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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.156 )
日時: 2010/09/19 14:33
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第21話

 時はあのダークネス事件が起こった日から2日が立つ。
 ここは北武市総合病院の402号室。激戦の故、損傷と共に高熱で倒れた尾崎浩太は、少し熱が下がった状態で、回復しつつあるバテを感じながら静かに眠っていた。
 その尾崎が寝ているベッドの隣では、302号室で入院している坂条真奈美が、動ける状態まで回復したので、お見舞いに来ていた。この場合だと、お見舞いとは言えないが。
 「あははっ・・・よく寝るなァ・・・」
 真奈美はひそやかに呟く。尾崎の顔は戦いをした後とは思えないほど明るく、幸せそうな笑顔で寝ていた。
 この男性は、真奈美にとって感謝しなければいけない存在に当たる。自分の背負っていた事件を全力で解決したのだから。
 真奈美では絶対出来ない事を、奈津美と浩太はやって見せた。基本的に活躍していたのは坂条奈津美のお手柄となっているが、真奈美にはこの二人をどちらとも外してはいけない。ましてや一般人を巻き込んでしまったのだから。

 その一般人の尾崎浩太が、こんな全身の怪我を負っているのに、役に立てなかった自分に腹が立つ。真奈美は、奥歯を噛みしめる。
 (まったく・・・全然これじゃあ、いつまでたっても役に立てないよ)

 彼女はそう思うと、病院の購買で買ったリンゴを置いていくと、尾崎のいる病室から出ていく。

 「はぁ・・・」
 どうしても一息が付いてしまう。どうしようもなかった。真奈美は、至って通常の人より責任感が高いからだ。
 だから彼女は思った。これ以上一般人を巻き込まないために。

 (お姉ちゃん、私はもっとこれから強くしていくよ。どんどん強くなって、お姉ちゃんの横に並べるようにするよ。だからお姉ちゃんは先に進んで待ってて下さい。)

 彼女は廊下の壁に寄りかかり、一息つく。そして。
 (今度はこんなヘマを絶対しないために、全力で私も進みますから)

 坂条真奈美は、このダークネス事件で自分の身の程を知った。
 坂条真奈美は、尾崎と言う偉大なる男性を見つけた。
 坂条真奈美は、その二人に並ぶために努力する事を決めた。

 これ以上、迷惑をかけないために。共に闘うために。彼女は決意を今日を持って表した。






 その後、坂条奈津美はまたもやポリス・スタデントによる事件を解決したため、賞状をもらった。なお、尾崎浩太には今回の事件はあまりにも参加条件はそろっていないため、彼がいること自体皆無となっている。

 一番気になるダークネス団の事だが、逮捕された山陀自身が仲間などすべて喰らいつくしたと言う事を証明し、遺骨なども残ったがために、仲間は存在していない事になった。

 やがて夏休み中に起きたこの事件は大きくテレビやニュースに取り上げられることになった。




  darkness編、end.