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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(夏休み編 ( No.164 )
- 日時: 2010/09/22 21:59
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第22話
あの嘆きから復活した尾崎浩太は、無事に病院を退院する。彼は病院の出口に荷物の入ったケースを掴むと、出迎えに来ていた坂条奈津美に目をやった。
「出迎え・・・ありがとよ」
「べ、別に? お見舞いにも行けなかったし、せめて退院ぐらいはお迎えしないと・・・さ、」
「・・・ありがと」
「た、大したことないわよ! ほら、もう行こっ!」
奈津美はいきなり見せられた尾崎の笑顔に赤面しながら彼の右手を掴んで病院の前に停止していたタクシーに乗りこむ。遅れを取らないようにポタコンも慌てて乗りこむ。
「で、あんたにまた伝えなくちゃいけない事があるんだけど・・・」
奈津美はタクシーが運転中に尾崎へと呟いた。窓側を向いていた尾崎は、ゆっくりと奈津美に降り向かえると、その真意を知っているかのように口を開けた。
「分かってる。どうせまた俺だけ賞状ないんだろ? もう落ち込まねぇって」
「ち、ちがくて!・・・いや、本当に賞状は私だけだし、あんたにはなんの有利益もないんだけど」
「・・・・・で、?」
「だ、だだ、だから、ね。あの、明日さ、・・・暇?」
奈津美は赤面しながら、途切れ途切れに言葉を放つ。そのちょこまかとした戸惑いある行動に尾崎の疑問は拡大する。
「暇・・・だけど?」
「!!・・・・だったらさ、明日・・・明日わたしと一緒にプール行かない?!」
言いきったといわんばかりの赤面で奈津美は尾崎の真正面から言い放った。だが、尾崎にはそれも気になれば、プールなどという女子と一緒に行く事が有り得なく、
(女と一緒にプール!?)
尾崎浩太、放心状態に陥った。
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