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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.111 )
日時: 2010/08/27 13:41
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第18話

 (止血は・・・・なんとか終わったけど)

 真奈美にとっては、まだまだ激痛があり続ける。腕を動かせば、体中に響く。それを塞ぐために、救急箱から真奈美は白い布を手にすると、左肩にかけて、布の両端を結ぶ。
 そうすることで、白い布は、腕を通せる間隔を作り上げる。そこに負傷した右腕を通し、固定する。

 「ふぅ・・・なんとかこれで行けるわね」

 ちなみに、止血はしたが、その内部の傷は治されていないため、この激痛は、一週間は去ることはないだろう。

 脇腹を抑え、湯船の端っこから立ち上がると、玄関が閉まる音がする。

 (お姉ちゃん、帰ってきた!?)

 真奈美は、息切れする口を左手で抑え、奈津美に気づかれないようにする。やがて、歩く音が浴室の扉の前までくると、奈津美が口を開いた。

 「・・・真奈美? 帰ってたならメールくらいしなさいよ」
 「えへへ、ごめん。ポリスでちょっと」

 「・・・・そう。だったら私も読んどきなさいよね。」
 「大丈夫。 サボったなんて言ってないから。」

 奈津美は、頷くと、扉に背中を向けて寄りかかる。真奈美視点からそれは影。その影に合わせるように、反対側から背中を向けて寄りかかった。

 「お姉ちゃんはどこ行ってたの?」

 「ちょっと、尾崎の部屋でハンバーグ食べてたわ」

 (のんきだなぁ・・・)と、真奈美は思う。

 少しの沈黙が続くと、奈津美から口を開いた。

 「じゃあ、私、野暮用があるから。明日はショッピングモールでも行こうね、真奈美。」

 真奈美は「・・・うん。楽しみにしてる」と、傷の痛みと戦って言った。少し震えてたため、気付かれた可能性もある。

 「うん、じゃあね。」と、奈津美が言うと。真奈美の浴室の扉の影は消えて、玄関が閉まる音がする。あまりの早い行動の姉に疑問を抱くが、そんなことよりも真奈美には疑問がある。

 ”田名中光と名乗った女が、なぜ私に伝えたのか”だ。別に、北武市の軍隊と戦争を起こすくらいなら、そのまま直に伝えた方が良いと思った。だから疑問に思う。

 「どうして・・・? なぜわざわざ私に伝えたの? 上層部から伝えるのが怖かったから?」

 無論、そんな事はないだろう。あれだけの力を、そして真奈美にここまでの怪我をさせることに躊躇がないのだから、この考えはない。

 「・・・・わからない。あの人は、なんでこんな事を」


2時間後———

 真奈美は一旦、この疑問から抜け出すために行動に移る。浴室から出て、新しい制服に着替える。脇腹が痛むが、そこを乗り越え、一気に着替える。スカートを履き、靴下をタンスから取り出す。

 「っく・・・」

 靴下をつけるために、うつ伏せになったため、脇腹が強い刺激を繰り返す。その繰り返しを我慢し、両方ともつけることができた。

 「はぁ、はぁ、・・・次!」

 と、真奈美は立ち上がり、テーブルの上にあるパソコンを開く。起動時間を乗り越え、パソコンが使えるようになると、バンク端末から、『田名中光』の情報をハッキングする。

 田名中光の情報を確認すると、さらに調べこむ。

 ・年齢 17歳
 ・出身国 日本
 ・詳細  不明
 ・生存している

 「え・・・? そんな、詳細が不明なんて、この時代の科学技術ではありえないはず。それに、情報が少なすぎ・・・」

 なぜありえないか、それは、この時代の科学技術では、どんなに細かいところでも衛星から確認できるからだ。この結果から、彼女は法律を無視している事になる。それと、、、。

 「法律を無視するほどの力があるってわけ・・・か。暗部の誰かが雇っているようにしか見えないけど、もう少し調べてみる確認はあるかも・・・ん?」

 突然、真奈美のケータイが鳴る。会話ボタンを押すと、ポリス・スタデントの先輩からの電話である事が分かった。

 「・・・はい。坂条真奈美です。要件をお願いします」
 「おい、そんな事言ってる場合じゃねぇ! 真奈美、お前の姉が、誰かもわかんねぇ女とどんぱちやりやってんぞ!!」

 え・・・・!?

 突然の連絡に、真奈美は止まった。