵に思わず俺の体の力が抜ける。
彼は「もう大丈夫じゃ。」と愛嬌のあるえくぼを見せて不敵に笑った。
- Re: ☆星の子☆ ※とっても大事なお知らせ※ ( No.781 )
- 日時: 2014/02/01 16:15
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: FX8aUA2f)
お久しぶりです。
昨日約半年ぶりに本編更新しました。
そこで私から、大事なお知らせがあります。最後まで読んでくだされば幸いです。
まず、(朱雀*@).゜.は執筆活動を当分停止しようと思います。
理由は色々ありますがまず一つは、学校に通うため住んでいるとある寮に、インターネットの回線が繋がっていない事。そのため部屋にデスクトップパソコンはあるのですが、小説がまだ投稿出来ない状態です。つまり、夏や冬休みに実家に帰ってきた時しか更新が出来ません。
二つ目は受験勉強です。とある国立大学を受験しようと思っているので、これから一生懸命勉強に励むつもりです。
最後に、最近小説を書くスピードがとても落ちた事。
まず小説ノートを開く回数がとても少なくなりました。一時期学校の行事や部活動でとても忙しくて三、四ヶ月小説をまるで書いておらず、そうだ、と思いいざペンを執ると何故だか無性に苦しくなって、結局話を進めることが出来ませんでした。
つい昨日更新した108話ですが、やっぱり何となく文がぎこちない気がします。ずっと書きたかった話であるのに、自分の満足のいく文章が書けず今ももやもやしたまんまです(..) 筆の進んでいない感じが如実に現れていると思います(苦笑)
さて、この冬休みの間、最近更新した1年間の話を読みました。始めはただチラ見する程度に思っていたのに、読んでみると何だかハマってしまい(笑)自分が書いた小説だというのに時間も忘れ読んでしまいました。
誤字が思った以上にあって(直していません笑)それに少し矛盾している部分も多々ありましたが、それでも我ながら中学生の身でよく書いたなぁとちょっと感心しました。笑
やっぱり文を書くのは好きですし、読んでみたら「☆星の子☆」完結させたいと思う気持ちは強くなる一方です。
この小説を通して、素晴らしい方々とも沢山知り合えましたし、何より、初めてネット上に自分の小説を書きこんで、様々な意見を貰いながら自分の文才を高める機会を下さった小説カキコ様には、本当に感謝しています。
しかし私は執筆活動を停止する事を決意しました。
でも中学1年生から執筆を頑張ってきた、そんな強い思い入れのあるこのスレッドが過去ログに行ってしまうのは非常に残念ですので、定期的に顔は出すつもりでいます。
この小説の更新はもしかしたらもう二度としないかもしれないし、はたまた大学生になったり、成人を迎えた時にひょっこりと戻ってくるかも知れません。
そんなどんな時も温かく私を迎えてくだされば、私はとても幸せです。
今まで本当にありがとうございました。
ではまたノシ
- Re: ☆星の子☆ あげます^ ^ ( No.782 )
- 日時: 2014/04/20 18:14
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: CqswN94u)
こんばんはー!
お久しぶりです、朱雀です。元気にやってます^ ^
今月でこんな私も高2になりました!
勉強が去年と比にならないくらい忙しい……! 受験勉強も頑張らなきゃだし大変です(-_-)
その分高校生活充実しているけれど♪
でも日曜はやっぱり暇ですね。
雨だし出かける気にもならないこういう日は、久々にペンをとりたくなります。空ちゃんとか光聖君に会いたい……リンさんが書きたいっ
ていうただの独り言です(´∀`;)
また小説書けたらいいなぁ。
ではっ
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.783 )
- 日時: 2014/04/21 20:52
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: KZXdVVzS)
朱雀さんだー!!
お久しぶりです、友桃です。
昨日久しぶりに更新したときになんで朱雀さんが来てることに気付かなかったんでしょう(´;ω;`)
昨日すぐにお声をかけられなかったのは非常に悔しいですが、またお会いできて嬉しいです…!!
星の子また読みたいです(*^^*)
学校の方が忙しそうですが、時間ができたらぜひ! 続きを…!!
またのぞきにきます^^
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.784 )
- 日時: 2014/05/06 20:21
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
@友桃さん
わ〜! お久しぶりです!!
またこうやって覗きに来てくれて本当に嬉しいです^^
ここで会話するのも数年ぶりに感じますね。笑
あれから丁度1年たって、ほんとに時間が流れるのは早いです。私も早く勉強から解放されたい……!泣
友桃さんの小説も顔出しに行きますね♪
これからもあまりINは出来ないけれど、学校生活両立して頑張ります^^
ではーノシ
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.785 )
- 日時: 2014/05/06 20:35
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
あれ、なんか参照数がえぐい事になってる……∑
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.786 )
- 日時: 2014/05/17 13:45
- 名前: 書き述べる ◆KJOLUYwg82 (ID: Vkpu3Lr3)
とあるスレで久方ぶりに朱雀さんをお見かけしたので、ちょっと来てみました。
一時期わけのわからない書き込みで荒れまくってましたが、すっかりきれいになって安心しました。
かなり忙しそうですねぇ(汗)
自分も大学受験を期に、長い間続けていた習い事をやめた記憶があります。。。
ま、でも小説は鉛筆と紙とキャラ愛(最後重要)があればいつでも始められますからねぇ。時間ができたらぜひ戻ってきてください!
なんか参照数、凄まじいですね(笑)。
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.787 )
- 日時: 2014/07/01 11:18
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
@書き述べるさん
わ〜、お久しぶりです!
こうしてカキコで書き述べるさんや他の方とお喋りすると、とても懐かしい気分になりますね^^笑
この凄まじい参照数は、前の悪質な荒らしが唯一残した痕跡なんでしょうか(・ω・`) 何故かこの小説だけ桁外れですよね笑
浪人だけは絶対に嫌なので頑張るしかありません。
いつかまた続き書きに舞い戻ります! その為に、このスレが過去スレになって流されてしまうのだけは阻止せねば笑
そう言う訳で暇があればここに顔は出します♪
これからもよろしくです^^
ではーノシ
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.788 )
- 日時: 2014/10/26 23:35
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: k7pNoPCO)
夜遅くですがあげます(^O^)
休みが欲しいなぁ……笑
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.789 )
- 日時: 2015/03/28 15:32
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
皆さんこんにちは、そしてあけましておめでとうございます!
2015年ですね……受験が近づいてくる嫌あああぁぁ(泣
最近無性に小説書きたいです。勉強ばっかりしているからか…? 無事大学合格したら絶対またここに舞い戻ってきます、約束です><
過去ログにいかないように気をつけなきゃですね^^;
ではまた気が向いたら来まーす♪
皆さんお元気で(^O^)
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.790 )
- 日時: 2015/08/05 16:24
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
皆さん、お久しぶりですー!
といっても一体何人このスレが上がったことに気づいてくれるのだろうか……?笑
あっという間に1学期も終わり、私にとっては受験の天王山である夏休みに突入してしまいました; 日々受験勉強に追われる毎日です(実際そんなに切羽詰まってはないかも?笑
何だかカキコに来るととっても懐かしい感じがしますねえ(遠い目
また皆さんと楽しくお喋りしたいですー><
ってそんな悠長なことも言っていられませんが笑
取り敢えず今は目先の事を精一杯頑張らねば! ですね!!
皆さんも楽しい夏休みを(*´ω`*)
ではーノシ
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.791 )
- 日時: 2015/08/05 18:31
- 名前: 日織 (ID: wgYgxarx)
初めまして。
上がっているこのスレをたまたま見つけ、惹かれ、読んでみました。
朱雀さん、天才ですか!?
私も受験生という身に関わらず(ちなみに私は高校受験ですw)読み進めてしまいました。笑
時間も忘れてしまうほど熱中してしまいました。
しばらく先になってしまうとは思いますが、続き楽しみにしてます
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.792 )
- 日時: 2015/08/05 21:21
- 名前: 書き述べる ◆KJOLUYwg82 (ID: NSxNy3Qq)
超x10 ご無沙汰しております!!
滅多にコメライ来ないのですが、久しぶりに来てみたら、なんと!(驚愕)
そいえば、最新話まで読んでなかったと思いだし(ぉぃ)、ゆらりと読み始めてます。。。
受験ってことは大学受験ですかね〜
大丈夫。。。一般受験なら本当の天王山は冬休みだ!!
だから今は思い切り遊んでしm(やめとけ
何はともあれ、いろいろ頑張ってくださいぃ〜〜!!!(ィィ加減だぁ)
あと、ものすごく暑いので体壊さないようにしてくださいね〜〜〜
じゃ!!
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.793 )
- 日時: 2015/08/06 09:26
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
@日織さん
わわっ、初めましてー!
久々の新しいお客さんだー♪ かなり長かったでしょうに…読んでくれてありがとうございます^^
いやいや、天才だなんてとんでもないです!! むしろ中学の頃に書き始めた小説なので、改めて読むと色々恥ずかしくて顔から火が出そうになります笑
日織さんも受験生なのですね! お互い頑張りましょー^^
更新はまだまだ先の話になりますが、宜しければこれからも覗きに来てください(*´ω`*)
@書き述べるさん
超×100 お久しぶりです!!笑
私も昨日何か月ぶりかにカキコお邪魔しました〜(・ω・`;) 丁度その日書き述べるさんもINするなんて、これは運命以外の何物でもありませんね!←
何てことだ、悪魔の囁きが聞こえる……!?(ガクブル
適度に休憩もはさみながら頑張ります^^
暑い夏に長野は最高ですよ。いぇす避暑地。長野万歳\(^0^)/←
ではでは、また今度♪
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.794 )
- 日時: 2015/12/01 12:48
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: rs6q0PGa)
- 参照: ちょっと修正笑
久々にカキコに来ると懐かしい方々に無性に会いたくなって、あの人まだ小説書いてるのかなーとか、どこかで偶然に名前見かけないかなーとか、記憶の片隅にしまってあった懐かしい方々見たさに、今日は久々に何時間もネット上をふらふらしちゃってました。笑
受験生なのに何してんだ自分。
それで感動したのが。
2,3年前くらいにお喋りしたことある方なんですけど(多分ここの小説にもコメント書いてくれたかな?)中々名のある人で、古参だからまさかお名前を見かけるとは思いもしなかったんですね、うむ。
それがまさかつい最近も小説を書いていらした事にまずびっくりで。
お変わりのない(ていうか寧ろ素晴らしく上達していらっしゃる)その方の文章が目に留まった暁には、それはもう読破するしかない訳で笑
時間も忘れ読み耽っちゃいました笑
言い回しから分かる通り、私がめちゃくちゃ尊敬する人達(数えきれないくらいおります笑)の中の一人です(*´ω`*)
そんなにふかーくお付き合いしたことは残念ながらありませんが。ていうか恐れ多い笑
読んでいて、いちいち感動させられました。
その反面、自分と小説の方向性が全く反対なんだよなーと思ってみたり。きっと一生かけてもあの方が考える小説のような作品は私には生まれてこないだろうな笑 だからこんなに惹かれるのかな^^
あのどことなく暗い闇で、それでも怖いもの見たさに覗きこんじゃうような、そんな独特な作品を書く方です(わかる人いるかな?笑
短編もいいなって思いましたねー。ていうか久々に小説書きたい。拙い文章でもいいから文字に色んな思いをぶちまけて(?)、日々の鬱憤を晴らしたい!
と何だかそういう気分なので気の向くままにここに綴っちゃいましたぁ;
長くなっちゃってごめんなさい、完全に自己満足です笑
ではまた今度ー
- Re: ☆星の子☆ 本編更新。※とっても大事なお知らせ※ ( No.795 )
- 日時: 2016/08/12 10:27
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
皆さんとってもお久しぶりです!
朱雀です^^
大分報告が遅れちゃいましたが……第一志望大学に合格しましたー!(ワーイ
いつの話だよって感じですね(-ω-;)
結果気にしてくださった方もいたのかなぁ。ずっと顔出せずごめんなさい><
あ、ちなみにバリバリの理系ですーリケジョ☆
だから大学上がってからも文学に全く触れてないんですよ笑 積極的に本でも読まない限り本当に離れて行っちゃうんだろうなぁ。中学の頃は作家さんになりたかった私は何処へ……(遠い目
それで高校生になってから本は全く読まなかったので執筆していたころの文才(あの頃も無いけれど)も0に逆戻りで、星の子はしばらく見て見ぬふりしてたんですけどね(´・ω・`) 合格したらここに舞い戻ってきますって約束しちゃってますね自分。笑
だから……
前のように書けるかわからないし途中で諦めちゃうかもしれないけれど、とりあえず執筆活動始めることにしました!!
あんまり自信はないけれど笑
大学生の特権で夏休み2か月もらっちゃったんで、しかも課題0なんで、適度にサークルしつつ遊びつつバイトしつつ、星の子も平行で進めていきますね^^
そんなわけでよろしくお願いします♪
ではーノシ
- Re: ☆星の子☆ 本編 ( No.796 )
- 日時: 2016/08/12 10:39
- 名前: 織原ひな (ID: Qz56zXDk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
朱雀さんお帰りなさいなのです!
実は1年くらい前から見させてもらってました
織原ひなっていいます!
素敵な文たちで何度も見させてもらってました
そして大学合格おめでとうなのです
当の本人も来年には大学受験生、がんばらないとです
小説再更新がんばってください!
あといつか機会あればひなの作品の溺死桜ってのにも遊びに来てください!
- Re: ☆星の子☆ 活動再開……!? ( No.797 )
- 日時: 2016/08/13 07:44
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
初めましてー!!!!
前から読ませて頂いてました。
大学合学おめでとうございます!
大学生って言われた凄いなぁ……。
大好きな小説なので、何回も読み返しています( *´艸`)
更新楽しみにしてます。
無理しない程度に頑張って下さい((。´・ω・)。´_ _))
応援してます!
また来ます!(*´▽`*)
byてるてる522
- Re: ☆星の子☆ 活動再開……!? ( No.798 )
- 日時: 2016/08/16 11:16
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
@織原ひなさん
はじめまして!
1年前から読んでくださっていたのですか……感動です(´;ω;`) ありがとうございます><
ひなさんももうちょっとで受験生なんですね。頑張ってください^^
期待に添えられるか分かりませんが、私も執筆頑張ります……笑
時間があれば、ひなさんの小説も覗きに行きますねー!
@てるてる522さん
はじめまして!
嬉しい言葉が沢山……ありがとうございます^^ 何回も読んでいただけると頑張って書いた甲斐がありますね。
のろのろ運転となりますが、これからも遊びに来てください♪
コメントありがとうございました!
- Re: ☆星の子☆ 活動再開……!? ( No.799 )
- 日時: 2017/07/16 18:35
- 名前: ひなた ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10873
はじめまして^^
更新が1年前なのでいらしてないよなぁとは思いつつ、そろそろ夏休みだと思うので(笑)またいらっしゃることを期待して、あげます。
勝手にあげちゃまずかったらごめんなさい。そしたらコメント消します^^;
- Re: ☆星の子☆ ( No.800 )
- 日時: 2019/06/26 17:26
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 3t44M6Cd)
@ひなた様
はじめまして! コメントくださってありがとうございます!
返信が随分遅れてしまって申し訳ないです…; 以後気をつけます(泣
更新の見通しは全くたっていないのですが(ごめんなさい)、それでもスレッドをあげてくれるのは嬉しいことです。ありがとうございます。
よろしければまた遊びに来てくださいね^^