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- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.112 )
- 日時: 2011/05/06 17:14
- 名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)
第18話
真奈美は走り続ける。方向は、廃墟とされている、工場とのことだ。詳細は不明。ただ、姉が、女性と暴れているとの事。妹としてお前が助けろとの命令になる。
「はぁ、はぁ、もう、・・・なんで今日ばっかり!いろんなことがありすぎるよ!」
真奈美が独りでに愚痴をつぶやく。彼女にも疲労困憊な状態では、苦しくなる。まだ傷は痛む。どんな考えをしたところで、それがむせかえるだけだった。
ポリス・スタデントの先輩が言っていた、場所は、廃墟の前の橋だという。そこも工事で中断されており、そこから入るのが適切だと感じた。それに従えとのことだ。
「ったく、お姉ちゃん一体何考えて———ッ?!」
真奈美がビルの建物の角を曲がると、そこには先輩が言っていた通りの橋があった。工事が中断されており、橋は途中までしかない。そしてそこの先に映っていたのは・・・。
「この野郎がァぁぁ!!」
と、奈津美が吼えていたところだった。あまりにもの怒りの形相になっており、真奈美には、目を閉じることは許されなかった。
「あっはははは! 何? この計画にあなたは否定するの? 同じ”真実”を見た者同士なのに!!ふふふふふっ!!」
「笑ってんじゃないわよ! いちいち笑ってる自分の表情見てみなさいよ! その、腐った顔を!」
「はぁぁ? 鏡ねぇから見えないっつの! あっはは! 本当に、仲間にはなってくれないの? ねぇ、貴方だって許せないでしょう! あんな実験をされてた私たちの事を!」
「・・・だから! それと、今回の事では、全然意味が変わってんじゃないのよ!!」
真奈美には唖然とするしかなかった。ここまで怒っている姉を見た事がないからだ。それに対して、疑問を抱くような言葉ばかりが、自分の胸に突き刺さってくる。
(真実・・・・?計画・・・?)なんのことなのかわからない。だから、余計に真奈美は動けなかったのだ。
そう思っているときだった。
「私が言いたいのは、あんたが、この事に”私の妹に手を出した”事! 分かる? ここよ!」
「・・・・はぁ? 別にどうってことないでしょ。」
奈津美はその言葉に気づいていないように、続けて話した。
「あの馬鹿! 私が分かんないとでも思ってたのかしら!? 部屋の中は救急箱を探すために荒れてて、それでいて、至る所に血が飛んでて、気付かないと考えるなんて! 本当に馬鹿!」
隣にいる、田名中光にはその暴言が誰に向けたのかわからないため、首を傾げる。
「私が一番ムカついてんのは、私に”嘘を付いた馬鹿な妹”と、その妹に手を出した”テメェ”なのよ!! まったく、自分の妹だと思うと、馬鹿馬鹿しくて腹が立つ!! あんなひどい声をあげて、いかにも怪我をしている声をあげて、私に気付かれないように今日の事を聞いてきて、ぶん殴ってやろうかとも思った。・・・・けど、その前に殴んなきゃ気が済まねぇのは、・・・テメェだっ!っつってんの!!」
真奈美の心に、一撃で大きな穴が開いた。姉の怒りの気持ちが、背筋を通して貫いたのだ。
(おねえ・・・ちゃん・・・)
奈津美は、もう一度 直径5メートル、縦3メートル並みの竜巻を起こすと、それを田名中光にぶつける。が、その前にテレポートをされ、かわされる。
「・・・まぁ、あなたがどんな怒りを持っているかしらないけどぉ〜、例えレベル8でも、能力の幅が関係してるのは、知ってるはずよね〜、ふふ、属性が無意味ね、あなた」
「あっそぉ!」と、もう一度、奈津美は竜巻を放つ。
「だっかっら〜、無意味よ。もういいわ。私は帰る。もし、私と同じく暴力団と戦いたいなら、仲間でも集めて軍隊の代わりにいる事ね。じゃあ、さようなら」
と、田名中光は言うと、姿を消した。曰く、テレポートをした。
「くっそぉ! なんだってのよ・・・」
奈津美は怒りを止められずに、廃墟のビルを風で壊しまくる。
その時、真奈美は・・・その光景を見ていた場所から、姿を消していた。