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Re: ☆星の子☆ ( No.66 )
日時: 2011/10/29 21:40
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: qRt8qnz/)

4章     27話「お願い」


 私は今、ひたすらさっき聞いたことを考えながら悩んでいた。
 こういう場合ってどう切り出せばいんだろう……?
 そんな私の悩みの原因は今日の放課後にある……————



「ねぇ、空、楓。さっそくお願いしたいんだけど……。」

 なっちゃんが胸の前で手を組み首をかしげて可愛いポーズをしながら、話しかける。

「なんでもどーぞっ!」

 ノリノリの楓に合わせ空も頷いた。
 私はともかく、楓、なっちゃんのお手伝いしても良いのかな? 光聖君のこと気に入っていたように見えたけど。
 そんな空の目線を察知して楓は心配しないで、と鼻であしらった。

「私は佐藤君一筋だから気にしないでっ! だから光聖君はなっちゃんに譲ってあげるの〜。」

 まるで光聖君が楓のもののように言ったが、なっちゃんは気にしないでにっこり笑った。
 女の子ってわからないなぁ……。

「そう言えば、空は佐藤君派なんだよね。私たちライバルじゃん!」
「あ〜、そうだね〜」

 鋭い視線をこっちに向けて話す楓を、空は軽く流した。

————私は家族と星空があれば十分だもん————

 そう思いながら、私ってば寂しい人生だなぁと苦笑した。まぁ将来、どこの誰かと結婚するんだろうけど。
 恋愛なんて、興味無い。

「それでね、お願いってのは今度一緒に映画見に行きたいんだ〜。でもなかなか光聖君に言えないから、空っ! お願い。今週の日曜日大丈夫か聞いてみて!」


 ということである。その時は了解してしまったものの、いざとなるとどうやって切り出せばいいのか分からない。
 本人が言わずに私が言うのもおかしいし。なにせあの光聖君だからなんで? を連発するにきまってる。勉強はできてもこういうところは頭が回らないもん。

 どうこうしているうちに、光聖君が階段を上がってくる音が聞こえる……。