コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 未知なる世界にご招待        ★オリキャラ募集中★ ( No.103 )
日時: 2010/12/30 18:29
名前: ナナ ◆JUP8K6dM0U (ID: Tj9sX3SJ)


 25話  もう二度と……



「そ、それは誰なんですか!? 何を教えたら代わりに教えてくれますか?」

 アイラは思ってもみなかったことを聴き、冷静さを失っていたい紅葉にすがるように迫っていた。

「ちょ……落ちつけよ、これ以上は教えられないお前もそう言っただろう、それは俺も同じだ」

 迫って来るアイラに慌てた口調で落ち着かせようとする、確かにこれ以上お互いが知らない事を話したら、間違いなく大きな影響になるだろう。


「ご、ごめんなさい……あまりにも驚きの事実だったので」

 アイラは申し訳なさそうにペコペコと謝っていた。

「分かってくれたんなら良んだ……」

 紅葉は少しホッとしたような顔で告げた、しかしそのあとすぐに顔をきつくしかめ、外の方に顔を向けた。まるで外に誰かが居るかのように……

「どうかしましたか? 外に何か……?」

 そう言いながらアイラは外を見ようと戸に手をかける。

「待て!! 開けるな、俺が行く」

 紅葉はアイラに叫び、アイラが驚いて固まっている間に外に出て行ってしまった。


「噂をすればと言うのは本当なのかもな、今ちょうどお前について話していた所だよ……ツイン・……」

 紅葉は微笑しながら目の前に居る人物を知っているかのように話だす。
 目の前に居るのはおもちゃの世界でレーラと話していた紫色のフードをかぶった少年だった。そして紅葉が少年の名前を言う前に口をはさむ。

「あれ? 何で君、俺の存在知ってるの……しかも名前まで」

 ツインと呼ばれた少年は不思議がりながら笑って紅葉に話しかけた……どこか恐ろしく感じるほどに。

「お前はあいつ……イル・フランと血の……」

 紅葉が全てを話し終える前に鋭いナイフがいくつも飛んでくる。

「それを何処で知った……まさかあいつと逢ったのか、いやここにはあいつはいない、ではパートナーのアイラ・レディが近くに居るな……でもあいつはそのことを知らないはずじゃ……まぁいいや、お前は余計な事を知りすぎたからこの手で……消す」

 ツインは手に何本ものナイフを持っていた。
外はすっかり暗くなり、ナイフが月に照らされて怪しく輝いていた。


「……紅葉さん、何やってるんですか」

 その時、不運にもアイラが出てきてしまったのだ。

「見つけた、あいつのパートナー……アイラ・レディ」

 さっきよりも不気味に口角を上げてアイラを見つめるのだった。
 その瞳は恐ろしく今にもアイラにナイフを投げそうだった。

「ど、どなたですか? ナイフなんて危ないですよ!!」

「アイラ、今すぐ逃げろ……絶対に捕まるな!!」

 アイラと紅葉の焦る声が重なった、戦いの火蓋が今、幕を開けた。





続く