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- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(浩太&奈津美編 ( No.102 )
- 日時: 2010/08/23 20:25
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第16話「牛丼は」
「で、こうしてひき肉を丸めて、真ん中をね・・・って、人の話無視すんなっつのゴラァァッ!!」
「イッテェェ!」
尾崎浩太は、奈津美の隣でDSをやっている。彼女が料理宣言したという事で、尾崎の部屋へ来た彼女は、まず台所を借りて、尾崎に説明しているところだったのだが、ゲームをしている彼に、ゲンコツをしたのだった。
「人様が教えている間に、ゲームするなんてどうかしてんじゃないのかしらぁ!?」
奈津美は尾崎のこめかみをぐりぐりと両手で拳を埋め込む。
「イテッ、ほんとに、痛っ! 痛いッから!」
「だったらちゃんと、人の話聞いときなさいっつの!」右手をグ〜に変えて、尾崎の右頬をぶん殴る。
「ぐほぉッ!!」
尾崎はそのまま横に倒れ、頬を抑え立ち上がると、
「な、殴ったね! 親父にも殴られたことないのに!!」
と、アムロ名言を口にする。奈津美にとっては、呆れさしか残らない。ため息をすると、
「はい、嘘言わない。あんたの親父は根っこからの熱血気合の人だったはずだけど?」
「ははっそうでしたね。おいたがすぎまし—ッ!?」
「ジャーマンスープレックス!!」
「ぎゃァぁアああ!!??」
まだなにも反省していない尾崎をプロレス固めをする。その姿勢は、ポタコン視点では、絶対ツルだろうと思う形だった。通称:原爆固め。 反省のない少年には良いものだろう。
「ぎぎっギブギブ!つかなんで、お前プロレス技知ってんだ!?」
「なによ? 私が知ってちゃなんかいけないのかしらぁ〜?」
「いえいえ、素晴らしいから!・・・ぐおぉッ!!」
奈津美はさらに窮屈に締め上げる。そうしていくと、尾崎の目は、白眼へと変わって行った。それを確認すると、奈津美は尾崎から両手を外した。かれこれ二人は、一旦休憩へと入る。
「ったく!こんなんじゃ全然・・・間に合わないじゃないのよ!」
「俺に言うなよ! つかお前な! 強引にも程があるだろ?」
尾崎はここまで言うが、その後半ば悲鳴を上げる。背中の筋肉が、突然引き締まり、激痛が走ったのだ。
「どうよ?料理、ちゃんと作る? プロレスなら負けないわよ?」
奈津美は両手をコキコキと鳴らす。かねて尾崎はただ料理のお手伝いをするしかなかった。
”なんだよ、お前のお手製じゃないのかよー”と思い続ける少年だった。
彼なりの楽しみが、自分でやらなくてはいけないとは、少しショックでもあった。