PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.148 )
- 日時: 2010/09/17 20:04
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第21話
食いちぎって、内臓の内部にある物すべてを喰らい尽くせば、今度は血の気を失った筋肉にかぶりつく。
「・・・なに、・・・してるの?ってな訳よ」
その中山の言葉には山陀は応答しなかった。ただ目の前にある、”回復”する物体を食べつくすことだけを考える。ただ・・・生きるために食べる虎のように。
「なんで仲間を・・・? 人材はたくさんあるはずって訳よ。別に光じゃなくてもよかったって訳よ!」
震える両手を押さえず、震えさせたまま床に力が抜けるように腰を下ろす。もう立ちあがる事は出来ないのかもしれないほど、彼女は動揺を隠しきれない。隠す事なんて考えられない。
何を言っても、山陀は倒れている死体に食らいつく。止めることは出来ないのだと、今更のように気付くと、中山は、背後から両手を這わせて、逃げるように出口へと向かう。
(もし、田名中だけで足りなかったら、次は・・・あたしって訳よ!)
その想いを一身に全力で逃げようとした時だ。
彼女が扉を触って開けようとしたのと同時に、山陀の『神殺しの左腕』が、中山の体に触れ、寿命中断を実行される。
「仲間だろぉ? 最後くらい、俺のぉ力になれやぁ」
山陀は命を亡くした中山にそう告げた。もう聞いていない事はどうでもいいかのように。
山陀は、骨だけとなった”田名中だった”遺骨を、捕食によって回復した右足で蹴り上げると、左手で捉えた中山に食らいつく。
彼の捕食は、回復ともなるが、能力の力を増量させる事も出来る。彼は、全治した後でも、たったレベル2の人間に負けたくないという理由だけで、もう一つの命を無きものにした。
尾崎の能力よりも汚らわしく、あざとい。
その尾崎達に、この状況は届かない。
暴力団の仲間など、ちっぽけな事だという事に。
PR