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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.151 )
日時: 2010/09/18 12:48
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第21話

 「あいつ、どこに行きやがったんだよ?」
 尾崎浩太は、山陀が逃げて行った方向へと真っ直ぐ走り続けると、一息するために呟いた。
 腕時計を見ると、爆発が始まった時間、午前8時からすでに9時間は経過している。現在時刻は4時20分。ビルとビルの隙間から夕立の光があふれだす。

 「ちょっと、あんた待ちなさいよ!」
 ふと、尾崎の背後に追いかけていた奈津美が声を掛ける。体力的にやはり尾崎の方が高いのか、息切れを隠し切れていない。そんな中、少しからずの汗を拭うと、奈津美は尾崎の正面に向かって歩む。

 「・・・なんであんた、生きてんのよ?」
 それが一番疑問に思う事だった。彼女にとっては、今が聞くチャンスだと考える。この探している時間は大抵、体力を温存させるのにはちょうどいいからだ。ならば聞きたい事を先に優先する。
 それも尾崎は同様のため、それに答えた。
 「俺の能力の意味、忘れたのか? 簡単な事だろ、俺が死ぬ事の事実を”無”くせばいいだけだからよ」
 「だったら、どうしてすぐ立ちあがらなかったの?死んだと思ったじゃない!!」
 「勝手に殺すなよ・・・・それに、容量多かったんだよ。俺のレベルじゃ、消すのに時間かかったんだよ。」

 尾崎が、最後にオクターブを下げて言ったために、奈津美は俯くことしかできなかった。

 沈黙の時間が流れる。