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- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.107 )
- 日時: 2010/08/26 15:31
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第18話「ダークネス暴力団」
「はぁ・・・痛い・・・うぁ・・・」
よろよろになりながらも、路上で何度も倒れようとも立ち上がる。(負けてられない)の一点張りだ。
「かはっ・・あ・・・」
どんな声を出そうとか、考えられない。もう呻き声しか、出したくなくても、出てしまう。出ないと、死んでしまうような感覚に体が麻痺していく。体中が熱くなる。
歩くごとにシャーペンが突き刺さっているのだと実感してしまうように、脇腹の激痛も歪んでいく。
辛い・・・痛い・・・苦しい・・・そんな言葉ばかりが頭の中に入ってくる。でも歩かなくては。
(・・・家に着いて、手当しない・・・と)
意識が朦朧する中で、ただ来た道を、家へと戻るがために、歩き続ける。何度でも。
やがて時間はまるで嘘のように早く進み、真奈美はマンションの非常階段から自分のルームに戻る。エレベーターでは、カメラから怪我をしていると大げさになってしまう。
そのリスクを考えての行動だ。そのまま真奈美はルームに入ると、玄関での靴脱ぎをぶっぴらぼうの様に脱ぎ捨てる。
(確か・・・物置の中に・・・救急箱があったはず)と、押入れの中の物を、掻き荒らし、奥にあった救急箱を、震える左手をこらえながら捉える。あとはそのまま浴室へと移動した。
彼女は浴室に入ると、血が着いた学生服を上下脱ぐ。残ったのは、下着だけとなったが、今の状況で悠長なことは言っていられない。すぐに救急箱を開け、緊急処置共に、手当に移る。
まずは包帯とガーゼと消毒液。そして一番重要なのは、真奈美が握っている、”止血クリーム”だ。この薬は、日本で初めて作られた応急処置用のもので、作った人は回復属性を持った能力者だとの事。効用は、どんな傷でも、クリーム状の”結界粘液”という成分が働き、傷口を閉めるものだ。欠かせない薬とも言って良い一品だろう。
ただ、欠点がある。それは、”これを使った事で、怪我は治らない”事だ。これは応急処置で使われる物で、大きな怪我、つまり今の真奈美の状態だと、止血した後、病院に向かわなくてはいけなくなる。
(そんなことしてられない)のオーラが、漂っているが。
真奈美は下着だけになると、湯船の端っこに寄りかかる。そして・・・。
脇腹に突き刺さったシャーペンを掴みあげ、渾身の力で引き抜く。
「・・・ぐぅぅ!!」
下唇を噛んで、悲鳴を堪える。それと共に、引き抜いた血で真っ赤なシャーペンを床に投げると、何枚ものガーゼで、周りの血を拭く。当たり前だが、抜いたことによって血はどくどくと心臓の心拍数同様に溢れ出る。
真奈美は堪えながら、止血クリームを傷に塗り、息を整える。