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　10話　この世界の訳


「お兄ちゃん、だぁれ?」

そう言われ肩をポン、ポンと叩かれて振り返ると、ピンクの髪のツインテールに、クマのぬいぐるみを抱えた8歳くらいの女の子が立っていた。

　女の子のきている真っ赤なワンピースを少し疑問に思いながらも、イルは

「俺はイル・フランだ、君は何て名前?」

　すると心なしか少女が俯き、聞いた事とは別の言葉が返ってきた。


「イルさんってこの世界の人じゃないでしょ?」

　イルは驚きを隠せないでいるが少女は淡々と話しだす。

「私が、この世界にいる子供達皆がそれを知っている……だって、この世界に大人は存在出来なくなってしまったのだから……」

　そこまで言い終わると少女は目に涙をいっぱいためながら言う。

「このワンピースはね、ママとパパが最後に私にプレゼントしてくれ物なの、だから……だからどんなにボロボロになっても着るの」

　そこまで言うと少女は泣きだしてしまった。
　周りを見渡せば他の子供達も泣いていた。

　イルは少女を優しく包み込む事しか出来なかった……

　そんな中でイルは自分の無力さに苛立っていた。

　その中でも疑問を持っていた…

　この世界に大人が存在出来なくなった訳とここの子供達は成長が止まっているんじゃないかと……

　自分が出来る事を精一杯したいと思っていた。



続く


悲しい雰囲気で終わらせてしまってすみません((+_+))


次回はアイラたんです♪
アルヴェルトと関わるアイラ……

揺らいでいた気持ちがある決心に変わります！！