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Re: ☆星の子☆ ( No.83 )
日時: 2011/11/26 20:45
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: MMm5P7cR)

4章     32話「ストーカー?!」


 帰り道、私はいろいろ考えて頭がごっちゃになっていた。まるで疑問の糸が絡まるように。
 佐藤君とデートできるのは光栄だけれど、どうも楓の言葉がくっついて離れない。自分で自分のことが分からないなんて……。もどかしいにも程がある。
 帰りに喫茶店か〜、楽しみだなぁ。
 私の思考は喫茶店の方に向いた。なっちゃんが話題に出した喫茶店は私も前々から行ってみたいと思っていたところだった。そこは雑誌にもよく載っている有名店で、特にそこのパフェが格別らしい。

(やっぱり私は食い意地が勝っているな……)

 と苦笑しながら歩いていたら、途中で背筋に冷たいものが走ったような感覚に襲われた。
 ぞくっとして振り返っても誰もいない。気のせいかな?
 そう思って歩き始めると、また悪感がした。まるで胃に大きな氷の塊が滑り落ちるような。
 さっきよりも素早く後ろを見てみるとさっと黒い影が電柱に逃げるように隠れた。

————まさか、ストーカー!?————

 さっと顔から血の気が失せたのを感じ取った。
 そして私は家まであと少しの距離を全速力で走る。
 やっとの思いで家の玄関まで来た時には息切れして呼吸が荒く、何秒か呼吸を整えなければならなかった。それほど怖かったのだ。
 改めて思い出すと鳥肌が立つ。私は顔を青くして家に入った。
 と、玄関で母が温かい笑みと共に迎えてくれる。

「空、お帰り。今日の夕飯は空の好きなグラタンよ。」

 お母さんのその一言で、私はたちまち笑顔になった。そしてもちろん、さっきのこともすっかり忘れているのであった。