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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.106 )
日時: 2010/08/25 18:43
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第17話「レベル7の暴力団」


 「待ってください! 今、あなたを逃がすことは出来ません。・・・詳しく、は、署で伺います。おとなしく同行して下さい!」

 
 「あら、そう。 まぁいいわ。 ほら、これ、もう一個あげる☆」と、田名中はもう一つのシャーペンを、掴むと、それをテレポートさせた。

 「−−−−−ぎゃッ!」

 真奈美が、連行しようと迫ったが、今度は右腕にシャーペンが刺さる。 脇腹を押えていた手だったため、抑えていた右手が激痛で離される。脇腹から、またもや、痛みが倍増していく。だが、同様に右腕にもだ。

 その痛みに、耐えながら、真奈美は相手に同行を伝える。

 「っくぁ・・・っはぁ・・・逃げないで! あなたを、・・・・! ぎゃぁああっ!!」

 その努力は無駄だった。またもや右腕に、シャーペンが突き刺さったのだ。だがそのシャーペンの突きさした奥深さにも、痛みで分かった。

 (骨まで・・・・?!)と理解したのだ。

 「うふふっ・・・私はレベル7なのよ? あなたがどうこう言おうと関係ないわ。『座標』の能力。一応、テレポーターとも言えるわね。 『座標』はどのような物でも、私が指定した所に移動できるの。」

 だから、と田名中は付け加えると、「刺したとか、刺さったとかの表現より、そこに移動されたとかの方が、私的には良いかも」と言った。

 「くぁ・・・がぁっ・・ぁあっ・・・」

 もう真奈美には、激痛に耐えることしかできない。そんな彼女を田名中は出口から見つめると、別れ言葉として言った。

 「では、この報告をよろしくね。防犯軍隊とダークネス暴力団は戦争を申し込む。”日時は明後日の夜7時。舞台は北武市の土手広場”よ。頼んだわ。・・・じゃあ、・・・さようなら」

 田名中は、それを合図に出口から消えて行った。

 真奈美は、歯を食いしばり、そして先ほどの連絡語を頭の中で整理する。

 無事な左手を床に添えて、そこに力を入れ、無理してでも立ち上がる。その立ち上がり方は、震えていた。ゆっくり、ゆっくりと、背中を上げ、隣の壁に寄りかかりながら起き上る。

 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

 出している声も震えあがる。動きも震えあがる。真奈美は、ただただ、痛みに耐え、まっすぐ家へ帰ることだけを考えた。

 病院に行っている暇はない。