コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.124 )
- 日時: 2010/08/31 11:04
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第20話
バスに乗り、時間を掛けて歩き回ると、北武市総合病院前へと着いた。尾崎とポタコンはすぐに中に入り、受付カウンターで面会を申請する。二人は言われたとおりに道をたどって、エレベーターなどを乗り継ぎすると、やがて302号室へと着く。
尾崎は一拍開けて、扉を開けた。
「・・・あ、本当に来たんだ・・・」
真奈美が寝ている側で、奈津美が尾崎にかけて低い声で言う。あまりにも、彼女の顔は疲れ切った表情だった。それにはポタコンでさえ不安に思う。
「・・・当たり前だろ。容態は?」
「・・・今は安静に、ってところよ」
尾崎は「そっか」というと、準備されていた二つの椅子の一つに腰を掛ける。他の一つはポタコンが並んで座った。
今更のように思うが、よく見ると真奈美の体はほぼ包帯だらけだった。二人とも、その容態が単純なものではないという事が明確に映し出されている。
「・・・お前の妹は、何があったんだよ」
「・・・私たちが知った”真実”の関係者にやられたのよ。」
「それって、春山が・・・?」
「違うわ・・・私たちと一緒の類よ。春山を抑えるために行動していたらしいのよ。・・・ただ、その”抑え方”が、真奈美に火花を当ててしまった・・・ってね」
「・・・そんな・・・でも、それにしては怪我が多すぎだろう。・・・ここまでするなんて正気じゃねぇよ」
奈津美は頭を掻くと、こめかみに手を抑え、ため息をした。
「・・・そこはウチの馬鹿な妹が悪かったのよ。一回だけならここまでならなかった。けど、この子はもう一度、その関係者に挑んだのよ。・・・病院にも行かずにね・・・だから本当、ぶん殴ろうと今でも思うわ。」
「そうか・・・」
やはり、病人がいる室内では、沈黙がつきものなのかもしれない。そこからは静かな音が響き渡る。
時間はこんなに過ぎて行くものなのだろうかと、尾崎は思う。入室してきて夜7時だった時間が、すでに夜8時になっていた。
ポタコンも、睡眠したいのか、頭をふらふらしている。
やがて、そこから真奈美が起きた。
「・・・ま、なみ!」
尾崎はそこに入る事は出来ない。無言でポタコンを連れて真奈美へと向かったのだ。
「・・・おねぇ・・・ちゃん。それに・・・尾崎さんまで・・・本当、ごめんなさい」
と、真奈美は言うと、涙を流して奈津美に謝った。
「この馬鹿。本当に大馬鹿野郎!・・・病院にも行かないで、肉弾戦に立ち向かうなんて、馬鹿にも程がある!・・・あんたは、わたしの妹なんだから・・・もう少し考えて行動できたでしょうが!・・・何がポリスの正義よ。・・・聞いてあきれる事しないで。」
そこからは、尾崎はポタコンを見て、窓辺の夜空を見た。ここから姉妹の話に入ると思うと・・・二人とも・・・居心地が良くなったのだ。理解しあえる事は、こんなにまぶしい事だったのだと、感じた。
やがて、その1日は、病室の中で終末を終えた。
翌日のとある工場の内部—————
「はぁ〜、めんどくさい〜、あのレベル8もうぜぇし・・・その妹もめんどくさかったわ〜」
「だったらめっちゃそういうのやめてください。めっちゃうちのグロテスク人形、めっちゃ引き裂かれてるんですけど。」
「この中に爆弾入れちゃうってな訳よ。それが面白いってな訳よw」
「・・・・さっさとしないと、ボスに怒られる」
「「「は〜い」」」
「・・・てめぇら、とうとう明日だ。能力計算、できたかぁ?」
と、その工場内部では会話が成り立っていた。
そこには、暗闇がすべてを支配しているような感覚が広がっている。