コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.105 )
- 日時: 2010/08/25 18:17
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第17話「レベル7の暴力団」
彼女の悲鳴は、いっぴんたりとも揺らすような感じで、放たれる。
「くはっ・・・がっはっ・・・あぁ!」
破れる音がした方向へと視点を合わせると、自分の左の脇腹だった。真っ赤な血が、溢れ出てきている。そして、そこに奥深く突き刺さっていた物は、シャーペンだった。なぜこんな物が刺さっているのか分からない。
真奈美には、激痛のあまり、思考が働かないのだ。だが、ちゃんと確認すると、見えるのに、これをどうすればいいのか、分からない。それが、思考停止状態に入ったのだ。だが・・・
(くそっ・・・なんで? )と彼女が思っていると、工場の奥から、人影が現れる。
「あらあら? 誰かと思ったら、あなた警察だったのね。うふふ、ごめんなさい〜」
その人影が払われるかのように、工場の中の電気が点灯し、その場にいる二人は、お互いの顔を確認する事になった。
(いきなり、電気が点いた?・・・でも、それより目の前にいる、相手を確認しなければ)と彼女が考え、目の前にいる相手を、意識が途絶え途絶えになりそうになりながら、識別する。
そこにいたのは、普通の女子中学生でもいるような、黒髪で、結ばれており、セーラー服を着ている女の子だった。疑問を思う前に、真奈美は考える。
(ここの都市で、セーラー服なんて学生服は、確認されていない。じゃぁ、この女の子はいったいーー?)と考えていると、その目の前にいる、女の子が口を開けた。
「あー、えっと、服装で確認しようとしても無理よ?これ、コスプレ用の服だから。日本全国探しても、こんな制服なんてないわ。一応の忠告しといたからね」
と、女は言うと、真奈美が名前を聞こうとしたところで、また真奈美より先に口を開く。
「どうやら、その混乱な状態でも、私の名前でも聞きたいのかしら? いいわよ。・・・私の名前は『田名中 光』って言うの。バンクで探してもいいわよ。本名だから。」
名前は聞いた。後は、この行為の動機を真奈美は息切れをしながら、シャーペンが刺さっている脇腹の傷を抑えながら尋ねる。
「どうして、はぁっ・・・こんなことを、・・・つぅっ・・・したんですか?」
その渾身の質問に、田名中光と名乗った女は薄気味悪い笑いをする、してから答えた。
「どうして? ふふふっ、・・・まぁ、いいわ。 そんなポリスっぷり並みの話し合いなんてしたくないから、まずはなぜ貴方を呼んだのか、気にならない?」
真奈美は、とにかく意識だけを集中させて、頷いた。彼女には、激痛という言葉を初めて知った時だった。
「まずはね、こっちからの戦闘を開始するつもりだから、あなたは北武市の警察に伝えてほしいのよ。できるだけ、無謀な人は殺したくないから。」
「それって・・・はぁ・・・・どういう、意味ですか?」
田名中は、結んである髪をなでると、「ダークネス暴力団と、警察との戦争を起こす」と言った。
「はっ?」
「あら、分からない? 私たちは法律なんて物に従う気はないって言ってるの? この意味分かる? 私たち『ダークネス暴力団』は、この国と戦争を起こすって言ってるのよ。」
真奈美には意味が分からなかった。なぜそんなことをするのかが分からないからだ。目の前にいる田名中は、ただ一方的に戦争を起こしたいと、解釈できるからだ。
「そんな戦争を、起こす・・・・り、理由は?」
「ふふふふふっ! あっはははは! 分からないわ! あなたには絶対理解できない! あっははははははははは!」
「・・・・?」
理由を聞いただけなのに、田名中は笑い続ける。真奈美は、なにか笑わす事でもしたのだろうかと、自分の言動を振り返る。・・・だが、やはりどこにも引っかかるところはない。
「なに、わらってんの・・・?」
「ふふっ・・・はぁ・・・だって、あなたは何も知らないんですもの。そんな方に、理由を言ったって、笑うだけだもの。一応確認しとくわね。 あなた、自分の体が、本物だと思う?」
彼女が何を言いたいのか、何の確認をしたいのか、分からない。だが真奈美は率直に答える。
「本物だと思いますけど?」
「ふふふっ! あっはは! やっぱりそうよね〜、やっぱり貴方は、駄目だわ。何を言っても無駄ね。 結局は世間知らずな女の子よ。」
田名中は笑うと、工場の出口へと、歩き向かった。