コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未知なる世界にご招待 ★オリキャラ募集中★ ( No.99 )
- 日時: 2010/12/26 20:16
- 名前: ナナ ◆JUP8K6dM0U (ID: Tj9sX3SJ)
23話 崩れ出すもの
「え、えっと……その」
アイラは目を泳がせながら、紅葉と目を合わせようとはしなかった。
「答えられないってことは、やはり……」
紅葉は語尾を強めながら瞳をアイラに向ける。その瞳からはアイラの事を不審に思っているように感じられる。
「あ、怪しい者ではないんです……ただ私が話すことによって崩れちゃうかもしれない」
アイラは意味ありげな言葉を言い顔を伏せて何かを案じている様だった。イルに口止めをされているのもあったが、分かって来たのだ……世界の『色々』な事が。
「まぁいいや……話したくなったら話して……俺も君が話したら話してあげるよ」
紅葉は少し、口の端を綻ばしながらアイラがどう出るかを見物していた。
アイラはその言葉を聴き顔を上げ辛そうな顔をして紅葉を見つめる、アイラの手は自然と毛布を掴んでいた。
「私の負けですね……お話しましょう、全てとまではいきませんが」
「それは良かった、俺の情報も無駄にならなくてすむ」
アイラは淡々と語りだす……二つの世界の住人は知ってしまったのだそれがたった一人だとしてもあいつはすぐに気付き、動き出す……求めて。
「私がお話しできるのはここまでです、これ以上話しては壊れるでしょう……」
「新しい情報が君のおかげでまた手に入ったよ……あまり知るのも良くないがね……それじゃあ次は俺の情報といこう、今聞いたことと等しいくらいの情報を」
アイラは瞳を濁らせることなくただ黙ってその時を待っていた。
「君たちの事を狙ってる……あるいは阻止しようとす者が居るよ……イルって言ったっけ? 多分そいつと関わりがあるよ、しかも深いね」
紅葉は瞳に影を宿し迷うことなく告げる、この展開はこの先の道筋を180°変えてしまった……変わっても変わらなくてもこの先は誰にも想像できない、想像することさえ許されない。
続く