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Re: 未知なる世界へ ☆キャラ募集中☆ ( No.64 )
日時: 2010/11/10 10:40
名前: ナナ (ID: uzSa1/Mq)

 

 15話 ……守る者と守られる者


アイラがフィンの家に入ってから30分が過ぎようとしていた。

 その時、フィンの家から叫び声が聞こえてきた。

「こ、これ本当に私ですか?!」

 鏡に指を指し自分の写った姿に驚いているようだ。

 椅子に腰をかけゆったりと紅茶を飲んでいたフィンは笑いながら

「もちろんアイラさんですよ、やっぱりお綺麗ですね。」

 何も焦ることなく告げる。

 アイラはまだ信じられないのか鏡の前でクルクルと回っている。
 そして時折ほっぺをつねって痛がっていた。

 まぁ無理もないだろう。
 真っ白のドレスに身を包み、顔はバッチリお化粧され茜色の髪は頭の後ろで高い位置にひとつで結わえられていたのだから……アイラが一番驚いたのは童顔な顔が少し大人っぽくなっていたことだった。    

 フィンは腕時計を見て

「あと30分で始まる……僕の用意があるから先にガラスの城の入り口で待っててくれるかな?」

 と少し急ぎながら言った。

 アイラは自分がもたもたしてたのが悪いと思い、この姿なら平気だと了解し、フィンの家を出た。


 外にでるとすでに街の人々も皆ドレスや燕尾服に身を包んでいた。

 しかしアイラが家から出た瞬間街の人々の視線は一気にアイラに集められた。
 アイラはそれに気付き何か変だったのかと困っていると一人の男性が

「綺麗な人だ……」

 と言ったのをきっかけに周りの人からも可愛い、美しいなど今までに言われたこともない言葉をたくさん言われた。

 アイラは嬉しくなり

「ありがとうございます」

 とドレスの裾を持ち軽く頭を下げガラスの城を目指し歩き始めた。


 そして周りの人に道を聴いたりし、やっとの思いでガラスの城に着いたのだった。


    —しかし悪夢は突然やってくる—


 今朝、悪口を言ってきた女性二人が前からやってきたのだ。

 アイラは顔をそむけ気づかれないようにしていた……が

「まぁ!! 綺麗な服を着てる……そんなんで自分も綺麗になったつもり?」

 悪魔のような声が聞こえてくる。
 逃げようとしたその時!!

 後ろから誰かに抱きつかれる。

「その口、縫いつけてもいいかな? 僕のお気に入りを奪った罰は重いよ、さっさと地獄に堕ちれば良い」

 アイラはとっさにその正体を見る。

「アルヴェルト君……何で!?」

 アルヴェルトはアイラから離れ、女性二人に近づいて行く。

「もうこいつに関わるな」

 睨みながら言うと女性達は悔しそうに去って行った。

 アイラはホッとしお礼を言う。

「ありがとう、助かったよぉ……」

 アルヴェルトは

「何を勘違いしているの? 別に、あんたのためにやったわけじゃないよ、あいつらが気に食わなかっただけ、よくもそんなずうずうしいことを考えられたものだね」

 とそんな言葉とは裏腹に少し照れていた。

 すると

「僕は行くよ」

 と言いマントをなびかせ去って行った。

 最後に声をかけたかったがやめた。

 アイラの心はフィンを待っている間、ドキドキしていたのだった。

「また逢えるよね……」


続く


アイラのこのドキドキは『あれ』なんでしょうか?
それは読者の皆様にお任せします(^_-)-☆

次回はレーラが重大な事をイルに告げます\(◎o◎)/!