コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.129 )
- 日時: 2010/09/01 13:29
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第20話
——翌日、朝8時に北武市の土手広場で、爆発が起こった。——
これは、病室の中にいる奈津美と尾崎が見ているニュースだ。テレビの中では、盛んに爆発が起こっている。そこに、防犯軍隊が入ろうとしているが、煙で相手が見えないどころか、その大きな煙から盛んに爆発が起こっているため、損傷者が多数増えてきているとのことだ。ニュースではこれを爆破テロ事件として取り上げられているが・・・。
「・・・・なんで?・・・真奈美、本当に夜7時なのよね?」
と、奈津美は、寝そべっている真奈美に問いかける。
「うん・・・、あいつらが嘘ついたのか・・・分からないけど・・・、行かなきゃ・・・もっと犠牲者が出る!」
真奈美はそれを言ってから起き上ろうとしたが、奈津美に抑えられ、戻される。それには大きく抵抗した。が、奈津美も負けていない。全力で真奈美をベッドへと戻した。
「ふー・・・駄目よ。・・・今、あんたを行かせるわけにはいかないわ。」
「でも、お姉ちゃん!・・・私はまだ行けるよ!ほら、足だって、動ける!・・・これは私が片付けなくてはいけない事なの!・・・お願い!」
尾崎にとって、このやり取りを考えていれば、奈津美が怒ると考えていたのだが、生憎、奈津美は起こらずに真奈美の肩を触って伝えた。
「・・・あんただけのことじゃない。それに、言ったでしょ?あんたは巻き込まれただけだって。本当に深くかかわっているのは、私たちなんだし、それに・・・こんな時くらい・・・”レベル8の姉”を頼んなさいよバカ。」
と、優しく言っただけだった。これには真奈美も驚いて、静かにベッドに座り戻した。涙を目に浮かべて。
(・・・なんで私は無力なの?・・・いっつもこうじゃない!)
真奈美はベッドの端っこを怪我をしていない左手でぶん殴った。痛々しい光景でもなかった。ただ、真奈美の気持ちが、かなり心に響く行動だった。
その光景を尾崎は見ていると、突然 奈津美が、病室のドアを開けた。廊下側は、太陽が照らしている。その日光は奈津美を照らし、尾崎の方向へと向いた途端、その光は逆光となる。
「さて、・・・と。 尾崎・・・行くわよ!」
「・・・ああ。・・・行こう!」
そして真奈美の目の前にいた二人は、戦場へと向かってしまった。真奈美には涙があふれ出る事を止めることは出来ない。悔しい感情、それが多かった。自分の情けなさ・・・そして心配を掛けてしまった馬鹿な自分。
「・・・お姉ちゃん・・・頑張って・・・!」
やがて、廊下側に出た奈津美は。
「ええ。・・・行ってくるわ」
と言って、尾崎浩太と共に病院の廊下を走って、土手広場へと向かった。